December 23, 2007David “God’s Hand” T. Walker: There’s Movement In Stillness【デイヴィッド・T・ウォーカー、港横浜に足跡を印す】 静嵐。 まさに「静かな嵐」だ。デイヴィッド・T・ウォーカーのパフォーマンスは、静かにもかかわらず、激しく熱くなる。「クワイエット・ストーム」は、詩人スモーキー・ロビンソンの代表曲のひとつでもあるが、スモーキーはまったく対照的なふたつの単語を組み合わせて、独特な状況を描きだす天才だ。彼が書いた歌詞~「曇りの日に太陽を見つけた」と歌いだすのは、テンプテーションズの「マイ・ガール」。曇りと太陽というまったく相容れない単語を組み合わせて予期せぬストーリーを作る。 なんてことを思いながら彼のギターの音色に耳を傾けていたら、デイヴィッドに「クワイエット・ストーム」をやってもらいたくなった。これは、彼にぴったりの曲だ。 まさに「神の手」だ。デイヴィッドの手、指から醸し出される音色は、スモーキーに勝るとも劣らず景色を描き出す。彼の優しい指先が弦に触れて出てくる音は神の音かもしれない。 まさに「愛の音」だ。4人のミュージシャンとともに積み重ねられるデイヴィッドのサウンドは愛とやさしさと、ソウルと時に強さが込められている。彼のライヴを見終わると、ほっとしたり、心が温かくなったり、安らいだ気持ちになるのは、ひとえに彼の人間性に負うところが大きい。それらすべてをひっくるめて言えばデイヴィッドの愛の大きさだ。それはスティーヴィー・ワンダーとも共通する。 ムーヴメント(動き)の中に静がある。そして、静寂の中に動きがある。 情熱の中にクールがある。そして、クールの中に情熱がある。 やさしさの中に頑固な芯がある。そして、芯の中にやさしさがある。 笑顔の中に一粒の涙が見える。そして、一粒の涙の中に微笑みが見える。 円熟の中にフレッシュな若さが飛び散る。そして、若さの中に円熟味がにじみ出る。 デイヴィッド・Tのギターにはそんな相反する表情がある。だからそれが彼のギターに奥行きを与えている。 +++++ 職人。 セットリストは、東京と同じだった。これは日が進むにつれてどんどんバンドサウンドは固まっていくに決まっている。しかし曲によって微妙にのりが違う。それよりも、ときにデイヴィッドのギターを、たとえば、リッキー・ロウソンのドラムで聴いてみたいと思った。いえ、別にンドゥグに文句があるわけではありません。(笑) でも、ちょっと出すぎのところがある。デイヴィッドのように、一歩控えめでもいいかもと思う。ジェリー・ピーターズのキーボードの弾き方、超マニアックというか、オタクっぽくてよかった。音ももちろん。この日、デイヴィッドは7回演奏中に立ち上がった。この中には、彼がジャケットを脱ぐために曲間に立ち上がった回数は含めていない。ジェリーも演奏中3回立ち上がった。そして、みな、音の、楽器の職人であった。デイヴィッドは1941年6月25日カリフォルニア州生まれ、現在66歳。 ■ デイヴィッド・T 関連記事 December 19, 2007 ■ メンバー David T. Walker (g) デイヴィッド・T・ウォーカー(ギター) ■Setlist: David T. Walker @Motion Blue, December 20, 2007 Second Set; show started 21:31 【2007年12月20日木曜、横浜モーション・ブルー=デイヴィッド・T・ウォーカー・ライヴ】 David T. Walker の表記はデビッド・T、デイビッド・T、デヴィッド・T、デイヴィッド・Tなどいろいろあります。ソウル・サーチンでは、「デイヴィッド・T・ウォーカー」を使用します。 コメント
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