July 28, 2005Syncopation: What They Need Now Is...【シンコペーション、今、彼らに必要なもの】 3A。 昨年9月、縁あってアメリカ・ボストンを本拠に活躍する4人組ヴォーカル・グループ、シンコペーションのライヴを目黒のブルース・アレーで見た。その縁とはサンフランシスコのピアニスト、サヤの事務所が彼らを手がけているということだった。その彼らが約10ヶ月ぶりに再来日。今回は全国ツアーを展開している。東京地区、舞浜のイクスピアリに続いて行われた目黒・ブルース・アレーで2日間ライヴを見せた。 さらに縁というのは不思議なもので、先日フランクリンズでピアノを弾いてくれた永田ジョージさんと、このシンコペーションの阿部さんが大学同級生だったという。そこで、永田さんはこのシンコペーションを勝手連的に大変な勢いで宣伝・プロモーションをしている。 シンコペーション、徹底応援サイト(下の古い日付の日記から順にお読みください)< ひじょうにユニークな応援なので、興味ある方、ぜひ、ご参加を。口コミマーケティングで熱烈応援中。その応援もあってか、2日とも満員の入り。観客も彼らのライヴを見るのが初めてという人たちが半分以上で、口コミマーケティング、徐々にジャブが効いてるようだ。(お初が半分で思い出したが、毎回半分以上が初めての観客というのが、ピアニスト、深町純さんのライヴだ。今週末30日に、過去2回連続で都合で行けなかったので、3ヶ月ぶりに行く) シンコペーションは、アメリカ人3人(クリスティーン・フォーンソン、クリスティー・ブルーム、ジェレミー・ラグスデイル)と日本人阿部恒憲(あべ・つねのり)の4人組ヴォーカル・グループ。一言で言えば、マンハッタン・トランスファーのようなヴォーカル・グループだ。スタンダード・ナンバーなどをしっかりしたハーモニーで聞かせ、親しみ易いトークで観客を乗せる。 日本人の阿部さんが入っているということで、心情的にどうしても応援したくなる。野茂が、イチローが、そして、W松井がメジャーリーグで活躍するのを見れば、音楽の世界でもメジャーで活躍する日本人アーティストを見たいと思うのは、誰しも同じ。 ライヴ全体を通して見ての印象は、彼ら4人の人間性、人柄、性格がとてもいい感じだということ。みんな性格良さそうで、楽しそうに音楽をエンジョイしてる。このハッピーさが、観客に伝われば、観客もまちがいなくハッピーになれる。ピアニストがソロを弾いていれば、4人が揃ってそのピアニストのほうに向かって、一生懸命聴いている。これからもきっちり仕事を進めていけば、階段を一歩ずつ上がっていくことだろう。 さて、一方で音楽面での率直な感想と、さらに一歩高いレヴェルを進むための前向きな提案をしてみたい。アカペラ・グループあるいはそれに順ずるヴォーカル・グループだと、横綱の位置にはテイク6、最近はナチュラリー7、そして、別枠でマンハッタン・トランスファーがいる。歴史的な時系列で行けば、マンハッタン→テイク6→ナチュラリー7だ。それぞれがすべてヴォーカル・グループというカテゴリーの中で10年単位の中で進化を果たしている。これら3組をビッグスリーとするなら、彼らはそれぞれ、一瞬聴いただけで、彼らということがわかるひじょうにオリジナリティーがある。しかも、コーラス・ハーモニーの妙や、選曲のヴァリエーションなども素晴らしい。 彼らテイク6たちが、野球で言えばメジャーリーグの中でも、頂上に位置すると、このシンコペーションはメジャーリーグのひとつ下、3Aくらいにいる。なんとかがんばってもらって、メジャーの一軍のメンバーに入って欲しいところ。そして、一軍のロースター(選手枠)に入ったら、今度はレギュラー枠に入って欲しい。そして、レギュラーで活躍を続けるうちに、打者であれば、次々ヒットを放って、打撃のベスト10に名前を連ねるようになって欲しい。現段階で言えば、そういう感じだ。ではどうしたら、メジャーの一軍のロースターに入れるか。 やはり、全体的には4人のコーラスということで、どうしても、コーラスの幅が薄い。また、サウンドがマンハッタン・トランスファーに似てしまっていて、マンハッタン・トランスファーを思い起こさせてしまう。おそらく、遅かれ早かれ、彼らはマンハッタン・トランスファー的なものには別れを告げなければならない。そこで、例えば、ベースにものすごく太くて低い声を持つ黒人のシンガーをいれて5人組にしてみたらどうだろう。それだけで、かなり違った色彩になると思う。ヴィジュアル的にも、白人、日本人、黒人と揃えば、おもしろいかもしれない。もちろん、高音できれいなファルセットを歌えるシンガーなどをいれたらもっといいだろう。あるいは、4人の誰かがファルセットをやってもおもしろいかもしれない。声幅のヴァリエーションをつけるということだ。時代的には、ヴォーカル・グループ自体が4人、6人、7人と限りなくメンバーが増える中でヴァリエーションがでるようになっているので、そこで4人だけだとなかなか太刀打ちできない。 また、リード・シンガーをもう少しフィーチャーしてもいいかもしれない。例えば、一番魅力的な声の持ち主、クリスティーをもっとリード・シンガーとしてフィーチャーして、3人がバックコーラスに徹するという手もある。セカンドセットの3曲目「ヒーズ・ア・トランプ」では、そうした方法を見せたがこれをもっと徹底する。ちょうどグラディス・ナイト&ピップスのような形態だ。彼女を、シンコペーションの顔のように打ち出すのだ。そして、ひとたび彼女が顔として定着したら、徐々に他のシンガーのフィーチャー曲を加えていく。リードシンガーを打ち出さずにコーラスを前面に押し出すと、どうしてもマンハッタン・トランスファー色がでてしまう。 今回全16曲の中でもっとも印象に残ったのは、「ゲットアウェイ」だった。これは一曲の中でも実にヴァラエティーにとんでいて、ひじょうにおもしろかった。ここでは、サックスの部分をサックス奏者がやっていたが、口でサックス部分をやってもいいだろう。ヴォイス・パーカッションも、さらに磨きをかけてワンランク上を狙って欲しい。 先にあげたビッグスリーのヴォーカル・グループのほかに、アル・ジャロウ、ボビー・マクファーリンあたりの声の魔術師たちのライヴを徹底して研究してみると、新たなインスピレーションが沸くことだろう。ひとついえることは、人間の声には、ものすごく無限の可能性があるということ。考えられないほどのことが、人間の声ではできる。もっともっと声を研究して、声だけでこんなことができるのか、というところを見せてほしい。 シンコペーションのオフィシャル・サイト
First set show started 19.42 2nd set show started 21.08 (2005年7月26日火曜、目黒ブルースアレー=シンコペーション・ライヴ) コメント
セットリストまで載せちゃうとは・・・その抜かりなさ、さすが吉岡さんだと感動!\r 今後彼らがどういう方向性に行くか楽しみですね。\r 2ndでした。\r 青い鳥さん どうも。クリスティーンがソロをとった曲は、ファーストではシンディー・ロウパーの「タイム・アフター・タイム」、セカンドではスタイリスティックスのヒット「ベッチャ・バイ・ゴーリー・ワウ」です。 Posted by: 吉岡正晴 : July 28, 2005 01:34 PM吉岡さん、こんにちは!\r 吉岡さんのブログコメント、なるほど関心しました。\r あと26日のSetlist、気になってたんですよ。\r |