April 23, 2006

Tokyo Kalimba Story: The Sound Of African-Japanese

【カリンバに惹きつけられて】

アフリカン・ジャパニーズ。

友人の写真家Sから、今日(22日・土曜)午後、渋谷の『アース・デイ』イヴェントの一環でラヴ・サイケデリコのフリーライヴがあるから行かないかという誘いがあり、夕方ちょっと時間が空きそうだったので、出向いてみた。

会場となっているNHK横あたりの一帯は、その『アース・デイ』というイヴェントで多くの店が出て大変な人が集まっていてびっくり。すでにライヴ開始予定時刻の5時を過ぎていたので、急ぎ足でライヴ会場に向かってその「商店街」を歩いていたのだが、ふと聴きなれた音にソウル・サーチャーの足が止まった。

なんと、アフリカの楽器、親指ピアノと言われるカリンバの音色だった。おおおっ、カリンバが・・・。ふと見るとその小さなお店ではカリンバを売っていて、店のご主人がカリンバを小さなアンプにつないでデモンストレーション演奏を見せていたのだ。日々ソウルをサーチンしている私としては、ここは見過ごすことはできない。

聞けばこのカリンバは、みな自分で作っているという。種類によって若干違うが12弦から15弦くらいのものを13000円程から販売している。お店のご主人はブンさん。10年以上前に、旅に出る時に友人からこれをもっていくといいよと言われて、もらったのがカリンバだった。旅に行く時にはいつでもどこでも、この小さなカリンバを持ち、旅先で弾いていたという。そうすることによって、現地の人と自然と交流ができるようになったそうだ。こういう楽器、自分で作れちゃうんだ。すごい器用なんですね。

音楽僕がカリンバという楽器の存在を知ったのはもちろん、アース・ウィンド&ファイアーのレコードからだ。どのアルバムからカリンバを意識したかは、正確には思い出せないが、今過去のCDを見てみると『オープン・アワ・アイズ(邦題、太陽の化身)』あたりかなと思う。これは1974年に出ているのでその頃なのだろう。アースのリーダー、モーリスがこのカリンバを弾くが、71年のデビューアルバムから既に彼はカリンバを弾いていた。『太陽の化身』には、「カリンバ・ストーリー」という曲と「ドラム・ソング」というカリンバがふんだんに入ってる曲がありどちらもいい感じだ。

そういえば、その時はこの音がカリンバの音だなんて、わかっていなかったように思う。生カリンバを初めて見たのは、79年3月、アースが初来日した時だ。この時、武道館のステージでモーリス・ホワイトがカリンバを指で弾くのを見た。その時の第一印象は「なんと小さな楽器なのか」ということだった。

これまであまりカリンバの楽器を売っているのは見たことがなかったのでひじょうに興味を持って、しばし、ここで立ち話を始めてしまったのである。

ギター用の吸盤のようなピックアップをカリンバの下のほうにくっつけ、それを小さなアンプにつないで、優雅な音を出していた。彼が奏でる音はとても綺麗な音で、店の前にいた若い男の子たちも「これ、やばいっすねえ」と感動していたりもした。

「これはアフリカのカリンバの音とは違うのですか」と尋ねると「アフリカのはもっと乾いた音がします。でも僕のは、もう少し瑞々しい音にしたいと思ってこういう音にしています」という。確かに、僕が聴きなじんできたカリンバの音は乾いていて、ここで聴いたブンさんのは「しっとり、水々しく」感じられた。そういう意味でいくと、彼のカリンバはまさに日本ぽい音を出すカリンバだ。彼はリズムっぽい曲もできれば、ひじょうに叙情的なメロディアスなメロディーも弾ける。「アフリカでは、カリンバは『心の楽器』と言われてるんです」とブンさんは解説する。一応2オクターブでるので、大体の曲なら弾けるということになるのだろう。

「アース・ウィンド&ファイアーというグループは知っていますか」ときくと「名前は知ってますが、音はよく知りません」とのこと。「他にこのようにカリンバを弾く人は日本にもいるのですか」ときくと、何人かいる、という。ブンさんにはアースの『太陽の化身』のアルバム、あるいは『灼熱の狂宴(グラティテュード)』(特にカリンバ前面フィーチャーの「ニュー・ワールド・シンフォニー」チェック)あたりのアルバムを推薦しておきたい。

デモンストレーションでは彼が自由にプレイしていたので即興演奏はするのかと尋ねると、最初の音を決めるなり、コードだけを決めたりすれば、いくらでもできる、という。な~るほど。即興ピアノとのコラボレーションも可能かな。

また、ブンさんは池袋のコミュニティ・カレッジでカリンバの弾き方を教えるクラスを持っているという。

携帯が鳴った。Sだった。「もう、ライヴ終わっちゃったよ」「おっと~~。途中のカリンバ屋さんでひっかかっちゃって(笑)」 

店のテーブルに、いくつものカリンバとともにCDが3種類ほど置かれていた。これはコータオ(表記はKOH-TAO)というグループで、ブンさんのユニットだった。その3枚を買った。車で聴いてみると、なるほど「夜とか聴くと気持ちよくて、寝られますよ」という言葉通り、いわゆる「癒し系」というか「ヒーリング系」のサウンドだった。

モーリス・ホワイトのカリンバは、まさにアフリカン・アメリカンな感じ。一方ブンさんのカリンバはアフリカン・ジャパニーズな感じだ。アフリカ生まれの楽器が日本のサウンドを作っているような気がした。そこにはトウキョウ・カリンバ・ストーリーがまだまだありそうだ。

■2006年4月29日(土曜)17:30~19:00、お台場海浜公園内砂浜の上でちょっとしたライヴをやるそうです。参加費無料。

■関連ウェッブ

ブンさんのウェッブ
http://www.medialabo.co.jp/moon/

池袋コミュニティ・カレッジ
http://www.seibu.co.jp/c_collegeブンさんのクラス
http://college.i-printnet.jp/html/200604/20060413/20060406032.htm

ENT>MUSIC>ASRTIST>Bun / Koh-Tao

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投稿者 吉岡正晴 : April 23, 2006 05:20 AM
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