October 23, 2008

Omar Is Rhythm, Omar Is Music, Omar Is Singer: We Hear Omar's Songs

【オマーのタップからオマーの歌が聴こえてくる】

感動。

デューク・エリントン楽団がコットンでライヴ。同楽団は2008年2月にビルボード・ライヴに来ていたので、8ヶ月ぶり。ずいぶんと短いインターヴァルで来日する。しかし、コットンほぼ満席。今週は、アメックス・ウィークとのことで、アメックス・カードで支払うとウェルカム・ドリンクが提供される。しかも、ちょっとしたトレイのおみやげまで。いつもより、観客の年齢層が高めなのは、アメックス・カード・ホルダーが多いせいか。

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さて、約70分のパフォーマンスでの圧巻は、タップ・ダンサー、オマー・エドワーズのダンス・パフォーマンス。3ヶ月ほど前の7月に、横浜ランドマークの『ハーレム・ナイト』で見たばかりだが、コットンで直近1メートルの距離で見ると、これは大変な迫力で大感激した。オマーのタップは2004年夏から毎年見ていることになるが2005年夏に見て以来の感銘を受けた。

オマーは、タップしながら客席を一巡してステージに上がった。テーブルとテーブルのほんの狭い通路さえも、彼は足を踏み鳴らしながら、タップをした。もちろん僕の目の前もタンタンタンタンと音を鳴らしながら、通っていった。そしてバンドが「キャラヴァン」をやり始めると、それにあわせ、一段高くなったステージで激しくタップを踊る。

オマーのタップは、当たり前のことだが、体すべてであらゆるものを表現する。それも、そこには強烈なブラックネス(黒さ)がにじみ出ている。ただ足を踏み鳴らしているだけで、なぜこれほど感動するのだろう。すぐ目の前で彼が踊るので、その黒い波動が直接届き、見る者を圧倒する。

オマーはリズムだ。オマーは音楽だ。そして、オマーは歌だ。
Omar is rhythm. Omar is music. And Omar is song.
歌がオマーであり、音楽がオマーであり、リズムがオマーだ。
Song is Omar, Music is Omar, and Rhythm is Omar.
なんという表現者だろうか。

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オマー(左)、スタフォード・ハンター(トロンボーン、サックス)

いかなる演奏よりも、どんな歌よりも、ソウルを感じさせ、僕はただそのパフォーマンスを見ているだけで感動の嵐に包まれた。一体、歌ものよりも感動してしまうってなぜなんだろう。何百というソウルのライヴを見ている中でこんな歓喜を感じることは滅多にない。

パッション、喜び、怒り、熱情、愛、憎しみ、挑発、受け入れ、笑い、そして、人生そのもの。そんなオマーの歌声が聴こえてくる。きっと、オマーの中に強烈すぎるほどのソウルの爆発があるから、それが僕の心の琴線に触れるのではないだろうか。

彼のタップは中心軸がぶれない。だから、本当にかっこいい。そして、彼得意の少し前のめりになって踊るスタイルを連続すると、その前のめりの彼がこちらにいまにも倒れてきそうな錯覚に陥る。だが倒れてきそうな瞬間彼は体を建て直し、すぐに次の動きへ移る。見事だ。無駄な動きなど一切ない。

目の前で彼が踊るので、彼の足元を凝視した。黒いエナメルのタップ・シューズが眼にもとまらぬ速さで動く。そして、彼が勢いよく回転すると、汗の飛沫(しぶき)がダイアモンドのようにきらりと光りながら周囲に飛び散った。2005年7月に僕が「ハーレム・ナイツ」で目撃した汗の飛沫の美しさを再見して感動した。飛び散る汗の飛沫のなんと美しいことか。何度か彼が回転するうちに、そのダイアモンドの飛沫が飛び散る様がスロー・モーションのようにゆっくり落ちていくかのような錯覚に陥った。

そして、後半彼はおもむろにタップ・シューズを脱ぎ捨て、靴下を脱いだ。きた~~! 彼の定番の「裸足のタップ(Barefoot Tap)」だ。なぜ彼が裸足でタップをやりだしたか。2005年7月の下記関連記事で彼が答えている。

音楽は勝負だという。タップも、いや、ダンスもまさに真剣勝負だ。彼がステージにいた23分間、ソウルの神様が彼に白い光を当てているようだった。もし僕が10代で彼のタップをこんなに近くで見たら、オマーのようなタップ・ダンサーになりたいと思って、タップを始めたに違いない。きっと、ニューヨークのアポロ・シアターなんかでは、彼のタップをそれこそ10代の子供たちが見る機会がたくさんあるのだろう。そうして、それに影響を受けて次の世代に文化が継承されていくのだ。

今これを書くとき、目を閉じると、オマーの動きがまぶたに浮かぶ。さすがにこの動きと空気と波動は、いくら文字で書いても伝えられない。たとえビデオやYou Tubeでも伝わらない。その場のライヴで見て感じるしかない。

(この項続く)

■ 過去関連記事

オマーが毎年やってくる『ハーレム・ナイツ』ライヴ評↓
July 24, 2008
Harlem Nights Vol.7 Has Just Started
http://blog.soulsearchin.com/archives/002617.html

July 26, 2007
"Harlem Nights Vol.6" At Landmark Tower: "I Don't Repeat" Says Omar
http://blog.soulsearchin.com/archives/001918.html
第6回ライヴ評

July 29, 2006
Alyson Talks, Omar Talks: Harlem Nights
http://blog.soulsearchin.com/archives/001164.html
オマー語る

July 28, 2006
Harlem Nights Vol.5: Alyson Williams Sings Wide Variety Of Music, Omar Edwards Taps With New Idea
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200607/2006_07_28.html
第5回ライヴ評

July 29, 2005
Harlem Nights: Omar Edwards, Barefoot Tap Dancer
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200507/2005_07_29.html
第4回ライヴ評

2004/07/31 (Sat)
Harlem Nights III: Bring Your Cake For Lonnie's Birthday
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200407/diary20040731.html
第3回ライヴ評

2003/03/22 (Sat)
Bring In 'Da Noise, Bring In 'Da Funk: Soul explosion!
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200303/diary20030322.html
オマーの従兄弟で師匠的存在のセヴィアン・グローヴァーのタップが登場スル『ノイズ・アンド・ファンク』ライヴ評

February 23, 2008
The Duke Ellington Orchestra: Play With Curtain Opened
http://blog.soulsearchin.com/archives/002344.html
デューク・エリントン・オーケストラ前回ライヴ評。セットリスト付き

April 17, 2005
Blue Note: The Night For Duke's Place
http://blog.soulsearchin.com/archives/000043.html
2005年デューク・エリントン・ライヴ評

■ メンバー

デューク・エリントン・オーケストラ・ウィズ・スペシャル・ゲスト・オマー・エドワーズ
Tommy James(p,MD), Marty Morell(ds), Omar Edwards(tap), Mark Gross(sax), Enrique Fernandez(sax), Shelley Carrol(sax), Bobby LaVelle(sax), Jason Marshall(sax), Seneca Black(tp), Mark McGowan(tp), Kevin Louis(tp), Ravi Best(tp), Stafford Hunter(tb), Dion Tucker(tb), Jack Jeffers(tb), Jennifer Vincent(b)

■セットリスト デューク・エリントン・オーケストラ、オマー・エドワーズ
Setlist : Duke Ellington Orchestra @ Cotton Club, October 22, 2008

show started 21:32
01. Cotton Club Stomp (?)
02. Black And Tan Fantasy
03. Satin Doll
04. Oculapaca
~Omar On The Stage
05. Caravan
06. (Free Style with two trumpet players)
07. (Free Style)
08. (Drum solo to big band) (Inwlked Bud)??
~Omar off the stage
09. In A Sentimental Mood
10. Johnny Came Lately
11. Take The "A" Train
Enc. Omar on the stage with piano playing : It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)
show ended 22:42

(2008年10月22日水曜、丸の内・コットン・クラブ、デューク・エリントン・オーケストラ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Duke Ellington Orchestra featuring Omar Edwards
2008- 173

投稿者 吉岡正晴 : October 23, 2008 06:07 AM
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