April 27, 2008Fukamachi Jun #88: Jun Lose To Young Energy【深町純第88回即興キーボード・パーティー】 負け。 全曲即興。その場で思いついたメロディーを次々と奏でるキーボード奏者、深町純の定例キーボード・パーティー。その第88回、セカンド・セット、2曲目。 客席後方の7人組みの若者たちのおしゃべりがずっと続いていた。まるで普通のカフェでおしゃべりをしているかのようだ。演奏者は、そのしゃべりに負けないよう、若者たちを自分の音楽のほうに向かせようとムキになっていた。音楽を聴こうとしない若者たち。その彼らをなんとか振り向かせようとする演奏者。それは、あたかも「北風と太陽の話」のようにも思えた。この場合、演奏者は北風で、若者たちはコートをしっかり抑えていた旅人だ。 そして、曲の途中で演奏者は、ぶっつり演奏を止めた。「ゴメン、集中できなくて。なんとか、話が聴こえてきてしまうと、だめで。なんとか黙らせようと思ったんだけど、若者たちのエネルギーに負けました」 つい最近とあるアーティストが「音楽は勝ち負けだ!」と断言したのを聞いて感嘆していたのだが、奇しくも音楽の勝ち負けが表出した瞬間だった。 ファーストでもちょっとそういう部分があったのだが、僕は、こういうときは曲のエネルギーを高めて、力対力で行くのではなく、むしろぐっと静かにして静寂を作ればいいと思う。この日、深町さんは北風になった。逆に太陽のようにすれば、彼らをだまらせることができたのではないだろうか。ピアニシモのような小さな音で演奏すれば、しゃべっている人たちはその声の大きさに気づく。そして会話を止める。しかし、北風になるのも、太陽になるのも演奏者深町純が自由自在に即興演奏をするがゆえに可能だ。次回はぜひ、太陽になって勝負に勝っていただきたい。(笑)とはいうものの、この日も突然演奏を止める瞬間は、かなり静かになっていたんですけどね。 さて、この日はフランスのハーモニカ奏者ジャン・ラーブルさんが飛び入りで深町さんと即興を聴かせた。深町さんは言う。「こういうのいいよね、すぐ(演奏)やっちゃうっていうの」 セカンド2曲目は未完で終わった。一通りの告知をしてショウも終了。すると別のお客さんが「さっきのだと後味が悪いので、ちょっと短く即興でやってください」というようなことを言ったらしい。そこで、珍しく深町さんがもう一度キーボードの前に座り、短い曲をやった。その曲の後半には、ハーモニカのジャンさんも乱入し、2人での演奏に。こういう風にできる曲は、いい曲に決まっている。これもまた、即興の妙。 ■深町純・定例キーボード・パーティー第89回(2008年5月)は、最終土曜日5月31日、祐天寺「FJズ」で午後8時から、60分程度が2セット。ミュージックチャージは、見て気に入った分を自由に払うシステム。 ■セットリスト 1st set 2nd set ■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します)(単位は%) 2007年07月 第一部 66.23 第二部 66.45 (2008年04月26日、祐天寺FJズ=深町純ライヴ) コメント
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