March 13, 2006

OA Farewell Party

【OA、フェアウェル・パーティー~営業は5月10日まで延期】

フェアウェル。

今年3月で閉店するとお伝えした青山のソウルスナック「OA(オー・エー)」のフェアウェル・パーティーが、音楽評論家鈴木啓志さんの音頭で3月12日行われた。OA自体は、建物の引渡しの遅れなどの理由で2度にわたり、閉店日が延長され、5月10日まで営業することになったが、当初の3月15日閉店にあわせて企画されていてこの日のパーティーが予定通り行われた。以前からのOAのファン、OAのママのファン、ソウル好きの人たちが多数つめかけた。

ちょうど僕が有楽町国際フォーラムでのディスコ・イヴェントから店に着くと、店の前まで人があふれていた。国際フォーラムで、偶然久々にソウルバー、シュガーヒルの越川さんに会ったので、一緒にOAを誘った。店内には30人近くがいて、石島さんがレコード(7インチ・シングル)をかけ、鈴木さんが解説をつけていたりした。まるで、レココン(レコード・コンサート)さながらだった。

OAは、1971年5月10日、青山に学生街の喫茶店として生まれた。青山学院西門の前で、昼の12時から夜中まで営業し、当初は昼間は学生が多かった。OAのママは、昭和15年生まれの藤村さん。30歳の時に始めた。今年でオープン35周年になる。店名は、まずアルファベットの洋っぽい名前にしたかったということ、元々このお店の内装に丸みががったインテリアなど「〇」(マル)の要素が多く、そこからOをとり、2文字目はAから順に考え、一番最初のAがいいかと、OAとなった、という。ここがソウル・スナックとなってから、オーティスのOとアレサのAですか、などと訊かれるようにもなったが、当初はそうしたニュアンスはなかった。

この日はOAにゆかりのあるミュージシャンも集まり、マイクなし、PAなしで、ライヴを繰り広げた。トップバッターは、1949年生まれの人たちが集まったという49ers(フォーティーナインナーズ)から、かわぞえさんが、ギタリストと二人で登場。ウィルソン・ピケットの「アイ・ファウンド・ラヴ」、オーティス・レディングの「アイヴ・ガット・ドリームズ・トゥ・リメンバー」、再びピケットの「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」を、まさに熱唱した。ギター1本で、実に熱い歌だ。マイクなしなのに、声が大きいので目の前で見ていた僕は、かなりの迫力に圧倒された。

彼らに続いて登場したのがオリト。OA出身のソウルシンガーとしても知られるOAと縁もゆかりも深いシンガーだ。彼はギターの弾き語りで「クルージン」(スモーキー・ロビンソン)からメドレーで「レッツ・ゲット・イット・オン」(マーヴィン・ゲイ)へ。そして、「アイド・ラーザー・ゴー・ブラインド」(クラレンス・カーター)に。「ブラインド」は、なんとオリトが日本語で、即興でOAに関する歌詞を作り、ブルースにしたてあげた。これは、見事だった。最高におもしろく、泣かせた。

オリトはOAに来たての頃、サム・クックやオーティスの珍しい映像を見せられて、「こいつ、すごいんだよね、あいつ、かっこいい~~」などと言っていたら、ママに『「こいつ、あいつ」なんて言うんじゃありません、ちゃんと敬意を表しなさい』と大変な剣幕で怒られたという。

「OAが閉店してしまうのをみるくらいなら、目が見えなくなったほうがましだ~ みんなここで、ママさんに怒られた~~」と歌い、客の爆笑を誘った。特にオリトは、ソウルシンガーを目指した時、ママに「メンフィスに行ったらどう」と言われメンフィスに行き、ウィリー・ミッチェルの元でレコーディングし、レコード会社からデビューすることができた。しかし、その後も紆余曲折あり、苦労している時に、いつもママに励まされたという流れがあっての、このブルースだった。歌い終わる頃には、オリトはほとんど泣いていた。

ちょうどこの頃、村上さんと酒井さんが「は~い、ソウル流しで~~す」と登場。村上さんの学校の先輩筒井さんがギターを弾いて、まずサム・クックの「ユー・センド・ミー」から、「ワンダフル・ワールド」へ。「ユー・センド・ミー」での、途中でOAでの村上さんと桜井ユタカさんの出会いの話をうまく語りとしていれたところは、みんな爆笑した。

ギターの楽譜を置くところがなかったので、目の前に座っていた僕が楽譜を手持ちすることになった。(笑) サム・クックを歌い終え、コードだけが書いてあるノートをぱらぱらめくると、「ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート」があったので、「これ、これ」というと村上さん、「これは歌詞を見ます」と言って歌詞カードをどこからともなく出して歌い始めた。なんで、歌詞カード持ってるの?(笑)

そして、オリト、酒井さんも交えて誰でも知ってるテンプスの「マイ・ガール」。サビは大合唱。さらに、「ソウル・マン」へ。これは、後半、OAの名物麺「ソウル・バンバン」というのがあるが、それにちなんで、「ソウル・マン」のところが、「ソウル・バンバン」の替え歌になり、途中から酒井さんが、ラップともナレーションとも言えるような語りをいれ大盛り上がりとなった。いやあ、しかし、ソウル好きが集まった独特の空間がみんなが知ってる音楽で一体化するところは楽しい。

それにしても、こうした店が閉店するのはもったいない。というわけで、このお店の看板やレコード、いろいろな小物は、欲しいと言う人が多数でて、ほとんどのものの行き先が決まっている、という。現時点での、同一場所、同一店舗名としての日本最古のソウルバー、もしくは、ソウルスナック、OA。その歴史がまもなく閉じようとしている。

Setlist

Kawazoe

01. I Found Love
02. I've Got Dreams To Remember
03. In The Midnight Hour

Orito

01. Cruisin
02. Let's Get It On
03. I'd Rather Go Blind

Murakami Tetsuya & Sakai Yuji

01. You Send Me
02. Wonderful World
03. Dark End Of The Street
04. My Girl
05. Soul Man~Soul Bang Bang

--(break)

01. Twisting & The Night Away
02. Let's Stay Together
03. Nothing Can Change This Love
04. Stand By Me

(2006年3月12日日曜、青山ソウル・スナックOA=OAフェアウェル・パーティー)
2006-50

ENT>MUSIC>LIVE>OA Fairwell Party
ENT>SOULBARS>OA

投稿者 吉岡正晴 : March 13, 2006 06:24 AM
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