November 15, 2008

Tony Maiden Of Rufus Talks : Rufus @ Blue Note (Part 2)

【ルーファス(パート2)~トニー・メイデン語る】

雑談。

ルーファスのファンキーなライヴが終わると、メンバーがサイン会にでてきた。そして、ファンと写真を撮ったり、お話をしたり大サーヴィス。一段落したところで、すでにリーダー格トニーと親しく仕事などもしている松浦さんが紹介してくれた。

名刺を渡すと、夜でもサングラスのトニーが「おおっ、ソウル・サーチンか、これは気に入った。(笑) 今夜はあちこちにたくさんソウルがあっただろ(笑)」といきなり全開。立ち話で他愛もない雑談が始まり、なんとなくマーヴィン・ゲイの話になった。するとトニーが言った。「むかし、マーヴィンが僕に電話してきて、このグループ(ルーファス)を彼のバックバンドにしたいと言ってきたんだ。でも、その時僕はライオネル・リッチー(のバンド)に入っていたので、それはできなかった」 「いつ頃?」 「1980年代のどこかだと思う。かなり昔だよ。マーヴィンの音楽は大好きだよ。彼とは本当に一緒に仕事をしたかったなあ。シーラEがそのとき、マーヴィンとプレイしていた。それで連絡があったみたいだ」 「マーヴィンは1939年生まれで、生きていれば来年70歳になるんだ」 「おおっ、そうか、僕は1949年生まれだよ。来年60だ」 トニーの元にはいろいろな人から電話がかかってくるらしい。

マーヴィンともう一人、トニーが一緒に共演したかった人物がいる。それがなんとあのジャズの巨匠マイルス・デイヴィス(1926~1991)だった。「あの時も突然電話がかかってきた。僕はそれまでいわゆるジャズ・ギタリストではなかった。だから誘われたことはとてつもなく嬉しかったよ。たぶんファンキーなギターが欲しかったんだろう。(マイルスから誘われた後)僕をジャズに導いてくれたのは、アル・ジャロウだ。アルとのライヴは素晴らしかった。レニー・キャストロ、ジョー・サンプル、アンソニー・ジャクソン、ラリー・ウィリアムスなどと一緒にやった。たしか、90年代に大阪のブルー・ノートでやった。他には、ハーブ・アルパートともやった」

好きなギタリストは、と訊くとすぐに「ウェス・モンゴメリー、BBキング、そして、ジミ・ヘンドリックス」と答えた。「おおっ、ウェスはジャズ、BBはブルーズ、ジミはロック、オール・ジャンルをカヴァーするんですね」 「そうだな。ウェスのシンプリシティーとオクターヴ奏法が好き。BBも、シンプルだ。あらゆるタイプの音楽のコンビネーションが好きなんだ。グッド・メルティング・ポット(いいるつぼ)だろ。もちろん、マイルスのところのジョン・マクラフリンも好きだよ」

「一度、スムース・ジャズでソロ・アルバムを作ったことがあるんだけど、どうも、僕の趣味じゃなくてね(笑)。僕はいろんな人と一緒にプレイできて幸せだよ。僕はいつかティナ・ターナーと一緒にやりたいんだ。(彼女は)たぶん、今はパリに住んでるんじゃないかな。ツアーを始めたはずだ」 「あれ、引退したんじゃないかな」 「あらゆるアーティストがみな、引退って言うんだよ。アーティストが引退して、毎日テレビでも見てると思うかい?(笑) そんなのすぐに飽きるに決まってるじゃないか(笑)シェールも、ローリング・ストーンズも、みんな、決して終わらないんだよ。もちろん、僕たち(ルーファス)もね。BBキングが言うように、死ぬまで止めないよ、って感じだな」

「BBには会ったことある?」 「もちろん、僕の古いギターにBBからサインをもらったんだ。古いエスクワイアーね。宝物だよ」 「ひょっとして、BBからギター・ピックもらった?」 「おおっ、もらったよ!」 「僕ももらった。彼は会う人みんなにあげられるように、いつもピックをたくさん持ってるんだ。でも、BBからギター・ピックをもらったら、みんな大喜びするよね」 「イエ~~ッ!」 「彼は、本当にナイス・ガイだよね。あ、そうだ、信じられるかい。僕が昔ポーラ・アブドゥールのツアーをやっていた時、BBは、なんとそのオープニング・アクト(前座)だったんだよ」 「ええええっ???(腹の底から驚く) BBがオープニングっ??」 「どういうコンビネーションだか、まったくわからないが、実際そうだったんだ。ほんと奇妙な組み合わせだ。たぶん、プロモーターのアイデアだろうな。BBはブルーズ・キングだからねえ。ほんと不思議だ。まあ、ただそのライヴは『フェスティヴァル』のようなもので、いろんなアーティストが出るんで、そんな組み合わせになったのかもしれないな」

「ポーラは、ほとんどリップシンク(口パク)って聞いたけど、本当かな」と僕が言うと、彼はにやっと笑い、一呼吸おいて答えた。「その通りだ(笑) ま、彼女は本当は歌えるんだ。でも、(歌うことに)自信がないんだね。だから踊ることに集中するときには、踊りに集中したいんだろう。彼女は元々レイカーズ・ガールだったからね。それから振り付け師になって、ジャクソンズ、ジャネットの仕事をするんだよね」

トニーが続ける。「おもしろい話があるよ。ポーラのライヴは、実は僕にとってはとても退屈でね。(笑) というのも、ほとんどシークエンス(打ち込み)でやっているから、ミュージシャンの自由なアドリブとかのパートがまったくないんだ。きっちり、すべて作りこまれている。あるとき、『ザ・ウェイ・ユー・ザット・ユー・ラヴ・ミー』をやっている時だった。LAのフォーラムでやった時だ。そこで、シークエンスを飛ばして、この曲の途中でブレイクダウンして、観客の参加を求め自由な感じのやりとりをしたんだ。みんなそれについてきてくれて、すごくうまく行った。そうしたら、マネージャーが終わった後やってきて、『あれ、毎晩やってくれ』って言うんだよ。『ちゃんとリハーサルして、毎晩やろう』とね。僕はマネージャーに言った。『これは、ひとりでに自然にそうなるもんで、リハーサルとかするものじゃない。やる晩もあれば、のらずにやらない晩もある』とね」

もちろん、今回のルーファス・ライヴでは、「テル・ミー・サムシング・グッド」で観客にそのサビを歌わせたり、「エイント・ノーバーディ」ではミュージシャンを紹介し、いくつかのソロをいれたりしている。木曜のセカンドでは、なんと前者で我らがブレンダ・ヴォーンと、広尾やブルースアレーでライヴを見せたアンドレア・ホプキンスが客席にいて、見事に歌い、満員の観客を驚かせた。スポンテニアス(自然にアドリブ)は、ライヴのカギだ。

「(アブドゥールの)バンドは素晴らしいよ。ドラマーは、ソニー・エモリーだった」 「ソニー・エモリー! 最近彼はどうしてるの?」 「え~と、確か、シェールのツアーじゃないかな、ちがう、ベット・ミドラーだ! 彼女がラスヴェガスでビッグショーをやっていて、それをずっとやっている。ベースはサム・シムズだった。サムはジャネットとやったり、スティーヴィー・ニックスとやっている。ダリル・スミスがキーボード…だったかな」

トニー・メイデンは1949年6月17日生まれ。現在59歳だが、ギタープレイ、パフォーマンスなど実に若くてかっこいい。ちょっとベースのピーウィとともに、ナイル・ロジャース&バーナード・エドワーズ・コンビを思わせる。

その横にオルガンを弾いていたケヴィン・マーフィーがいてニコニコしている。ケヴィンも語るべき多くのストーリーを持っている人物に違いない。

(この項続く)

■ ルーファス @ ブルーノート東京 ライヴ

November 13, 2008
Rufus @ Blue Note (Part 1) 
http://blog.soulsearchin.com/archives/002732.html

(2008年11月12日水曜、東京ブルーノート=ルーファス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Rufus
ENT>MUSIC>ARTIST>Maiden, Tony
2008-186


投稿者 吉岡正晴 : November 15, 2008 12:39 AM
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