April 16, 2005

Past, Present & Future Of R&B: Destiny's Child Live

最高峰。

デスティニー・フルフィルド [LIMITED EDITION]さすがに今世界で一番人気があるアーティストのライヴ・ショウだけのことはある。世界ツアーのトップを飾るジャパン・ツアー。後半はどんどんともっと練り上げられていくのだろう。初期の段階でこれだけの完成度があれば、もう文句はない。ビヨンセ、ケリー、ミシェルの3人組、デスティニーズ・チャイルド。2001年6月、10月以来3年半ぶりの日本におけるコンサート。一回りもふた回りも大きくなって、メガスターとして輝きながらの来日だ。

一曲ごとにちょっとしたシアトリカルな劇が織り込まれ、さらにそこに激しいダンスがからみ、ヴィデオ・スクリーンがさまざまな映像をだし、ヴィジュアル・エンタテインメントとして完全なものを作り上げている。これはひょっとするとジャネットよりも上かもしれない。

バンドはドラムス、キーボード2人、ギター、ベースという必要最小限で、徹底的にキーボード主体のリズムバンド。ボディーソニックのような低音がずしんずしんと体に響いてくる。そして、女性ダンサー3人、男性ダンサー6人にデスチャの3人。ということでステージには最大17人が上る。(なんと、女性ダンサーは本来4人とのこと。この日は1人が体調をくずし、出演していなかったという)

このダンサー陣が、最近のこの系統のライヴはみなそうだが、めちゃくちゃかっこいい。6人の男性ダンサーとデスチャが踊ったあたりなど、マイケル・ジャクソンが9人いるのかと思ったほど。この男性ダンサーたちの動きは、かつてのマイケルを思わせるものが多数ある。マイケルのショウはマイケルひとりだが、ここにはマイケルもどきが多数いて、圧倒的だ。特に「ジャンピン・ジャピン」の後半のダンサーのシーンは、いかにもマイケルがやりそうな動きを6人でたたみかけてきて圧巻だ。マイケルが見たら、「やられた」と思うことだろう。振付師が同じなのか? 

こうしたダンス・ドリヴンなライヴはマイケルを原点として、まさに年毎に進化している。よく考えてみれば、マイケルがこうしたダンス・オリエンテッドなエンタテインメント・ライヴの雛型を作ってからすでに20年以上の月日が流れているわけだ。それは、やる人がやれば、進化していく。ビヨンセたちは、まさにそうしたダンス系エンタテインメント・ライヴの王道を堂々と進んでいる。

そして、もう一点、彼女たちのパフォーマンスで素晴らしい点は、3人ともしっかり歌が歌えるということだ。かつてガール・グループとして一世を風靡した、例えば、ダイアナ・ロス&スプリームスなどは、ダイアナひとりのリードに2人はバックコーラス的な立ち位置になっていた。ガールグループはたいがいリードひとりに、コーラス的なものが多かったが、このデスティニーズは、ビヨンセが一歩ぬきんでているとはいうものの、ケリーもミシェルもソロ活動をし、しっかりヒットをだしているところがすごい。しかも、彼女たちが迫力あるヴォーカルを聴かせる。これは強力な女性シンガーが3人束になってかかってくることを意味する。ケリーのソロ(「ジレンマ」)、ミシェルのソロ(「ドゥ・ユー・ノウ」)の歌唱にもノックアウトさせられた。

また、ビヨンセが「ミー・マイセルフ・アンド・アイ」のところで、ステイプル・シンガーズの「アイル・テイク・ユー・ゼア」と「レッツ・ドゥ・イット・アゲイン」を歌い込んだのには驚いた。このあたりを選曲するところが、過去から現在、そして、未来へつながる道を歩んでいることの証なのだろう。

選曲も、グループとしての作品から、各人のソロからまんべんなく、デスティニーズ・チャイルド&ソロ・アンソロジーといった趣だ。しかも、やる曲が一曲ごとに短いから、息つく暇もなくその世界に入り込める。実質1時間41分で25曲1曲平均ほぼ4分。これはリズム感、テンポ感がでる。密度を濃くした101分だ。

最近のいわゆる歌ものシンガーはそれほど熱く歌わないというのがひとつの傾向のようだが、この3人はかなり熱唱型だ。歌えることを、歌がうまいことをひとつの武器にしているという点でも、珍しい。

無駄がない、21世紀型のダンス系エンタテインメント・ライヴ・ショウの最高峰と言っても差し支えないだろう。今、彼女たちの上を行くアーティストは見当たらない。女性R&Bグループの過去、現在、未来を凝縮しているライヴ・パフォーマンスだ。しかも、R&Bの枠をすでに超えている。

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デスティニー・チャイルド(Destiny Child) 前回ライヴ評
 
「“デスティニーズ・チャイルド=運命の子供”の正体」(2001年6月)
http://www.barks.jp/feature/?id=52247987

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CDアルバム

デスティニー・フルフィルド(来日記念盤) [LIMITED EDITION]
デスティニー・フルフィルド(来日記念盤)
サヴァイヴァー
サヴァイヴァー
ライティングズ・オン・ザ・ウォール
ライティングズ・オン・ザ・ウォール
デスティニーズ・チャイルド\
デスティニーズ・チャイルド

デスティニーズ・チャイルド「デスティニー・フルフィルド」(来日記念盤)
デスティニーズ・チャイルド「サヴァイヴァー」
デスティニーズ・チャイルド「ライティングス・オン・ザ・ウォール」
デスティニーズ・チャイルド「デスティニーズ・チャイルド」

デンジャラスリィ・イン・ラヴ
デンジャラスリィ・イン・ラヴ
ライヴ・アット・ウェンブリー
ライヴ・アット・ウェンブリーCD
シンプリー・ディープ\
シンプリー・ディープ
ハート・トゥ・ユアース
ハート・トゥ・ユアース
ドゥ・ユー・ノウ
ドゥ・ユー・ノウ
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ビヨンセ「デンジャレスリー・イン・ラヴ」
ビヨンセ「ライヴ・アット・ウエンブリー」(DVD)
ケリー・ローランド「シンプリー・ディープ」
ミシェル・ウィリアムス「ハート・トゥ・ユアーズ」
ミシェル・ウィリアムス「ドゥ・ユー・ノウ」

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"Destiny Fulfilled...And Lovin' It Tour"

Setlist @ Budoukan (2005.4.15)

show started 19:35

01. Intro (Video)
02. Say My Name
03. Independent Woman
04. No,No,No(Part2)
05. Bug A Boo
06. Bills,Bills,Bills
07. Bootylicious
08. Jumpin' Jumpin'
09. Soldier
10. Dilemma (Kelly)
11. Do You Know (Michelle)
12. Baby Boy (Beyonce)
13. Naughty Girl (Beyonce)
14. Cater 2 U
15. Girl
16. Free
17. If
18. Me, Myself and I (Beyonce)
19. ~I'll Take You There
20. ~Let's Do It Again~Me, Myself and I
21. Through With Love
22. Dangerously In Love (Beyonce)
23. Crazy In Love (Beyonce)
24. Lose My Breath

25(Encore) Survivor

show ended 21:16

(2005年4月15日金曜、日本武道館=デスティニーズ・チャイルド・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Destiny's Child

(水曜日13日に見たデューク・エリントンの評を掲載する予定でしたが、デスティニーズのライヴ評に変えます。デュークのライヴ評は近いうちに掲載します。また、みなさん気にしてらっしゃるスティーヴィー・ワンダー最新情報も、一両日中にまとめます。なお、マスターまだ来てません!)

投稿者 吉岡正晴 : April 16, 2005 02:12 AM
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