January 11, 2006

Kunimoto Takeharu (Part 1): Live At Ne Quittez Pas

【浪曲のニューウエイヴ~国本武春さん(パート1)】 

浪曲。

音楽島津山のフレンチ・レストラン・ヌキテパで、年に一度行われる忘年会。そこにフランクリンの幸三さんが出るというので、ちょっとのぞきにいった。みなさん、食事を終えてからジャズの演奏を楽しむ。オウナー・シェフの田辺さんが「よこはま・たそがれ」他1曲をワンコーラスだけ歌って、受けていた。歌詞カードを置いていた譜面台のあたりに照明が当たっていなくて、ちらちら歌詞カードを見ていた田辺さんに、「暗くて、読めなくなかったですか」と尋ねると、「だ、大丈夫、大丈夫。見えたよ。でも漢字が読めなくて~~(笑)」。田辺さんが簡単に司会っぽくやっていたが、けっこうこれがおもしろい。

さて、そのライヴに続いて登場したのが、浪曲の国本武春さん。初めて浪曲というジャンルを見たが、これがすっっっごくおもしろかった。最初に浪曲の簡単な見方というか、観客の合いの手の入れ方の講釈がある。

「三味線が3回、チャンチャンチャンって鳴ったら、『たっぷり!』といれてください。『た』と『ぷ』の間に小さな『っ』をたくさ~~ん、いれて、『たっっっっっっぷり!』っていう感じでお願いします。それから、私がひとっぷし、うなった後は『名調子!』です。じゃあ、やってみましょう」 

こういって観客にリハをつける武春さん。「そして、最後は『日本一!』あるいは、『いい男!』、これはそのまんまということで(笑)。で、時々、いいところで、『よ~~』(ちょっと甲高く、裏声っぽく)といれていただくと、なおよろしいか、と。はい、そこ、メモ取られてる方いらっしゃいますね。(笑) (註、ソウル・サーチャーのことです。たっぷり、名調子、日本一と言わなきゃならない言葉をメモしてました) くれぐれも、順番をお間違いないように(笑) では、ちょっとやってみましょう(笑)」 完璧に、エンタテインメントのコール&レスポンスである。

浪曲を歌うことを「うなる」という。そこで、彼の自らのキャッチコピーは「うなるカリスマ」~~。この枕だけで、充分笑えた。

で、それ以後、三味線の簡単な歴史やら、種類、沖縄音楽でおなじみの三線(さんしん)から変化して三味線になったとか、沖縄の三線はゆったりと弾くが、津軽三味線はすごく早いのはなぜか、などという話が次々とでてくる。元々こうした三味線パフォーマンスは、「門付け芸(かどづけげい)」と呼ばれた。家の門のところでやる芸のことだ。獅子舞なども、門付けというわけだ。津軽は、とても寒いので家の外で演奏したりする時に、ゆっくりやってると、凍ってしまうから早く弾く。(笑) てな話を、誠か嘘か、実におもしろおかしく話してくれる。これだけで、充分に学べた。

武春さんは、アメリカに行って演奏する機会があった。もともとブルーグラスなどを演奏していたことから、そうした音楽や世界各地の音楽と三味線のクロスオーヴァーを試みる。三味線でロックンロールをやるとどうなるか、三味線でブルースをやるとどうなるか。ブルーグラスは? フラメンコは? これがまたまたおもしろい。これだけで、充分にエンジョイした。

そして、最後に彼の十八番のひとつという「ザ・忠臣蔵」という演目を披露した。歌に入る前に、簡単な浅野対吉良のストーリーをおもしろおかしく紹介し、この楽曲に進むので、話がじつによくはいってくる。これが二部仕立てになっていて、しかも、「では」といったら、なんとMDで打ち込みのカラオケの音が登場、それにあわせて三味線と「うなり(歌)」をやったのだ。パート1はアップテンポのロック調、そして、パート2がバラード調。最後のエンディングまでしゃべりとオケがきちっと終ったので、びっくりした。これだけで充分、感動した。

特にアップテンポの曲を三味線で弾く時に、かなりファンキーな感じになっていておもしろかった。トータルで50分余だったが、息つく暇もなく次々とネタを出され、充分満腹になった。フル・ショウは1時間半から2時間、ノンストップでやり続けるという。一度、来年のパルコ劇場でも見に行こうかな。

(この項つづく=明日は武春さんのお話)

【関連記事】

■ソウル・サーチン・ダイアリー2004/04/21 (Wed)
The Tugaru Live: Can Shamisen Make Groove?
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200404/diary20040421.html三味線でグルーヴは作れるかというテーマでの一文。

■国本武春さんオフィシャル・ウェッブ

http://homepage2.nifty.com/ts-sonic/

■今後のスケジュール(抜粋)

2006/02/21(火)19:00~ 東京・渋谷パルコ劇場
どかーん武春劇場in PARCOVol.3 ~“武春”V.S“国本”~古典の日“武春の日”  ~たっぷり ! 古典浪曲~  国本武春 曲師:沢村豊子
全席指定5,000円 (問)パルコ劇場03-3477-5858

2006/02/22(水) 19:00~東京・渋谷パルコ劇場
どかーん武春劇場in PARCOVol.3 ~“武春”V.S“国本”~ 弾き語りの日“国本の日”  ~しびれる! 弾き語り~  
全席指定5,000円 (問)パルコ劇場03-3477 -5858

2006/03/14(火) 19:00~ 東京 青山草月ホール
●とみん特選小劇場★第22回「国本武春の世界」主催:都民劇場 03-3572-4311(代) チケット ぴあ0570-02-9999 Pコード: 365-715
S席4,000円 A席3,500円 (申込み)都民劇場 03-3572-4311

(2005年12月26日月曜、島津山レストラン・ヌキテパ=国本武春・ライヴ)

ENT>MUSIC>ARTIST>Kunimoto, Takeharu
ENT>MUSIC>LIVE>Kunimoto, Takeharu
ENT>MUSIC>ESSAY>Shamisen

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投稿者 吉岡正晴 : January 11, 2006 01:31 AM
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