August 01, 2008

Bar Kays (Part 2) : Funk Party Till Dawn, King Of Old School Soul

(バーケイズ・ライヴ=パート2=昨日からのつづき)

【バーケイズ・ライヴ(パート2)~ファンク大爆発の夜】

オールドスクール。

特別のゲストが来ていて、ドラマーが交代した。そして、流れてきた「パープル・レイン」。すると、そのドラマーを見たソウルメイト、ハセヤンが言った。「おおっ、あれ、ニューヨークで見たプリンスのときのドラマーじゃないか?」「ええっ、なんで日本にいるの?」 よくわからない。プリンスといえば、ツナさんである。そこでさっそく彼に問い合わせメール。「プリンスのドラマーは?」「今はCCダナムという女性です」「男で直近は? 誰か来日してます?」「前ドラマー、ジョン・ブラックウェルが来日中です」 それだ! 「ダブルのタカコで来てるはずです。それ、吉岡先生から教えてもらった情報ですよ」 が~~ん忘れてた。(笑)

なんと、メンバーのエマニュエルに代わってドラムスの席についたのは、元プリンスのドラマー、ジョン・ブラックウェルだったのだ。ギターのトニーが、まるでプリンスの如く歌い、プリンス・バンドのジョンがドラムを叩いた「パープル・レイン」はフルサイズ10分以上になり、やんやの大喝采を集めた。それは手馴れたはずだ。いやあ、スローなのに盛り上がった。いいドラマーだ。

メンバーが彼を紹介する。「ジョン・ブラックウェル!!」 拍手の中、いったんステージ横に退出。そして、今度は何をするかと思ったら、ベース奏者のジェームス・アレキサンダーが前に進み出た。MCによって、「われわれはグループを結成して40周年になる。(筆者注、初ヒットからはすでに41年、結成からは42年) 以前、オーティス・レディングのバックをつとめていた」と紹介され、怒涛のオーティス・メドレーが始まった。しわがれ声のジェームスの歌声は、オーティスを真似たものか。なんと渋い声。いっきにコットンクラブが1960年代のR&Bワールドにワープした。

オーティスのバックを務めたバーケイズが、しかも、実際にオーティスの後ろでベースを弾いたジェームス・アレキサンダーがそのオーティスの曲を歌う。「オーティス・レディング!! ウイ・ミス・ユー!!」とジェームスが叫ぶ。感動だ! 忌野清志郎さんに見せたかったな。「アイ・キャント・ターン・ユー・ルーズ」から始まり、ノンストップで「トライ・ア・リトル・テンダーネス」に。ここからリードがラリーに変わる。これは最近は映画『マイ・ブルーベリー・ナイツ』でも、コーヒーショップ、スターバックスでもかかっていて、ちょっとしたブームだ。さらに「サティスファクション」。ストーンズのカヴァーをオーティスがやったヴァージョン。そして、そのまま「ドック・オブ・ザ・ベイ」だ。途中のサビの部分を、fラリーはマイクを観客に向け歌わせようとしたが、ちょっと歌詞部分がわからず、あまり歌えなかった。でも、口笛の部分はみんながなんとかやった。「ドック・オブ・ザ・ベイ」の歌詞は基礎教養として覚えておかないとだめか。(笑) このオーティス・メドレーは前回になかったので、定番にすればいいのにと思った。

そして、アーチー・ラヴが再度登場し、彼の持ち歌「トゥルー・ラヴ」を披露。さらにもう1曲マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイング・オン」をダレルが。この時点で、もう20%増量なんてものではなく、50%増量くらいになっているのではないか。そして、これを終えて、バーケイズ・ショウへ戻る。「ホーリー・ゴースト」だ。なんと、この「ホーリー・ゴースト」では客席にいたジェイ公山さん、ステージに上げられ、熱唱! なんという増量。(笑) グッドジョブ! ジェイさんはバーケイズと一緒にレコーディングもしているわけだし、ステージにあがってもなんら違和感なしだ。そして、ノンストップで「フリーク・ショウ」。これで一度本編を終わり、アンコールに「ユア・プレイス・オア・マイン」。

「You Ready Go Home? (家に帰りたいか?)」 「ノ~~~~」

なんとこのアンコールでは、キーボード、エズラとカートのソロがあり、その後にジョンがドラム・ソロに再突入。これがすごかった。ドラム・ソロをやっている間、メンバーはドラマーを見つつ、手で仰ぐしぐさ。そして、ジョンのドラム・ソロ。あいた口がふさがらないとはこのこと。元ドラマー、ハセヤンも「これはすごいわ」とえらく感激。

そして、ジョンがドラムに入ったことから、バンドの本来のドラマー、エマニュエルがあぶれたと思いきや、ジェームスが彼を手招きし、エマニュエルにベースを手渡すではないか。彼もかなり巨漢なので、ベースが小さく見えるが、いきなりバチバチものすごいソロを叩く。チョッパーだ。ええっ、彼はベースもできるんだ。みな、器用。しかも、ドラムスとベース(実際はドラマー)のインタープレイがまたまたおもしろい。これが結局15分近くになるロング・ヴァージョンで大団円となった。

しかし、エネルギッシュですごい。50%大増量のライヴであった。しかも、よくセットリストを見ればわかるように、スライ、マーヴィン、オーティスまで、ある意味「オールド・スクール・ソウル」のデパートではないか。

ライヴが終わると、DJアトムが手招き。すでに目もうつろ状態。相当よっぱらっている様子。聴けばファーストとセカンドを通しで見て、前日も見たという。都合3回見て「僕は1回しか見てない」というと、「(オレは)3回で、吉岡くんに勝ったよ」と自慢げ。ジェイさんに「グッド・ジョブ」と声をかけると、「今日はただの客ですから」。そして、『ソウル・トレイン』のDJリュウが。「今、ジョン・ブラックウェルのめんどうみてるんですよ、今回だけですけどね」と。あ~~なるほど、それで。「今回のバンマスはキーボードの学史だよ」 ああ、なるほど。それはすごいや。あさって(31日・木曜)ダブルやるから来てくださいと、ということで急遽行くことに。

ライヴ後、汗を拭くまもなくメンバーはサイン会にでてくる。何人かと話したことをまとめてみる。

ステージ向かって左のスキンヘッドのキーボード、エズラ。右側のキーボードもスキンヘッド。右がカート・クレイトン。これまでにも何度も来ている、愛称KC。ヴォーカル・ダレルとドラムス、エマニュエルは兄弟で、ダレルが兄。エマニュエルは3年ほど前にバーケイズに入ったが、前回来日時(2006年)は別の仕事が先に入っていてバーケイズの一員としては来日できなかった、という。最初3年前にバーケイズ入りしたときは、キーボード奏者として入ったそうだ。ということは彼はドラムス、キーボード、そして、ベースも弾くのか。まさにマルチ・プレイヤーではないか。

アーチーは先に述べたとおり、南部メンフィスを中心に活躍するヴェテラン。1958年11月23日シカゴ生まれ。スタックス周辺で活躍し、ソウル・チルドレンらと関係のある仕事をしてきた。最近ではJブラックフットの最新作『イット・エイント・オーヴァー・ティル・イッツ・オーヴァー』やソウル・チルドレンの『スティル・スタディー』などに曲提供したりプロデュースをしていたりする。レニー・ウィリアムスとJブラックフットのデュエットをプロデュースしたのは書いた。

キーボードのエズラは3年ほどバーケイズに在籍。Jブラックフットなどとも仕事をしてきた。ワーナーから1995年に出たRAWというグループにもいたという。オリジナル・メンバー、ジェームス・アレキサンダーは「足ががくがくするよ」と言ってぼやく。誕生日はと訊くと「1月19日」。「年号は?」「1950年、58歳だ、もうオールドだよ」との答え。資料によっては1948年生まれ説もあるが、果たして。

それにしても、これだけ熱いファンクを聴かせてくれるバーケイズ。おそらく日本のファンのリアクションも十分楽しんでいるようだ。いいミュージシャンといいファンのいい関係ができて、いいライヴが行われる。最高に素敵だ。今回彼らに新たな名前を授けたい。「キング・オブ・オールド・スクール・ソウル」。

(セットリスト、メンバー表は昨日付けの日記に)

(2008年07月29日火曜、丸の内コットンクラブ=バーケイズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Bar Kays
2008-129

投稿者 吉岡正晴 : August 1, 2008 04:28 AM
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