October 31, 2005

Mellow Ridaz Vol.3

【メロー・ライダーズ第三回】 

三者三様。

今年の2月、7月と行われてきたソウルDJイヴェント、「メロー・ライダーズ」の第三回が、10月30日(日曜)横浜のソウルバー/クラブ「ルーサー」で行われた。DJオッシー、DJルイカ、そして、DJ吉岡の3人が2ローテーションまわした。御来店いただいたみなさま、ありがとうございました。

僕のテーマというか、方向性は、ファーストセットがスティーヴィーとルーサー、セカンドがジェームス・ブラウン系ファンクというもの。

ファーストは、もう少しスローっぽい曲をかけようと思っていたが、いざDJプレイが始まり、お客さんが踊っているのをみると、どうしても、スローにして、客を散らすことができない。(笑) 今回は、ファーストとセカンドのセットリストをけっこう、事前に決めておいて、それを軸に微調整はするという感じでやってみた。

スティーヴィーの新作からちょっと踊れそうな「マイ・ラヴ・イズ・オン・ファイアー」と「テル・ユア・ハート・アイ・ラヴ・ユー」をかけたら、ゆったりしたリズムだったが、なんとか踊れていた。想定では、ビヨンセ&スティーヴィーの「ソー・アメイジング」からルーサーの「ネヴァー・トゥ・マッチ」にもっていこうかと思ったが、スローがかけられなくなり、「サインド・シールド」の次に「ネヴァー・トゥ・マッチ」をかけてしまった。

セカンド、ボビー・バードの後にかけたオーサカ=モノレールは新作の2曲目から5曲目までをそのままかけてみた。そうしたら、ダンスフロアで輪ができて、踊りの上手な人がかなり派手にダンスを決めて、周囲から拍手喝采を浴びていた。

今日はスタックスの黒いTシャツを着て臨んだので、セカンドの最後はスタックスものでまとめてみました。

それにしても、今回「メロー・ライダーズ」の名の元に3人が好き勝手に選曲したのだが、三者三様でそれぞれ違ってておもしろかった。僕が比較的アーティスト主体的、セカンドは特に60年代風、ルイカ氏がメローでゆったりしたソウル、年代では70年代、そして、オッシーがダンクラの王道、80年代という感じだ。

Mellow Ridaz Vol.3
Setlist: DJ by Yoshioka Masaharu 1st set

started 22:10
01. What's Going On / David T. Walker
02. My Love Is On Fire / Stevie Wonder
03. Tell Your Heart I Love You / Stevie Wonder
04. Signed Sealed And Delivered, I'm Yours (remix) / Stevie Wonder
05. Never Too Much/ Luther Vandross
06. Instant Love / Cheryl Lynn
07. Get It Right / Aretha Franklin
08. Until You Come Back To Me / Aretha Franklin
09. Until You Come Back To Me/ Stevie Wonder
10. Superstition / Stevie Wonder
11. Another Star / Stevie Wonder
12. I Just Called To Say I Love You / Herbie Hancock ftg, Raul Midon

2nd set

01. I Got You I Feel Good / Quincy Jones
02. Think / Lyn Collins
03. Mr. Big Stuff / Lyn Collins
04. Super Good / Vickie Anderson
05. The Chicken / James Brown
06. The Chicken / Pee Wee Ellis & Fred Wesley
07. I Know You Got Soul / Bobby Byrd
08. What It Is…What It Was / Osaka Monaurail
09. Thankful (For What You've Done) / Osaka Monaurail
10. (She Sure Is) Down & Out / Osaka Monaurail
11. That's My Desire / Osaka Monaurail
12. Once You Get Started / Maceo
13. Soul Finger / Barkays
14. Hold On I'm Coming / Sam & Dave
15. Who's Making Love / Johnny Taylor
16. Theme From Shaft / Isaac Hayes
17. Whatcha See Is Whatcha Get / Dramatics
set ended 2:22

(2005年10月30日日曜、横浜ルーサー=メロー・ライダーズVOL.3)

ENT>MUSIC>EVENT>Mellow Ridaz Vol.3


投稿者 吉岡正晴 : 08:28 AM | コメント (0)

October 30, 2005

Who's This Singer Who Sings "Georgia On My Mind"?

【このジャズシンガーは一体?】 

誰? 

トクの番組の収録が終わり、マネジャーのM氏をおくったところで、「ちょっと一杯だけやっていきましょうか」と近くのソウルバー、ミッドナイト・アワーへ。

久々に顔を出すと、ヒップホップ系のユニット、2バッカ(ツー・バッカ)のハマちゃんがいた。なんと、このほどメジャーとの契約が決まったという。おめでとう。来年春くらいに、まずミニアルバムを出すために、今、一生懸命曲を書きためているそうだ。2バッカのもうひとりのハマーくん(ハマとハマーは別人)は、最近はベニーKのトラックなども作って今かなり旬なので、このユニットの来年以降の動きは注目だ。

さて、いろいろ話をしているうちに、どこかで聞いたことがある曲が流れてきた。ジャジーな女性シンガーに歌われる・・・、それは、「ジョージア・オン・マイ・マインド」であった。なかなかいい雰囲気じゃない。でも、聞いたことないなあ。わからない。しばしいろいろ考えた。

だが、結局わからずがまんできずにお店のナルくんに聞いた。「これ、誰?」 すると「これ、かければ吉岡さん、ひっぱってこれると思いました(笑)」 「おっと、つかまれちゃったか、で、誰?」 ナルくん、ジャケットを渡してくれた。

エアブラシのイラストが描かれたジャケット、アーティスト名は? 「えええっ? Mieko Hirota???」 弘田三枝子 ? まじ~?? 何と昭和30年代から40年代にかけて一世を風靡した弘田三枝子 だった。おそらく、このアルバムは80年代に再発されたものだろう。

タイトルは、『ジャパニーズ・グラフィティー』、アナログ・アルバムのA面が洋楽ヒットの日本語カヴァー、B面が「ジョージア・・・」や、「マック・ザ・ナイフ」「オーヴァー・ザ・レインボウ」、「イッツ・ア・シン・トゥ・テル・ア・ライ」などスタンダードを英語で歌っている。これが、発音もしっかりしていれば、サウンドもなかなかのもので、びっくりした。うまいなあ。

ちょっと調べたら、ちなみに次のところで45秒程度なら試聴できます。

http://listen.jp/store/artalltracks.aspx?artistid=1148529

なんとか入手して、いつかどこかでかけます! 


投稿者 吉岡正晴 : 02:51 AM | コメント (0)

October 29, 2005

Leon Russell Will Do Both Acoustic Set And Band Set

【レオン・ラッセル来日】 

尊敬。

音楽アメリカのシンガー・ソングライター、レオン・ラッセルが11月に来日、アコースティック・バンドセットと、エレクトリックバンド・セットというふたつの違った編成でライヴを繰り広げる。それぞれで、かなり持ち味が変わるものと思われ、そのサウンドの違いが注目される。

レオン・ラッセルは1941年4月2日オクラホマ州ロウトン生まれ。セッション・ミュージシャンとして、プロデューサー、フィル・スペクターのレコーディング・セッションなどで頭角をあらわし、その後70年に自身のレーベル、シェルターを設立。自らシンガー・ソングライターとして多くの作品を出した。特に、独特の粘り気のヴォーカルが印象深く、ファンの支持を集めるだけでなく、ミュージシャン仲間からも尊敬を受けている。ジョー・コッカー、ジョージ・ハリソン、エリック・クラプトンらそうそうたるメンバーとセッションを行ったりライヴ活動をしたり、ロック界の重鎮として活躍。

ソングライターとして書いた「ア・ソング・フォー・ユー」は、カーペンターズによって歌われ大ヒット、その後、ダニー・ハザウェイなどによってもカヴァーされている。さらに「ディス・マスカレード」(ジョージ・ベンソンで大ヒット)、「スーパースター」(カーペンターズ、ルーサー・ヴァンドロスなどでヒット)などの曲を送り出し人気ソングライターとなった。

レオン・ラッセルは73年11月に来日している。

■カンヴァセーション・ウェッブ
http://www.conversation.co.jp/schedule/leon_russell/index.html

■レオン・ラッセル来日コンサート

2005年11月21日(月曜)開場18時30分、開演19時
場所 文化村・オーチャードホール

2005年11月24日(木曜)開場18時30分、開演19時
場所 文化村・オーチャードホール

出演者 11.21 (Mon) バンド(アコースティック)+ ピアノ・ソロ
11.24 (Thu) バンド(エレクトリック)

バンドメンバー
Leon Russell (vocals / keyboards)
Jason Marion Speegle (guitar)
John Charles Wessel (Bass / back vocals)
Tina Rose Goodner (back vocals)
Grand Murcus Whitman (percussion)
William Cody Bailey (drums)

料 金 全席指定 SS席 \9,000 S席 \7,000 A席 \5,000
チケット発売日 9月3日(土)
チケット取扱い : チケットぴあ http://pia.jp/t/0570-02-9999(Pコード 208-805)
ローソンチケット 0570-000-777(オペレーター予約)Lコード予約 0570-063-003(Lコード:32354)
e+ http://eplus.jp/ (パソコン&携帯)
Bunkamuraチケットセンター 03-3477-9999
お問い合せ カンバセーション 03-5280-9996(10:00-19:00)

2005年11月22日(火曜)開場18時、開演19時
場所 心斎橋クラブクアトロ

出演者 バンド(エレクトリック)

バンドメンバー
Leon Russell (vocals / keyboards)
Jason Marion Speegle (guitar)
John Charles Wessel (Bass / back vocals)
Tina Rose Goodner (back vocals)
Grand Murcus Whitman (percussion)
William Cody Bailey (drums)

料 金 前売 \7,000 / 当日 \7,500 (税込・1ドリンク・整理番号付)
チケット発売日 10月8日(土)
チケット取扱い :チケットぴあ http://pia.jp/t/ 0570-02-9999、0570-02-9966(Pコード 212-260)
ローソンチケット 0570-000-777(オペレーター予約)Lコード予約 0570-063-003(Lコード:51564)
e+ http://eplus.jp/ (パソコン&携帯)
クラブクアトロ 06-6281-8181

お問い合せ 心斎橋クラブクアトロ 06-6281-8181

ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT>Russell, Leon


投稿者 吉岡正晴 : 03:46 AM | コメント (0)

October 28, 2005

Earth Wind & Fire Will Be Coming To Japan, Again

【アース、再来日】 

11回目。

音楽70年代から日本でも絶大な人気を誇るブラック・グループ、アース・ウィンド&ファイアーが、2006年1月、再び来日する。アースの来日は、2002年11月、2004年9月以来1年4ヶ月ぶり、通算11回目。前回来日したモーリス・ホワイトは今回は帯同しない予定。

大阪2回、東京2回、名古屋1回の計5回の公演が予定されている。新聞発表は11月2日から4日にかけて。優先電話予約は11月5日から、また一般のプレイガイドでの発売は11月12日からとなる。

アースは、9月に新作『イルミネーション』をリリースしたばかり。

++記++

アース・ウィンド&ファイアー・ジャパン・ツアー2006

2006年1月14日(土) 大 阪 : フェスティバルホール
OPEN 5:15PM /START 6:00PM
2006年1月15日(日) 大 阪 : フェスティバルホール
OPEN 4:15PM /START 5:00PM
全席指定 \9,500(税込)
問)キョードー大阪:06-6233-8888

2006年1月18日(水) 東 京 : 日本武道館
2006年1月19日(木) 東 京 : 日本武道館
OPEN 6:00PM /START 7:00PM
全席指定 \10,000(税込)
(問)ザックコーポレーション:03-5474-9999

2006年1月20日(金) 名古屋 : 愛知県芸術劇場 大ホール
OPEN 6:30PM /START 7:00PM
全席指定 \9,500(税込)

(問)キョードー東海:052-972-7466

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(サーヴァー不具合についてのお知らせ)

先日のサーヴァー不具合によって、BBSの2005年8月28日以降、10月26日頃までの書き込みが消えてしまいました。僕の最後の返事が10月19日ですので、それ以降のみなさんの書き込みにまだ返事を書いておりません。近日中に、書き込みと返事をまとめてアップしますのでよろしくお願いします。

吉岡正晴

投稿者 吉岡正晴 : 12:42 AM | コメント (0)

October 27, 2005

Jino Jam Live: Mr. Bass Man Is Sooo Funky

【ジーノ・ジャム・ライヴ】

グルーヴ。

日本一のファンキー・ソウル・ベース・マン、日本のルイス・ジョンソン、マーカス・ミラー・・・。形容詞はいろいろつけられるが、グルーヴを作らせたら今、彼の右に出るものはいないであろう日野賢二の自己のグループのライヴ。彼のベースは、特にチョッパーを見ていると、往年のルイス・ジョンソンを思わせる。ジャズ、フュージョンというより、ソウル、ファンクのバンドというか。ソウルマン・ジーノという感じだ。

今回は、ドラムス、キーボード2人、ベース(日野)、これにサックスが3人というひじょうにおおがかりな編成だ。しかも、サックスの3人がソウル・サーチンでもおなじみ太田剣、新進気鋭の小林香織、さらに日本語が達者な西海岸風サウンドのアンディー・ウルフと三者三様の色合いを見せる。

日野は一ベース奏者でありながら、全体的なサウンドプロデュースをかなり念入りに仕上げる。自分が好きなグルーヴ感のあるソウルフルなサウンドを追求するので、自然とそういうサウンドになっていく。この日のドラムは、ケイリブのところでも活躍のロレンゾ。このドラムとベースのコンビネーションなら東京ファンクお任せだ。

ファーストとセカンド、入れ替えにもかかわらず、曲のダブリはなし。それぞれほぼ一時間半たっぷりやってくれた。

第二部最後、ジャコ・パストリアスもやっているサム&デイヴの「カム・オン・カム・オーヴァー」では、ヴォーカルに日野さんがプロデュースをするイッペイ・ブラウン、ヒューマンビートボックスのモトくんという人が登場。かなりうまいビートを聞かせてくれた。アンコールの「チキン」(これもジャコ、オリジナルはジェームス・ブラウン)では、日野さんがチキンの踊り方を観客に教えて、みんながチキンのダンスを踊った。かなりテンポの早い「チキン」だった。

「『チキン』テンポ早かったねえ」というと、「え? やっぱり早かった? もう少し遅いほうがよかったかなあ。オリジナルはかなりテンポ遅いんだよね。だからあれより少し早くしようと思って」と日野さん。いや、あれくらい早くても、あれはあれでよかったが。

「リクエスト、思いついたんだ。こんど、ブラザース・ジョンソンの『ストンプ』か、クインシーの『愛のコリーダ』、やってよ」 「あああ~~、あれね、大好きよ。でも、ルイス・ジョンソンの、めちゃくちゃ難しいんだよ。ルイス、こんなに(といってベースをひっぱるジェスチャー)引っ張るんだよ。あんなことできない。ケイリブとか、ロビーとか、ブレンダとか、そういうすごくうまいシンガーと一緒にできるなら、やりたいね」とのお答。

ジーノのベースで、「ストンプ」の途中のソロを聞いてみたい。

■メンバー JINO JAM + 3 Saxophones

日野賢二(b,vo)、小林香織(sax)、太田 剣(sax)、Andy Wulf(sax)、PENNY-K(key)、NOBU-K(key)、Lorenzo Brceful(ds)

■日野賢二・ウェッブ
http://homepage1.nifty.com/live/kenji/

Setlist: First

show started 18:31
01. Intro
02. Moanin'
03. Lonely Time
04. City Living
05. Rain
06. Come Together
Enc. Paster T
show ended 20:00

Setlist; Second

show started 21:30
01. 911
02. E.T.A
03. Always There
04. Aaliyah
05. Wonderland Medley
06. Come On Come Over
Enc. Chicken
show ended 22:58

(2005年10月26日水曜、モーションブルー横浜=ジーノ・ジャム・プラス・3サックス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Jino Jam (Hino, Kenji)

投稿者 吉岡正晴 : 05:00 AM | コメント (0)

October 26, 2005

Hurricane Katrina Relief: Charity Concert

(お知らせ) 

(10月25日夜10時すぎから、ソウル・サーチン・ホームページを設置しているサーヴァーにトラブルが生じました。現在、管理の方が鋭意復旧作業をされております。本ブログは、別サーヴァーから復帰しています。また、2003年3月21日以降の日記は、次のところにもバックアップとしておいてあります。 http://diarynote.jp/d/32970/ 完全復旧まで今しばらくお待ちください)

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【ハリケーン"カトリーナ\"被災ニューオーリンズ救済イヴェント】

告知。

8月末にアメリカ南部を襲った大型ハリケーン「カトリーナ」による被災者へのチャリティー・イヴェントが、南部音楽に造詣の深いプロモーター、チョコレート・クリーム・プロダクションが音頭をとって企画。急遽、2005年11月9日(水)と11日(金)に行われることになった。詳細は次のとおり。

■ハリケーン「カトリーナ」被災ニューオーリンズ救済イヴェント

[日程・会場]
2005年11月 9日(水) 渋谷 オー・イースト6時開場・開演
2005年11月11日(金) 渋谷 オー・ウエスト6時開場・開演
各日とも、前売3000円・当日3500円。
チケットは、ぴあ・ローソン・e+で購入可能。

[問合せ]

チョコレート・クリーム・プロダクション 電話03-3487-4176
http://www.chocolatecream.co.jp/あるいは、
11月9日はオー・イースト 03-5458-4681 、11月11日はオー・ウェスト 03-5784-7088
http://www.shibuya-o.com

[出演者]

<2005年11月9日・水>

「ミッチズ・ファンキー・ジャム」
(元ブラックボトム・ブラスバンドのミッチによるニューオーリンズ・ユニット。)(メンバー:ミッチ=トランペット、清水興[ナニワエキスプレスのメンバー]=ベース、オージ[ブラック・ボトム・ブラス・バンドのメンバー]=ドラムス、吉弘知鶴子=キーボード)

「ブルーストーン」
(大阪のオールマン・ブラザーズ・バンドとして知られるサボイ・トラッフルのニュー・プロジェクト・トリオ)

「ニューオーリンズ・エレクトロ」
(日本発のエレクトリック・ニューオーリンズ・ブラス・バンド)
(岡大高祐=チューバ、エフェクツ、辰巳光英=トランペット、エフェクツ[ともに、「渋さシラズ」のメンバー]、後藤篤=トロンボーン、エフェクツ、岡地曙裕=ドラムス[元ボ・ガンボス])

「金子マリ&北京一」

<サブ・ステージ>

「リトル・ジャイヴ・ボーイズ」
(藤井康一=サックス、ウクレレ、ヴォーカル、恵福浩司=ウッドベース、照本史=ピアノ)(本場ニューオリンズも忘れてた古き良き笑えるジャズ)

「奈良ッコリー」
(奈良大介=ドラムス、モッコリー=ダンス)

「ロイキ」
(ロイキ=ギターとヴォーカル)

「スティーヴ・ガードナー」
(ギターとヴォーカル)

<11月11日・金>

「ウシャコダ」
(70年後期から80年代初期のJ-R&B創世記の伝説オリジナルメンバーで)

「S.B.B.」
(名古屋出身のグループ)

「タフ・セッション」
(アーバン・レゲエ・バンド)

「サルーキ」
(ルーツ・ミュージック)

[寄付箱設置協力イヴェント]
POSEIDON Festival 2005
(プログレッシブ・ミュージックのイヴェント)
期日:10月26日(水)~30日(日)
会場:四谷OUTBREAK
主催:POSEIDON

[寄付先]
現在Buffalo Records(www.buffalo-records.com)で発表しているThe New Orleans Musicians ClinicというNPO団体が困っている人々に水・毛布などを直接届けているというので、ここへの寄付を予定しています。

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ENT>ANNOUNCEMENT>Hurricane Katrina Relief

投稿者 吉岡正晴 : 02:42 AM | コメント (0)

October 25, 2005

Raul Midon: From Donny To Stevie To Raul

【ダニー、スティーヴィーからラウルへ】

継承。

音楽CDの裏ジャケットで曲目を見ると、ゲストに「ハーモニカ・スティーヴィー・ワンダー」の名前がある。そして、その次の曲は「ダニー・ハザウェイに捧げる」とある。この2行だけで買いだろう。声にスティーヴィーとダニーが宿る驚異の新人、ラウル・ミドンがデビュー作『ステイト・オブ・マインド』を出してプロモーションで来日。

会場の代官山ユニットは、超牛詰。入口からなかなか前に進めない。しかたないので、テレビモニターを見た。ラウル・ミドンの本人名義の初ショーケースライヴ。全8曲約40分、本人だけのオンステージ。見事です。

何よりも、声が素晴らしい。そして、ギター・テクニックが素晴らしい。声色使いが素晴らしい。途中でトランペット風の音を口で出したり、さらにスキャットでギターの演奏とあわせたり、歌、トランペット、ギターとひとり3役をいとも簡単にこなす。全曲、デビュー・アルバムからの作品ばかり。はやく90分のフルショウが見たい。

スティーヴィーとの共演について彼はステージでこう解説した。「あるとき、ソーホーのバーでプロデューサーのアリフ・マーディンと飲んでいたんだ。僕のデビューアルバムには、いろんな人が来てくれた。そこで、僕がふと、『アリフ、スティーヴィーは呼べないかな』とつぶやいたんだ。そうしたら、彼はすぐに携帯からスティーヴィーに電話をして、『スティーヴィー、これこれしかじかで~~』と話をしてくれた。そして、アルバム全体をマスタリングに渡す直前、1本の電話がかかってきた。『ラウル、早く、スタジオに飛んで来い! 今、スティーヴィーがLAのスタジオで録音準備万端になってるぞ』ってね。そして、両海岸に分かれて録音したんだ。今日は、スティーヴィーに代わってスティーヴィーのところもやります」 そして、CDではスティーヴィーのハーモニカが聞かれる「エクスプレッションズ・オブ・ラヴ」を披露した。これは、本当にスティーヴィー節だ。

約40分のライヴ終了後、ご挨拶。少しだけだが、話す機会があった。最初誕生日を聞いたら「3月14日」との答え。あれ、確かアリフ・マーディンの誕生日ってそのあたりでは? と返すと、「アリフは15日で、14日はクインシー・ジョーンズだよ」との答え。そうだった! ということは、ラルフはクインシーと同じ誕生日! わお! 「で、何年ですか」と尋ねると、「さあ、まあ、ネットとか見ればわかるよ」との答え。そうかあ、年齢不詳か。で、一生懸命ネットで探してるのだが、まだでてこない。(笑) 

関係者にちらりと聞くと誰も知らないのだが、38歳くらいらしいという。それを聞いてまたびっくり。20代半ばあたりと思っていたからだ。38歳だと1967年生まれくらいか。そこで、「初めて買ったレコードはなんですか」と尋ねると、「初めて買ったレコード? う~ん、思い出した! 聞いてくれ! スティーヴ・ミラーの『フライ・ライク・ア・イーグル』だよ」 な~るほど。これは75年のヒットです。もし仮に10歳で買っていたとすると65年生まれ。でもよく考えると、ダニー・ハザウェイ、スティーヴィー・ワンダーあたりが好きということは、60年代前半でもおかしくない。「ニュー・メキシコのキャンディマン(レコード店の名前)で買ったんだ!」 

年齢はさておき、たくさんの人が挨拶するために並んでいるのでもうひとつだけ質問を。「映画『レイ』は見ましたか?」 「オ~・イエー、もちろん! あの映画の中で、レイが騙されるシーンがあるだろう。(ギャラをレイが見えないと思い、1ドル札を高額紙幣のごとく数えるシーンのこと) ああいうことがあったのかと思って心が痛んだ。僕は直接ああいうことはなかったけど、ライヴハウスの人間から『ライヴをしないと訴えるぞ』というような脅しを受けたことがあった。『ライヴをしないと、レコード契約なんかぶち壊してやる』とかね。だから、ああいう映画を見ると勉強になるね」

「あの映画の中で、レイが美人を見極めるシーンがあったでしょう。ラウル、あなたはどのようにして、美人を見極めるのですか?」 「ははは、素晴らしい女性(Beautiful lady)は、外見じゃないよ。知性があって、話ができて、愛があれば、そういう女性が美しい人だよ。そう、知性や話し方、どのように話すか、そういうところに惹かれるかな」 

ラウルは今年の6月全米デビュー前の4月に、ニューヨークのライヴ・ハウス、ビターエンドのステージに立った。ダニー・ハザウェイの歴史的名盤『ライヴ』が1972年にレコーディングされた地である。ビターエンドのソウルは、ダニーからラウルへ継承されている。

彼には双子の兄弟がいる。そして、その彼もラウル同様未熟児で生まれたため保育器に入れられ酸素過多で失明した。彼らが子供の頃、黒人の母が亡くなり、アルゼンチン系白人の父親に育てられた。だが、その兄弟も現在はNASAでエンジニアとして働いているという。十代の頃、苦労はしたがその頃の苦労した経験を自身のデビュー作に昇華した。この双子にとって盲目はもはやハンディーではない。

ラウル・ミドン、リアル・ミュージック・バイ・リアル・ミュージシャン! 

Setlist

show started 19:41
1. Everybody
2. Sunshine (I Can Fly)
3. If Your Gonna Leave
4. All In You Mind
5. Sittin' In The Middle (Dedicated To Donny Hathaway)
6. Waited All My Life
7. Expressions of Love
8. State of Mind
show ended 20:25

(2005年10月24日月曜、代官山ユニット=ラウル・ミドン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Midon, Raul

投稿者 吉岡正晴 : 04:28 AM | コメント (0)

October 24, 2005

The Rebirth: I Found A Piece Of Soul Today At BN

【リバース・ライヴ】 

応援。

席に座ってショウが始まるのを待っていると、隣になんと「ソウル・トレイン」のリューさんがひとりで登場! 久々に会ったので、しばしソウル談義になった。彼の新番組で先週の金曜に彼らが生で遊びに来て演奏していった、という。

ライヴが始まった。始まって10秒もしないうちに「これはいい!」と直感した。映画も最初の5分で「ダメ」かどうか、直感できるが、このライヴは最初の数音で、自分の好きなタイプだとわかった。

このゆったりしたグルーヴ感はなんだ。なんと心地よいのだろうか。初来日、もちろん見るのも初めてのグループ、リバースのライヴ。ロスアンジェルス出身のオーガニック・ソウル・グループだ。日本でもレキシントン・レコードというインディからアルバム『ディス・ジャーニー・イン』がリリースされている。

実は僕もそれほど彼らのことを知らなかったのだが、なんとなく良さそうなので、様子見のつもりで見に来たら予想以上にすばらしかった。めちゃくちゃかっこいい。単純にいいグルーヴを持ったダンスバンドと言ってもいい。

どのようなグループかといえば、70年代ソウル、ファンクを土台にしたリアルなソウル、ファンクで、例えば、同系統としては、ルーツ、ブラック・アイド・ピーズ、インコグニート、ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、フランク・マッコム、メイズなどのようなグループ・サウンドのイメージをもってもらえればいいのではないか。最近はあまり聞かなくなったが、典型的なオーガニック・ソウル、ネオ・ソウルだ。

編成はドラムス、ギター、ベース、キーボード二人、パーカッション、女性リード・ヴォーカルの7人。リーダーはキーボードのカルロス。ひとりひとりミュージシャンを見ていくと、それぞれが僕の個人的に好きなタイプ。タイトでシュアなドラム、グルーヴ感一杯のベース、カッティングの切れが鋭いギター、そして、適材適所に絡まるパーカッション、サウンドを形作るキーボード。それぞれがうまく、そして、ユニットになった時、実に見事なグルーヴを生み出す。こんなバンドが、まだブレイクしてないなんて考えられない、と思った。たぶん、1曲キャッチーな曲がシングルヒットすれば、すぐに人気グループだ。きっかけひとつだろう。

2曲目くらいのところで、ベース奏者がなんとベースのストリングを切って、自分で交換していた。終った後楽屋に行くとその彼がいて、「弦を切るのはよくあるの?」と聞くと、「いや、今までで今日が2回目だ(笑)」と。

リューがメンバーを次々と紹介してくれた。リーダーは、カルロス。彼は1969年12月10日ロスアンジェルス生まれ。この前に「ブレイケストラ」というブレイクビーツとオーケストラを融合したようなグループをやっていた。リバース自体は8年ほど前に結成した、という。「今日は、素晴らしいソウルを見つけましたよ」と彼に言うと、「おお、そうか、ありがとう」と返してくれた。最初に買ったソウルのレコードは何かと聞くと、しばし考えて、「『ヘッドハンターズ』かな」と答えた。ハービー・ハンコックの名盤だ。

今回は日曜1日だったが、次回は最低3日はできるのではないか。これは応援したいバンドだ。

Setlist (2nd)

show started 21:13
01. Got Your Madness
02. Steppin' Into Tomorrow
03. Sum Same
04. Ramp/Daylight
05. Common Ends
06. Shake It (Feel The Same)
07. Sinkin'
08. Walk Talkin' Mizell (Until We Meet Again)
09. Stray Away
10. Evil Vibrations
11. Talking Me Down
12. Mark Of His Ways
13. This Journey In
14. Happy Feelings (Maze)

(encore)
15. Every Body Say Yeah
16. I Hear Music
17. Pleasure
18. Brick
19. Help Is On The Way
20. Brazilian Rhyme
show ended 22:39

リバースオフィシャル・ウエッブ(英語)
http://www.therebirthlive.com/

ブルーノート・ウエッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20051023.html

(2005年10月23日日曜、ブルーノート東京セカンド=リバース・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Rebirth


投稿者 吉岡正晴 : 04:20 AM | コメント (0)

October 23, 2005

Studying "A Time To Love" Part 2

【『ア・タイム・トゥ・ラヴ』研究・第2弾】

人類愛。

音楽>研究・第2弾。アルバムのオープニングを飾る「イフ・ユア・ラヴ・・・」と対になっている「ア・タイム・トゥ・ラヴ」。この愛は、広い愛、人類愛だ。宗教が違っても人間として相手に対し尊敬の念を持ち、愛をもてれば、戦いは起こらない。いつのまにか9分を越える超大作になっていた。

オープニングで、愛の必要性を訴え、同じくエンディングで同テーマを繰り返す。見事な構成だ。アルバム・タイトルは、『人類愛の時代』とでも表現できるかもしれない。

この曲は「イフ・ユア・ラヴ・・・」ほどの難解さはなかった。しかし、改めて、歌詞の作り方のうまさに驚嘆させられた。we have time から始めそれを効果的に繰り返したり、韻を踏んだり、曲作りのテクニックとしては当たり前なのだろうが、やはりうまいな、と思う。

この曲ではないが、「ポジティヴィティー」などは、まさにラップも同然。しかも、ミニー・リパートンとハーフフルの話も入っていた。訳詞見るまで気づかなかった。

「ア・タイム・トゥ・ラヴ」は、何度も歌詞を読みながらCDを聴いていると、早くこの曲を生で聴きたいという強い欲求にかられた。ライヴをするときは、これが1曲目か、ラストなのか、あるいは、アンコールか。

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【お知らせ】

10月23日(日曜)『ソウル・ブレンズ』(インターFM76.1、午後2時~5時内「山野ミュージックジャム」=午後4時半から)で、スティーヴィーの新作をご紹介します

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【アルバム・ライナーで訂正】

1)ライナーの中で、「可愛いアイシャ」の冒頭の赤ちゃんの声がアイシャのものではないという旨の発言のニュアンスが微妙に違うので訂正します。2004年6月の『オプラ・ウインフレー・ショウ』で初めて明らかになったようなニュアンスの表現がありますが、実際はそれ以前にスティーヴィーが明らかにしていました。よって、次のように直します。「この曲のイントロで聞かれるベイビーの泣き声は長い間アイシャのものと思われていたが、実は違っていたことが同番組の中でも語られた。」(rayさん、ご指摘ありがとうございます)

2)ライナーの中で、アルバムトップの「イフ・ユア・ラヴ・・・」を「アリシア・キーズとの共作」と書きましたが、クレジットにはアリシアの名前はないので、削除します。当初、デュエットの相手候補としてアリシアの名前がでていたものですが、発表されたCDはキム・バレルになりました。

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A Time To Love (Featuring India.Arie)
Music: Stevie Wonder
Lyrics: India.Arie and Stevie Wonder

(I)はインディア・アリーが歌う箇所。

今、僕たちは人種差別主義の時代に生き、
批判主義の風にさらされ、
ありとあらゆる種類の「主義」に囚われる暇はあるのに
いったいいつになったら
この世界に人類愛が満ちあふれる時代が訪れるのだろうか

(I)私たちはさかんに宗教の是非を議論したり、
(I)法律を決めたり、刑務所を作ることを話し合ったり、
(I)いかに富を生み出すか、意見を交換したりすることには
(I)いくらでも時間を費やすが
(I)いったいいつになったら
(I)愛について語りあう時代が訪れるのだろうか

人類の歴史の中で、今こそ、僕たちは選択しなければならない
(I)&(S)人類愛が満ちあふれる道を歩むのか、
あるいは、憎しみの連鎖で(人間が)かたわになっていく道を進むのか

今、僕たちは公害を引き起こし、
混迷の時代に生きている
(それらは)すべて僕たちの幻想のなれの果て
いったいいつになったら
この世界に人類愛が満ちあふれる時代は訪れるのだろうか

今、僕たちは他国を征服したり、石油のために利権争いをして、
憎しみ、暴力、無差別テロを生み出している
いったいいつになったら
(S)&(I)この世界に人類愛が満ちあふれる時代は訪れるのだろうか

(I)今この瞬間こそ、私たちは決断しなければならない
僕たちがこの母なる地球をいかに痛めつけているかを
神様はちゃんと見ているのだ
なんと恥ずかしいことだろうか
若者や老人や貧しい者には充分なお金が行き渡らないのに、

戦争には莫大な資金が投入される
いったいいつになったら
この世界に人類愛が満ちあふれる時代は訪れるのだろうか

(I)私たちは税金を納め、日々の生活費を払い、
(I)時には身分や社会的地位さえもお金で買う
(I)だがもし、今私たちが人類愛について真剣に考える時間を作らなければ、
(I)その痛烈な代償も払うことになるでしょう
(I)&(S)そう、今こそ人類愛が必要な時代

(訳詞・ザ・ソウル・サーチャー)

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A Time To Love (Featuring India.Arie)
Music: Stevie Wonder
Lyrics: India.Arie and Stevie Wonder

We have time for racism
We have time for criticism
Held bondage by our ism's
When will there be a time to love

We make time to debate religion
For passing bills and building prisons
For building fortunes and passing judgment
When will there be a time to love

At this point in history we have a choice to make
To either walk the path of love or be crippled by our hate

We have time to cause pollution
We have time to cause confusion
All wrapped up in our own illusions
When will there be a time to love

We have time to conquer nations
Time for oil excavation
Hatred, violence and terrorism
When will there be a time to love

At this moment in time we have a choice to make
Father God is watching while we cause mother earth so much pain
It's such a shame

Not enough money for
The young, the old and the poor
But for war there is always more
When will there be a time to love

We make time for paying taxes
For paying bills and buying status
But we will pay the consequences
If we don't make the time to love
Now's the time to pay attention
Yes now is a time to love

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ENT>MUSIC>ARTIST>Wonder, Stevie
ENT>MUSIC>SONG>A Time To Love

投稿者 吉岡正晴 : 05:09 AM | コメント (0)

October 22, 2005

Studying "A Time To Love" Part 1

【『ア・タイム・トゥ・ラヴ』研究・第一弾】 

必然。

音楽スティーヴィーの新作『ア・タイム・トゥ・ラヴ』が無事発売され、すでにあちこちでオンエアーなどもされ、アルバム全体をお聞きになった方も多いだろう。全曲を聴く前にライナーを書き終え、その後すぐに音をもらったのだが、ライナーでは書ききれていないことがたくさんあるので、何回かにわけて、このアルバムについて書いておきたい。一言で言って、このアルバム、かなりいいと思う。改めて痛感している。

2曲いい曲があれば、「いいアルバム」、3曲あったら、「素晴らしいアルバム」、4曲あったら「傑作」、そして、5曲あったら「歴史に残るマスターピース(歴史的名盤)」という僕なりの定義でいくと、これは「歴史に残るマスターピース」かな。もっともアナログ・アルバム時代の10曲40分程度の長さと、CD時代15~20曲80分の長さでは、単純な比較もむずかしいが。

今日は、まず1曲目の「イフ・ユア・ラヴ・キャンノット・ビー・ムーヴド」について少し掘り下げてみたい。僕はなぜこれが1曲目なのか、ここ一ヶ月くらいずっとわからないでいた。訳詞を読んでもなかなかわからず、ここ数日英語の歌詞を何度も何度も読み返して、やっとわかったような気がした。

なるほど、そうか。これは、絶対にこの1曲目でなければならないと思った。つまり、これは、スティーヴィーが今、一番主張したいことが込められた作品なのだ。だからこのCDを買った人全員に、いの一番にこの曲を聴いてもらいたいのだろう。

この「イフ・ユア・ラヴ・・・」とタイトル曲の「ア・タイム・トゥ・ラヴ」は、実は対になっていて、最初と最後をしめる。今回のアルバムのメッセージをもっとも端的に表している作品がこの「イフ・ユア・ラヴ・・・」とタイトルの「ア・タイム・トゥ・ラヴ」なのだ。だから、この2曲を最初と最後に配置したのである。それは、連続ドラマの第一回と最終回を見るだけで、ドラマを見た気になれるような完璧な曲配置だ。必然的な曲並びといっていい。

最初、タイトルの「あなたの愛が動かないなら」という直訳の意味がどうしてもわからなくて苦労したが、この「愛」を広く「人類愛」とすると、さっと雲が晴れたようになった。

アルバム・タイトルの「ア・タイム・トゥ・ラヴ」の「ラヴ」も、男女間の「愛」というよりも、広く「人類愛」「普遍的な愛」として捉えるとわかりやすい。それは、「愛」というだけでなく、相手を思いやる気持ちや、相手の立場になって考えること、自分勝手に行くのではなく、常に相手との距離感のなかで、コミュニケーションを計っていくことの必要性を訴えている。

宗教が違っても、人種が違っても、広い意味での人類としての思いやりや愛があれば、本来だったらそこには戦争やいさかいが起こらないはずだ。そうした主張がこの曲に込められている。

また、この作品の「ユー(あなた、君)」は誰を指すのか。まず、第一に政治的な権力者、大統領を始めとするその側近だ。つまり、「政治家であるあなた、ブッシュ大統領、あなたの人類愛が本当にゆるぎない物なら、サングラスをとって、嘘を言わないでくれ」というメッセージだ。

第二にこの「ユー」は、政治家に次ぐ権力(パワー)であるメディア(媒体)にも向けられている。しかも、このメディアも大新聞、大きなネットワーク・テレビだけでなく、小規模なインターネット媒体にも向けられている。

ひとつの戦争を容認し、肯定化するようなメディア(マスコミ)に対して、それでいいのか、と苦言を呈す。この巨大化したメディアも、ある意味匿名的だ。誰が言うともなく、戦争肯定の風潮ができてしまったからだ。それだけでなく、最近ではインターネットの例えばホームページやブログなどが大きな力となりつつあり、そうしたネットの世界では匿名であることが当たり前になってきているが、匿名で物事を主張しても、それはどうなのか、といった主張だ。

If your love cannot be moved (もしあなたの人類愛が真にゆるぎないものであるなら)と同じくらい put your face to somebody (だから、きちんと自分の立場をはっきりさせて、自分の意見を表明しよう)という一行が重みを持ってくる。後者の直訳は、誰かの前で身分を明らかにしろ、なのだが、何か意見を言うなら、ちゃんと名乗れ、ということなのだ。

以下、試訳。なにか解釈に対するご意見、誤訳指摘などありましたら、およせください。ひょっとしたら、取り違えているところもあるかもしれません。それにしても、スティーヴィーの曲は歌詞がむずかしい。かなり悩んだ。you can't~の構文は「~するなんて、ありえない」「~するなど許されない」「~なんかすべきじゃない」「~はダメだ」といったところだろうか。

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If Your Love Cannot Be Moved (featuring Kim Burrell)
Written by Stevie Wonder

[(K)はキムが歌う箇所。場所によっては、スティーヴィーとのコーラスも。]

大義名分を掲げてこの戦争はやるべきだと言いながら、
どろどろの戦いはいやだなんてことは許されない
戦争には手を染めないと言う裏で、
戦争を始めるなんてことは許されない
(K)口先だけで平和を叫んでも、
(K)すぐにどこかに雲隠れしてしまうなんてことは許されないわ
(K)正確に効果的に目標を攻撃できないなら、
(K)そんな作戦など遂行するべきではない
(訳注: 直訳は、「ある程度の効果なしに嵐に乗るな」=ここでの嵐はデザート・ストーム作戦=湾岸戦争の作戦を指す)
(K)相手のことも考えずに戦利品を略奪するなんて、
(K)人道的に許されない
(フセインに)「悪魔」のレッテルを張って、誇らしげに勝利宣言するなんて非常識だ
メロディーのない歌なんて歌えっこない
(訳注:真の人類愛のないスピーチなんて意味がない、ということか? 本質のないメッセージは人々に伝わらない、とか。あるいは単純に文字通りの意味か。この一行だけやけにシンプルすぎる=(笑))
我々(アメリカ人)に団結力がないなんてことは誰も言えない
(K)ひとりで立ちはだかるのが怖ければ、人間の盾なんてできっこない
(K)神に祈りを捧げつつ、その神を裏切るようなことをするなんてありえない
(K)(神への)希望を語りつつ、ジョークを言うなんてふとどきよ

マスコミは自分たちの立場ははっきりしていると言ってはいるが、
時代はマスコミがあまりに肥大化してきて(発言者の立場があいまいになって)いることを知っている
だから、隠れずにきちんと自分の立場をはっきりさせて、自分の意見を表明しよう
(Put a face to your somebodyの直訳は、身分を明らかにしろ)

(コーラス)

君は自分自身の名前をちゃんと名乗れるか?
それとも、匿名のままでいたいのか?
(K)あなたはちゃんと自分の顔を表に出せる?
(K)それとも、顔が(人々に)割れるのが怖いの?
自分の心に正直でいられるか?
それとも、君は自分の殻に篭り自分のことしか考えないのか?

(K)サングラスを堂々と取って、あなたの言う真実は決して嘘にはならないと宣言してよ
(K)もし、あなたの人類愛が真にゆるぎないものであるならば

(K)自分自身のこともわからないくせに、私を見ないでよ
(K)ある一部の人たちのためだけに、何か便宜を与えるなんて許されない
神にご加護を祈らなければ、神から祝福などされるはずがない
貧しい人を見捨てて、金持ちを優遇するなんて許されない
泣き叫ぶ人の声が聞こえていても、扉を閉ざすなんてことは非人道的だ
(K)徹底的にがんばってみることもなく、負け犬と嘆くなんて考えられない
(K)誰かの損失から利益を得るなんて非常識よ
(K)病気も治せない医者が特効薬を見つけるなんてことはできない
やり方を変えて人々を奴隷のように扱いながら、奴隷を解放したなんて言わせない
目が見えるからって、正義が「見える」ってことでもない
体制に流されるていると、不正もわからない
(K)あるいは、そんな未来でもあなたはいいと思っているの?
(K)だから、隠れずにきちんと自分の立場をはっきりさせ、自分の意見を表明しよう

(くりかえし=コーラス)
(以下はキムとスティーヴィーのかけあい)

守れないなら、公約なんて最初から言わなければいい
自分の意見に確固たる自信がないなら、意見なんか言わなければいい
物事を、知ったかぶりなんかしなければいい
苦しい時に助けてくれないで、友達面(ともだちづら)なんかしないでくれ
地雷原に行かなければ、地雷を踏むことだってない
大企業と手を組んでるくせに、儲けを平等に分配しようなんてできっこない
やる気もないことは、やれるなんて言わないでくれ
実行しないことは、実行するなんて言わないでくれ
その必要も感じていないのに、何かを改革したいなんて言わないでくれ

与えた物を全部取り返すくらいなら、最初から与えないでくれ
死に向かって生きていくことは意味がないが、生きるために死ぬほどがんばることは大いに意味がある
あるいは(今まで言ってきたことを)あなたに要求することは、言い過ぎだろうか
だったら、隠れずにきちんと自分の立場をはっきりさせ、自分の意見を表明しよう

(くりかえし=コーラス)

(訳詞・ザ・ソウル・サーチャー)

If Your Love Cannot Be Moved (featuring Kim Burrell)
Written by Stevie Wonder

You can’t say we shall and not fight through hell
You can’t say we will and not dare to deal
You can’t shout out peace and then vanish in the crowd
You can’t ride the storm without some effect
You can’t steal the spoil and not pay the debt
You can’t wave a sign that spells “evil” and feel really proud
You can’t sing a song with no melody
You can’t say we’re one without unity
You can’t form a line if you’re sacred to stand alone
You can’t pray for grace and then smack her face
You can’t speak of hope and then crack a joke

You can say you’re there but time knows how much you’ve grown
Put a face to your somebody

Can you say your name?
Or would you rather stay unknown?
Can you show your face?
Or are you fearful of it shown?
Can you feel your heart?
Or does it beat for you alone?
Lift you glass up high
Say that your truth will never lie
If your love cannot be moved

You can’t look at me and not see yourself
You can’t say “for them” and not for who else
You can’t truly bless and not bless the good of all
You can’t serve the rich and desert the poor
You can’t hear their cries and just close the door
You can’t say you’re down and not take it to the wall
You can’t benefit from one’s detriment
You can’t find the serum and not cure the sick
You can’t free the slave to enslave them differently
You can’t see the right only from your sight
You can’t see the wrong and just go along
Or is that the way you would want your fate to read
Put a face to your somebody

Can you say your name?
Or would you rather stay unknown?
Can you show your face?
Or are you fearful of it shown?
Can you feel your heart?
Or does it beat for you alone?
Lift you glass up high
Say that your truth will never lie
If your love cannot be moved

You can’t make a pledge and then slip the script
You can’t say the words and not move your lips
You can’t be confused and still say you understand
You can’t be a friend but not through thin and thick
You can’t be a click but in danger split
You can’t evenly share and then grab the biggest hand
You can’t say you do but then show you don’t
You can’t say you will and make sure you won’t
You can’t want for change and not do what you need to do

You can’t give up all and then take back all you give
You can’t live to die but you can die to live
Or is that too much to ask of the you in you?
Put a face to your somebody

Can you say your name?
Or would you rather stay unknown?
Can you show your face?
Or are you fearful of it shown?
Can you feel your heart?
Or does it beat for you alone?
Lift you glass up high
Say that your truth will never lie
If your love cannot be moved

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ENT>MUSIC>ARTIST>Wonder, Stevie
ENT>MUSIC>SONG>If Your Love Cannot Be Moved

投稿者 吉岡正晴 : 05:04 AM | コメント (0)

October 21, 2005

Communication Breakdown: How To Deal With New Acts

【新人プロモーションはいかに対応するか】 

学習。

先日の『ソウルブレンズ』にとあるゲストがやってきたのだが、これがちょっとやっかいだったので書いておきたい。実はこの出演者(女性2人組)、シングルのプロモーションでやってきたのだが、出身地は公開しない、名前は公開しない、行っていた音楽学校は公開しない、となにもしゃべらないのだ。まったく話にならないのであきれた。

その昔、アーティストをベールに包むためにプロフィールを秘密にしようなどというやり方があったが、今時、そんなことをやるアーティストも珍しいのだが、まあ、百歩譲ってそういう方針でやるなら、それもいいだろう。だったら、プロモーションで、のこのこラジオなんかに出なくてもいいのではないか。ずっとスタジオにこもって作品を一生懸命作ってればいいだけの話である。

別にこの子たちには、番組側からどうしてもでてくれ、と言って頼んだわけではない。レコード会社からプロモーションで出してください、ということで出演していたのだ。ラジオ番組というのは、ゲスト出演者に「しゃべってもらって」初めて成り立つ。しゃべれない人、しゃべりたくない人は、別に無理して出てくる必要はないのだ。もちろん、アーティストの中には音楽を作る才能はあるが、しゃべりが得意でない人もいるだろう。だが、誠実に対応してくれれば、それはそれでリスナーにもちゃんと伝わる。

インタヴュー嫌いのプリンスだって、ちゃんと初期には取材に答えていたし、今でこそめったにインタヴューを受けないマイケル・ジャクソンだって、デビューしたての頃は膨大な取材をこなしていた。この二人をプリンス、マイケルと比べるのも、プリンスたちに大いに失礼ではあるのだが。事務所の方針なのか、本人たちの考えなのかは知らないが、まあ、この二人組、10年早いよ。(笑) こういう調子だと、接した人たちはみんな応援しようとは思わないんじゃないか。

先日ゴスペラーズの事務所の社長小林さんが、村上氏のライヴ後の打ち上げでひじょうにすばらしいことをおっしゃっていた。たまたまこんどデビューすることになった新人歌手がいて、その人への言葉だったのだが、こうだ。「まず自分のレコードを宣伝してくれる(レコード会社の)プロモーター(宣伝)に気にいってもらわないとダメ。その次に媒体の人、ラジオ局のDJやディレクターやプロデューサー、雑誌や新聞記者などに気に入ってもらう、そして、そういう人たちが気に入ってくれて、やっとその先のユーザー(一般のレコードを買う人)に初めて(作品が)届く。最初はユーザーは一番遠くにいる。まず一番近い、プロモーターの人たちに自分たちの作品や自分たちが気に入ってもらえないで、どうして、それが最後のユーザーまで届くか。届くわけないでしょう。だから一番近いところから一生懸命やらないとだめなんだよ。デビューするまでよりも、本当はデビューしてからのほうが大変なんだ。デビューしたということは、もうその日その瞬間から、例えば、ゴスペラーズと同じ土俵に立つということだから。普通の人にとっては、同じように見えるわけだからね」 いやあ、さすが社長! 日本一!(拍手) 

アーティストの中には、たまに、取材側に対して必要以上に壁を張り巡らす人物がいる。それは、人見知りの性格のため、自分を守りたいため、あるいは、人とのコミュニケーション能力の欠如のためなどいろいろな要因があるのだが、メディアに出るという決断をしたのであれば、コミュニケーションの技術を持ってもらわないと困る。もし、自分はコミュニケーション能力がないと思うなら、メディアには出ないことである。それが一番いい。出ないという選択肢は、それでそれで別にかまわない。

今回のことで、こちら側が学習したこと。それはこうだ。今後ゲストのオファーがあったら、「ちゃんとしゃべれますか」「ちゃんとコミュニケーションできますか」「普通のことで公開できないことなどありませんね」ということを確認してから、出演許諾を出すことにしよう、と。

ENT>ESSAY

投稿者 吉岡正晴 : 03:05 AM | コメント (0)

October 20, 2005

Eyewitness To The Osaka Monaurail Live

【オーサカ=モノレール・ライヴ】 

目撃。

音楽日本が誇るJBファンク・バンド、オーサカ=モノレールが待望の新作『アイウイットネス・トゥ・ザ・・・』をリリース、そのリリース・パーティーをかねて、渋谷のクラブ、エイジアで一昼夜のイヴェントを行った。

オーサカのライヴは、3回に別れて行われファーストとセカンドを見た。バンドは、ドラムス、ギター、ギター、ベース、トロンボーン、サックス、トランペット、トランペット、そして、リード・ヴォーカル(キーボード兼任)の10人編成。

もうすっかりこなれたステージ運び。ジェームス・ブラウンのカヴァーから、オーサカのオリジナルまで縦横無尽にノンストップで繰り広げられるファンク・ソウル・ショウ。4人いるブラスセクションが、さすがに圧巻だ。ミスター・ブラウンのカヴァーからオーサカのオリジナルへの移行など、ブラウンのステージで使われるブリッジ(曲間をつなぐ短いジングルのような曲)と似たようなものでつながれるため、区別がつかないほど。それほど、オーサカのファンクとミスター・ブラウンのファンクが一体化している。

今回はスタンディングでかなり前で見たが、中田さんは、かなり小刻みに動いている。遠くで見ていると、よくわからなかった。相当ジェームス・ブラウンの動きを研究し尽くしていると言える。

前にもどこかに書いたかもしれないが、一度、ミスター・ブラウン本人に見せたいなあ、このライヴ。

中田さんは「日本人にはファンクはできないとか、ソウルはできないという人もいるが、できると仮定して、とにかく徹底して、ブラックネス、黒さとかファンクというものをコピーして、しまくっていくと、その先にオリジナリティーが生まれるのではないかと思ってやってる」というようなことを言っている。確かにこの理論は言えている。何事もすべてはコピーから始まるのだから。コピーの先にオリジナリティーが生まれれば、それでよしだ。

ところで、このオーサカのライヴのほかに、京都出身のタミーという女性シンガーが、レコードのカラオケにあわせて3曲ほど歌った。こんど中田さんがシングルをプロデュースするというシンガーだ。低く、そして、太い声で、マーヴァ・ホイットニー系のかなりのシャウターで、迫力いっぱいで実にかっこよかった。これは、レコーディングがあがってくるのが楽しみだ。ちなみにセットリスト2曲目「バグズ・ライフ」というタイトルがついた曲は、イギリスのベイカー・ブラザースというグループの「ピース・オブ・マインド」というインスト曲に彼女自身が英詞をつけたもの。

タミーは、京都を中心に関西圏で主としてブルースを歌ってきたシンガー。話を聞くと、エタ・ジェームス、ココ・テイラー、グラディス・ナイト、リン・コリンズなどが好きだという。

オーサカを見ていると、マーサ・ハイ、あるいはリン・コリンズ的な女性シンガー、さらには、「リヴィング・イン・アメリカ」の時にでてくる派手なダンサーなどの演出が将来的にでてくればいいなと思う。要はパッケージショウということだ。それにしても、ここまで徹底してやってくれるのだから、日本のファンク・シーンは、この中田亮にお任せってところでしょうか。

■オーサカ=モノレール・ウエッブ
http://www.osakamonaurail.com/

Setlist: (+)denotes Osaka Monaurail original song

1st

01. Where Soulful People Gather 'Round I Wanna Go (+)
02. Damn Right, I Am Somebody

2nd

show started 22:47
01. Intro
02. Soul Pride
03. The Grunt
04. Intro 2
05. What It Is-What It Was (+)
06. Thankful (+)
07. Down And Out (+)
08. That's My Desire
09. Evil
10. Spinning Off The Balance (+)
11. Hot Pants
12. New New Type Thing (+)
13. Groovy, Groovy, Groovy (+)
14. Double Up Now (+)
15. Whatever You Do (+)
16. Groovy, Groovy, Groovy (+)
17. Finale
show ended 23:45

Tami Setlist

show started 00:46
01. It's Alright Now
02. Bug's Life (Piece Of Mind) (Baker Brothers)
03. How Long Do I Have To Wait For You (Sharon Jones)
show ended 00:58

Setlist compiled with courtesy of Mr. Nakata Ryo and Tammi.

(2005年10月19日水曜、渋谷・エイジア=オーサカ=モノレール・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Osaka Monaurail

投稿者 吉岡正晴 : 04:28 AM | コメント (0)

October 19, 2005

Endless Talking At Night Of Yokohama

【横浜の夜は更けて】

エンドレス。

アンコールが終って、そのうるさいテーブルにオッシーとともに行くと、ケイさんも松尾さんもかなり酔っ払ってる。空になったワインボトルがそのテーブルの周辺には何本も散らかっており、相当飲んだらしい。(少し誇張) ケイさんの目が座ってる。「オッシー!! 最後の、『再会』にやられたよ~~! おおおっ~~」とあの低いドスのきいた声で言う。たださえ一見こわもてのケイさんが通常の低音よりもさらに低音で言うものだから、こりゃ怖い。「酒もってこい、酒!」(かなり誇張)  かと思えば、同時並行で松尾さんから「今度、僕が作ったコンピCD、できました」とさくっとカバンから取り出した『美メロ伝説第0巻』を手渡される。さすが営業ぬかりなし! 隙なし! 向かうところ敵なし! 

このCD、松尾潔選曲解説の美メロのコンピ。松尾氏、ルーサーのトリビュートのライナーもかなり長文を書いたそうで、同日発売とのこと。10月26日は松尾関連商品がCDショップを大占拠! (再び誇張) CDジャケよく見ると、松尾さんの顔写真が帯に入ってるじゃないの。選曲者の顔写真いれたコンピなんて、世界初だ! さすが、うまい、上手、商売達人! 「ちょっと楽屋行きましょうよ」と松尾氏。「まだ、ばたばたしてるんじゃないの」と誰ともなく。しばらくしてマネージャー氏、「そろそろ、どうぞ」の案内で裏へ。

バンドメンバーも多く、関係者も多く、通路のところに人が溢れている。フィリップ・ウー、はんこやさんなどはソイソウルともやっているが、ソイソウルのズーコ、ムトウ氏も。裏の通路でケイさん「写真、写真撮らせて、撮らせて! みんなはいって、みんなはいって」。パシャパシャ。ピアノはなんとニューオーリンズから吉弘さんではないか。山岸さんなどとワイルド・マグノリアスなどでもプレイしていた人だ。

その後隣のバーに移り、軽くビールとジュースで打ち上げ一次会。隣に座った松尾氏、僕をそこにいた人に紹介する時にこう言う。「最近、スティーヴィー・ネタひっぱってましたねえ。(笑) この吉岡さんはね、スティーヴィーにあまりに傾注し、その音楽を理解しようとね、針で目をさして、盲目になろうという・・・」 してない、してない。(笑) 

さらに、店がクローズするというので、別のバーへ大挙移動。・・・することになったのだが、レンガ倉庫、出口がすべて鍵がかかっていて、もう出られない。(笑) あちこちの扉をあけようとするが、開かない。お~~い。誰か~~。しばらくして、警備の人が閉まっていた扉を開けてくれた。すると、そこに出待ちのファンが何人か。村上氏、ファンの声援にこたえる。

この時間、駐車場からレンガ倉庫を眺めると、いつもきれいにライトアップされている姿が、照明が消えてシルエットだけになっていた。その遠くには海面に映りこむ建物のブルーライトがぼんやり美しく輝いている。

さて、真っ暗でほとんど何も見えないそのバー、松尾氏たちがなかなか来ない。なんと聞けば一度首都高に乗ってまちがって、あわてて降りて、戻ってきたという。えらく時間かかってたなあ。首都高、乗る距離じゃないだろ。(笑) 

この日、バックコーラスをやったアジ(AJI)の橘さん、北山さんらと同じテーブルで談笑。橘さんは、北山さんがいたSCS(早稲田大学のストリート・コーナー・シンフォニー)の後輩にあたる。学年的にかぶるところはなかったが、いまでは親しく曲を一緒に作ったりしている。北山氏は慶応だが、一足先にその早稲田のSCSにはいっていた慶応塾生の松浦さんを通じてそのアカペラグループに入ることになる。松浦さんは、このソウルサーチンでもおなじみのあのテイク6のコンサート200回以上参加の世界的ファンだ。テイク6の話題になり、「やっぱりなんと言ってもテイク6は、ファースト(アルバム)だよね~~」ということで意見が一致。

村上氏がこっちにやってきたので、「なんで今日はスタックスがないの? サム&デイヴの『ホールド・オン』とか。せっかくこのスタックスのTシャツ着てきたのに~~」と自慢のスタックスTシャツを広げてみせる。そういえば、これ、この日だけで3人くらいに「欲しい、どこで買えるのか」と聞かれた。番組で一度プレゼントしたのだが、まだお店には残っているのだろうか。調べてみないと~。

「いやあ、やろうかとも思ったんですけどね~~。いろいろ、考えたんですよ~~。アンコールで、サム・クックの『ユー・センド・ミー』を自分のギターの弾き語りとかでやろうとかね。昨日、ギターとか練習してたんだけど、それより、本編で歌う曲の歌詞ちゃんとおさらいしといたほうがいいかなと思ってやめた(笑) アンコール来るかわかんないし(笑) ファースト(セット)はチキン(小心者)なんで、けっこう緊張しちゃったんですよ(笑)」

「じゃあ、次はスタックスもの、ブラスセクション3人くらいいれてやってよ」 すると社長が「吉岡さんのリクエストなんか聞いてたら、キリないですよ、だめだめ(笑)」とチャチャをいれてくる。すると村上さん「ブラスは、自分でやりますよ!(笑) サックス!」。サックスの吹き真似をしてみせた。おおおっ。こりゃまたすごい。

話は尽きず、ブルーライト横浜の夜は更けていった・・・。

ENT>MUSIC>LIVE>Murakami, Tetsuya

投稿者 吉岡正晴 : 06:15 AM | コメント (4)

October 18, 2005

(速報)ハリケーン"カトリーナ\"被災ニューオーリンズ救済イヴェント 

((速報) SOUTHERN COMFORT-
ハリケーン"カトリーナ
被災ニューオーリンズ救済イヴェントのご案内
Concert For Hurricane Katrina Relief

ブラック系のアーティストを招聘しているチョコレート・クリーム・プロダクションが音頭を取り、ニューオーリンズのハリケーン・カトリーナ被災者のためのチャリティー・イヴェントを行うことが急遽決まった。日程は2005年11月9日(水曜)渋谷オーイースト、11日(金曜)渋谷オーウエスト。チケットは10月17日からすでにチケットぴあなどで発売されている。開場・開演午後6時。チケットは前売り3000円、当日3500円。出演者は、「ミッチズ・ファンキー・ジャム」、「ブルーストーン」、「ニューオーリンズ・エレクトロ」、「金子マリ&北京一」、「ウシャコダ」、「サルーキー」など多数。詳細は、一両日中にアップします。

問合せ先は、チョコレート・クリーム・プロダクション。http://chocolatecream.co.jp/電話 03-3487-4176
または
11/9-O-East 03-5458-4681 * 11/11- O-West 03-5784-7088
http://www.shibuya-o.com(両会場)

投稿者 吉岡正晴 : 05:49 PM | コメント (0)

Ruica Murakami Live: The Kayou Soul Show

【村上ルイカの歌謡ソウルショウ】 

ソウル。

ファーストから見ようと思って家を出たのだが、途中の首都高湾岸線が事故渋滞9キロで2時間との表示。途中で降りて下の道を行くも、渋滞は変わらず。結局着いたころにはファーストは終っていた。2時間以上かかった。普段は45分くらいなので、ふ~~、疲れた。

ゴスペラーズのリーダー、村上てつや(ルイカ)がソウルのヒットを中心にしたライヴをやるというので、雨の中かけつける。その日に配ったというフライヤーには、RUICA SHOW, Ruica Murakami の名前が印刷されている。普通はフライヤーというのは、告知のために印刷・配布するものだが、この場合、当日にファンのみなさんに記念にと配られた。本来のこのライヴの告知をして、集客するという目的では使われなかった。というような説明を本人がしていた。(笑)

ドラムス、ギター、ベース、キーボード、ピアノ、コーラス3人という8人のバックアップ体制で繰り広げられる歌謡ソウルショウ。(村上氏談) 第一印象は、何よりも、村上氏が思い切り、趣味として、楽しんで、歌っているということ。もちろん、これも仕事なのだが、グループでの村上氏の立ち位置はグループのリーダー、精神的核ということで、歌以外の部分で気を遣っていることが多々あるが、ここでの村上氏はソロということもあり、ただひたすら歌うことに専念している感が強かった。

オープニングはいきなり、彼がマーチン(鈴木雅之)さんに書いた「エボニー&アイヴォリー」。なるほど、ここから来たか。以後は次々登場するソウルのヒットメドレーだ。アイズレーのギターの響きも印象的な「サマー・ブリーズ」から、ラヴソングをメドレーにした「フォー・ユー・メドレー」。ミラクルズ、デルフォニックス、モーメンツとみんなトロトロのスイートソウルばかり。最後の「ディスタント・ラヴァー」は、コントローラーズのヴァージョンをヒントに、「新大阪」を実にうまく挟み込み、さらにめちゃくちゃおもしろいセリフをいれ、予想外のオチで観客をうならせた。

なんと、このオチの部分はリハではやっておらず、ミュージシャンたちもファーストで初めて聞いて爆笑したという。

ハンコ屋さんのギター1本で歌ったダン・ペン作、ジェームス&ボビー・ピューリファイのヒット「アイム・ユア・パペット」は、しっとりしたルイカ節。かと思えば、大阪こてこてソウルの上田正樹さんの「わがまま」は、3曲だけある日本語曲で、熱唱になった。

英語の歌は、日本在住のブレンダ・ヴォーンが細かく直しをいれてくれたという。村上氏は「こんなに歌を練習したことはここ数年なかったよ。(笑) ブレンダが自分やコーラスにいろいろ口移しで教えてくれるんだけど、どんどんソウルになっていくのよ。こういうリハはまたやりたいね」と振り返る。

アル・グリーンばりのファルセットでいく「レッツ・ステイ・トゥゲザー」、ジョージ・ベンソン・ヴァージョンのいかにもブラコン風の「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」など楽しめる。そして、アンコールは、再びマーチンさんの曲。つまり、マーチンさんに始まり、マーチンさんで締めたというわけだ。

なによりも、村上ルイカが楽しんでやっていることが実によ~く伝わってくるライヴだった。しかし、トークが長くなり第一部ではアンコール曲が飛んでしまったという。ま、確かにしゃべり始めるとMCノンストップです。(笑) 時々、観客席の右奥から、うまいタイミングで掛け声がかかる。「イエー」とか、「ウ~~」とかだ。後でわかったのが、このうるさいテーブルがケイ・グラント氏、松尾潔氏たちのテーブルだった。

■メンバー

村上てつや(vo)、清水 興(b)、東原力哉(ds)、西山史翁(はんこや)(g)、吉弘知鶴子(key)、Philip Woo(SOYSOUL)(key)、TAMA(Cry&FeelIt)(cho)、AI(Cry&FeelIt)(cho)、橘 哲夫(AJI)(cho)

Setlist (2nd)

show started 21:34
01. Evony & Ivory (Suzuki Masayuki)
02. Summer Breeze (Isley Brothers)
03. 4U Medley:
~Ooh Baby Baby (Miracles)
~La La Means I Love You (Delfonics)
~Love On A Two Way Street (Moments)
~Distant Lover (Marvin Gaye)
~新大阪~Distant Lover
04. I'm Your Puppet (James & Bobby Purify)
05. If I Ain't Got You (Alicia Keys)
06. わがまま (上田正樹)
07. Let's Stay Together (Al Green)
08. Feel Like Making Love (Roberta Flack, George Benson)
09. Special Lady (Ray, Goodman & Brown)
Enc. 再会
show ended 23:10

(2005年10月17日月曜、モーションブルー横浜=村上てつや・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Murakami, Tetsuya

投稿者 吉岡正晴 : 07:42 AM | コメント (0)

October 17, 2005

Space Shower: Rock Masterpiece

【スペースシャワー】 

選曲。

衛星放送、スペースシャワー・テレビが運営するVMCチャンネル(スカパー!の場合732チャンネル)で、この10月から始まった『ロック・マスターピース』という番組のソウル、ブラック系の回の選曲を担当することになった。br>

この番組は、ロックの分野で天辰保文さん、和久井光司さん、今泉圭姫子さん、そして吉岡が毎週週代わりでそれぞれの得意分野で1時間分を選曲するというもの。ひたすらビデオクリップをかけ、その曲の解説部分は、ウエッブで紹介するという仕組み。来年3月まで続く予定。

第一週は天辰さんからで、第二週が僕、10月12日に初回放送が終った。この後、17日(月曜)朝9時からの回がある。毎月第二水曜に新しい回の放送があり、それを後2回再放送する。

曲解説は次のところに。

http://www.spaceshowertv.com/vmc/program/rockmaster/r_b.html

12日初回放送分のブラックミュージックの回は、テーマとして「自分がもっとも影響を受けたアーティスト」というものが与えられ、それにしたがって選曲した。

とはいうものの、古い映像はなかなかなく、当初の希望リストからはずいぶんと違ったものになったが、現在ビデオが比較的見易いものが選曲された。

オーティス、サム・クックなど映像はあるが、現時点で使えないものがあったりして、大変だ。オーティスに代わって、イギリスのコミットメンツの「トライ・ア・リトル・テンダネス」を選ぶなど、かなりの裏技だ。

とはいうものの、僕もスカパーに入っていないので、後で同録をもらうのだが・・・。(笑) これを機にスカパーに入ろうかな。

ENT>ANNOUNCEMENT

投稿者 吉岡正晴 : 02:57 AM | コメント (0)

October 16, 2005

Greg Chako Live: Spending Last Time In Cincinnati At The End Of The World

【グレッグ・チャコ・ライヴ~世界の終焉はシンシナティーで】 

終焉。

シンシナティーに生まれ、バークリーに進み、ニューヨークへ進出。さらに、シンガポール、香港、そして東京へやってきたジャズ・ギター・プレイヤー、それがグレッグ・チャコだ。

その彼のクインテットがライヴをやるというので出向いた。グレッグ・チャコのCD『ホエア・ウィ・ファインド・アワセルヴス(Where We Find Ourselves)』を実は、われらがケイリブ・ジェームスからもらって、知っていたのだ。このCDはなんと2枚組。ストレートなジャズのアルバムなのだが、ラテン調の曲とジャズバラードっぽい曲2曲でケイリブが歌っている。このアルバムが何かをしながら聴くにはとてもいいBGMになるので、一時期聴いていた。しかも、ジャケットデザインと印刷がひじょうにいい感じで、とてもインディからでたものとは、思えない。メジャー感いっぱいの良質アルバムだ。

この日ライヴをやると聞いて、ケイリブもでるのかと思ったら、もともと出る予定はなく、さらに、この日はケイリブはデフジャムのアイ(Ai)(10月17日月曜にライヴ)のゲネプロで来れないという。ということは、歌なしインストだけになるので、少し残念。

さて、ライヴはこのCDからの曲を中心にファーストで5曲ほど。雨ということもあってか、客がかなり少なくてかわいそう。メンバーそれぞれは、みなうまい。特にグレッグのギターは、ウェス・モンゴメリーあたりを彷彿させる雰囲気。だが、みんなうまいがためか、全体的なサウンドにはソウルはないなあ、と思っていた。ピアノがいないのと、ヴォーカルがないためか。

5曲の中では、オリジナルで彼のCDに収録されている「ヴォヤージ・ダウン」が印象に残った。まあ、なんとなくラウンジ・ジャズという感じがしたので、もっと小さなジャズバーか、レストランのラウンジなどで演奏されているといいのではないかと思った。モーションは、このグループには大きすぎる。30人くらいでいっぱいになるような店で聴いてみたい。

終わった後、グレッグ・チャコさんに会いに行った。名刺を渡しながら「ケイリブの友人です。今日はケイリブが来るのかと思ってたんです」と言うと、「おお、彼は私の大好きなシンガーのひとりだ。(君は)ソウル・サーチャーか。今日は、じゃあ、ソウルがなかったね(笑)」と返してきた。ケイリブがいなくて、ソウルの要素がなかったというニュアンスなのだが。ちょっと心の内を読まれたかなと思った。(笑) 

「誰がお気に入りのギタリストですか」 「たくさんいる。ウェス・モンゴメリー、ジム・ホール・・・」 「どちらのご出身で」 「オハイオ州シンシナティーだよ。まあ、とにかく超保守的な街だ。マーク・トゥエイン、作家の彼がね、こう言ったんだ。『世界が終わるとき、私はシンシナティーにいたい』 なぜなら、シンシナティーは他より10年は遅れているからだ。だから、世界の終わりも10年遅れるというわけだ(笑)」

グレッグ・チャコさんのホームページは内容充実。英語と日本語で書かれている。そのバイオグラフィーが実におもしろい。彼の生まれてから、今日まで、どのようにして日本に来たかなどが、詳細に書かれている。読み応えがあった。奥さんの話などはちょっと感動する。充分ソウルサーチン的だと思った。

http://www.gregchako.com/jp/index.html

上記サイトでディスコグラフィーのところへ行くと最新作についての詳細な解説と、試聴ができる。もちろん、直接購入も可能だ。

GREG CHAKO(g) QUINTET
グレッグ・チャコ・クインテット
Greg Chako(g)、Andy Wulf(sax)、Pat Hallaran(tb)、加瀬 達(b)、Mark DeRose(ds,per)

Setlist First Set

show started 18.32
1. April Wind
2. Marylin's Dilemma
3. Way Of Love
4. Voyage Down
5. The Jingles (Wes Montogomery)
show ended 19.40

(2005年10月5日水曜、横浜モーションブルー=グレッグ・チャコ・クインテット・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Chako, Greg Quintet

投稿者 吉岡正晴 : 03:31 AM | コメント (0)

October 15, 2005

Linda Lewis: Sings 5 Octaves

【リンダ・ルイス・ライヴ】 

5オクターヴ。

音楽リアーナのショーケースを見ていたら、いつのまにか携帯に留守電が。「今日、リンダ・ルイス渋谷デュオでやってま~す。きてくださ~~い」というメッセージ。ちょうど、リアナのミート&グリート(ごあいさつ)も終ったところだったので、急遽かけつけることに。

到着すると、まもなくセカンド・ステージが始まった。低い声から、高い声までよくでてくる。高い声をかわいく歌うところなど、日本の矢野顕子を思わせるところもある。イギリスを本拠に活躍する黒人女性シンガー・ソングライター、リンダ・ルイスのライヴ。

彼女の来日履歴は、74年にシンガーソングライター、キャット・スティーヴンスの前座で初、95年自分名義で初、97年自分名義で2度目、2002年ロジャー・ウォーターズのバックコーラス、そして、2005年今回は自分名義で3回目、通算5回目の来日となる。

ドラムス、ギター、ベース、キーボードにリンダという布陣。ドラムスは昔はブロウ・バイ・ブロウ、最近ではインコグニートなどでドラムを叩いている人物。ベースも、有名な人のバックと聞いたが、忘れてしまった。

ポップ、ソウル風、ラテン風、カリブ風といろいろなタイプを取り揃えて歌うシンガー・ソングライター。低いところから高いところまで5オクターヴは歌えるという。

曲として印象に残ったのは、モータウン風の「ドント・ドゥ・ドント」。また、「ホワッツ・ゴーイング・オン」風の「ディーノ」という曲もちょっと印象に残った。

ライヴ終了後、楽屋を訪ねると裸足になっていた。「あれ、裸足で歌われていたんですか」と尋ねると、「いや、ステージでは靴は履いていたわ。あそこが暑くてね。今は、もう涼しくしてるの」 「声は何オクターブくらい?」 「日によるわ。5オクターヴの時もあるし、朝は低いわよ」 確かに、何も予備知識なく、目をつぶってこの歌声を聴いたら、20代のシンガーだと思うだろう。実に声が若い。日本にはそういえば、水森亜土という漫画家兼歌を歌う人がいたなあ。(笑) 声の雰囲気とか似てないかなあ。

やはり、ところどころ、ミニー・リパートンを彷彿させるところがあった。渋谷でダブルヘッダーでした。

Setlist: 2nd set Linda Lewis @ Shibuya Duo

show started 21:33
01. For Love Sake
02. I'm In Love Again
03. Old Smokey
04. Fathoms Deep
05. On The Stage
06. Waveing
07. Don't Do Don't
08. Dino
09. I Keep A Wish
10. Far Cry
11. Love Plateau
12. Rock A Doodle
13. What's All This About
14. It's In His Kiss
15. Grandad
Enc. He Na Na
show ended 22:41

(2005年10月13日木曜、渋谷デュオ=リンダ・ルイス・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Lewis, Linda


投稿者 吉岡正晴 : 02:11 AM | コメント (0)

October 14, 2005

Rihanna Showcase Live: Will Be Back In January

【リアーナ・ショーケース】 

炸裂。

音楽顔小さい、背がすらっとしてて高い、そして、腰がよく動く。1988年2月20日バルベイドス生まれ。現在17歳。日本で言えば、高校三年だ。注目のシンガー・ダンサー、リアーナのショウケース・ライヴ。オープニングでDJカオリが充分にスタンディングの観客を暖めて、予定から45分遅れてリアーナ登場。一挙に客がステージの前方に押し寄せた。会場はBガール風多数。男女比7:3で女性の方が多い。シアラにしろ、このリアーナにしろ、女性シンガーを支えるのは十代のBガールだ。

十代を中心にすでに、輸入盤とあわせて10万枚を突破したというから、見事なブレイクぶりだ。アルバムからのリードトラック「ポン・デ・リプレイ」がとにかくあちこちでかかりまくり、大ヒットした。

ダンサー二人を従え、ダンス、アップテンポは口パクで大炸裂、スローはマイクを持ってちゃんと歌った。かわいらしく、しかもスロー・ミディアムでの腰回しは充分セクシー。

6曲のライヴが終った後、若干の質疑応答。はきはき答え、「日本は初めてだけど、大好きよ。来年1月、また帰ってくるわ」とはっきり宣言。

ところで、この渋谷の会場は初めてきた。2-3ヶ月前にできたばかりだという。ライヴハウスというより、ちょっとしたクラブという感じ。タワーレコードの前を公園通りに上がっていき、スエッセンズのところを右折、すぐ左の角。

Setlist: Rihanna At Camelot, Shibuya

performance started 19:16
1. If It's Lovin' That You Want
2. Here I Go Again
3. Don't Even Try (アルバム未収録)
4. The Last Time
5. You Don't Love Me (No, No, No)
6. Pon De Replay
performance ended 19:37

(2005年10月13日木曜、渋谷キャメロット=リアーナ・ショウケース・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Rihanna

投稿者 吉岡正晴 : 04:21 AM | コメント (0)

October 13, 2005

New York Voices: 

【ニューヨーク・ヴォイセス】 

アイデンティティー。

音楽男性二人、女性二人の計4人組コーラスグループ。バックにピアノ、ドラムス、べースのトリオがつく。基本はスタンダードをコーラスで聴かせる。この編成だと、やはり、まずマンハッタン・トランスファーを思わせる。全体的には、マンハッタン・トランスファー風。みんな性格もよく、すごくいい人たちのようで、きもちいい。

コーラスグループとしては、マンハッタン・トランスファー的な部分をいかに脱皮し、自分たちのアイデンティティーを出すかがテーマ。しばらく前、ヴォーカル・グループ、シンコペーションのときにも書いた。そういう意味でいくと、いかにマンハッタン・トランスファーがこうしたタイプのグループの先駆者として、ワン・アンド・オンリーの存在となっているか、改めてその大きさを感じる。

楽器のベースの人は、彼らの『ポールサイモン・ソングブック』のアルバムからつきあっている、という。なんと最近はリッキー・リー・ジョーンズのレコーディングやライヴにもでている、という。また2年前にレコーディングしたというキース・リチャードのゴスペルアルバムでもプレイしている、という。

アンコールで歌われた「スターダスト」、各人が少しずつ歌い、さらに2人が歌い、別の2人が歌い、そして、4人で歌っていくというスタイルはなかなか聴かせた。

Setlist

show started 19:03
01. Sing, Sing, Sing (standard)
02. Baroque Samba
03. Corcovado (Jovin)
04. Bli Blip (Duke Ellington)
05. Answered Prayers (Ivan Lins)
06. Minds Of Their Own (Nancy Wilson)
07. Cecilia (Paul Simon)
08. Baby Diver (Paul Simon)
09. Day Like This (new)
10. World Is Waiting (new)
11. For All We Know (standard)
12. Caravan (Duke Ellington)
Enc. Stardust (standard)
show ended 20:24

(2005年9月26日月曜・東京ブルーノート・ファースト=ニューヨーク・ヴォイセス・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>New York Voices

投稿者 吉岡正晴 : 03:14 AM | コメント (0)

October 12, 2005

Gerald Albright Live: Picked Up A Piece Of Soul

(8月28日に行われたジェラルド・オルブライトのライヴ評です。遅くなりましたが、ご紹介します) 

【サックス奏者ジェラルド・オルブライト・ライヴ】

ひとかけら。

音楽どこぞのライヴに行って、「さあて、どこにひとかけらのソウルが落ちてるかな~」と探すソウル・サーチャーですが、ソウルを探しに行っても、残念ながら探せないこともあります。

ところが、この夜、ミュージシャンたちがステージに上がり、音を一音出しただけで、もうすべてソウル! 「どこにソウルがある?」なんて、考える間もなく、全部がソウルでした。やっぱりこれでなければ。キーボード(音楽ディレクター)、ギター、ベース、ドラムス、そして、サックスという5人編成。人気サックス奏者、ジェラルド・オルブライトの待望約9年ぶりの来日ライヴ。

バンドがフュージョン系というより、ファンク系バンドと捉えたほうがいいといえるほど、グルーヴ感たっぷりだった。

2曲目を終えて、ジェラルドがマイクを握った。「1年ちょっと前にリリースしたアルバム、『キッキン・イット・アップ』があります。そこからタイトル曲をやろうかと思います。いや、違う曲にしよう。ジェフ・ローバーと一緒に作った曲です。元モータウンのサックス奏者、ジュニア・ウォーカーに捧げた作品です。彼は僕の大好きなサックス奏者のひとりなんです。『ウォーカーズ・シーム』。」

ジェラルドのMCの声は、とても洗練されていて、実にいい声。かっこいい。「次はスロー・バラードを1曲。最近のアルバム『キッキン・イット・アップ』から、一番最後にはいっている曲です。10曲目! 「イフ・ユー・ドント・ノウ・ミー・バイ・ナウ」!」 ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツの大ヒットのカヴァーだ。

それにしても、吹いて吹いて吹きまくる。後半、ずいぶんグルーヴのある曲になったなあ、と思っていたが、聞けば、メイシオ・パーカーが大好きだそうで、かなり納得。

いやあ、金曜には拾えなかったソウルがたくさん拾えて心はうきうきだ。

Setlist

show started 21.01

1. Gee & Lee ("Smooth"--94)
2. Bermuda Nights ("Bermuda Nights"--89)
3. Walker's Theme (Jeff Lorber)("Kickin' It Up"--04)
4. If You Don't Know Me By Now ("Kickin' It Up"--04)
5. To The Max ("Kickin' It Up"--04)
6. Too Cool ("Bermuda Nights"--89)
7. Kickin' It Up ("Kickin' It Up"--04)
Enc. Georgia On My Mind

show ended 22.27

■メンバー

ジェラルド・オルブライト(サックス)、
トレイシー・カーター(キーボード)、
ダリーン・モレーノ(ギター)、
メルヴィン・デイヴィス(ベース)、
トニー・モーア(ドラムス)

Gerald Albright(sax) ,
Tracy Carter(key),
Darlene Moreno(g) ,
Melvin Davis(b),
Tony Moore(ds)

(2005年8月28日日曜、ブルーノート東京・セカンド=ジェラルド・オルブライト・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Albright, Gerald


投稿者 吉岡正晴 : 02:22 AM | コメント (0)

October 11, 2005

Ennnio Morricone Concert:

【エンニオ・モリコーネ・コンサート】 

壮大。

ほとんどクラシックと同じような演奏会だった。『ソウル・ブレンズ』終了してから向かうので、どうしても遅刻になってしまい、17時開演のコンサート会場に到着したのは、17時45分くらい。いわゆる曲間入場となる。

音楽ホールAにはいって驚嘆した。ステージにものすごい人がのっている。フルオーケストラに膨大なコーラス隊。さっと勘定してみると、コーラスだけで男女あわせて100人ほど、これにフルオーケストラが約100人近いのではないか。計200人がオンステージだ。その人数に僕はまず、圧倒された。イタリア音楽界の巨匠、エンニオ・モリコーネのコンサートだ。前日には、小泉首相も観覧に来たという。

このフルオーケストラが、音を出す。これは迫力だ。正直言って、知らない映画のテーマ曲などもあったが、この200人のオーケストラが繰り広げる壮大な音の世界に感心した。

ひとつだけ言いたいのは、やはりここまで映画音楽を生でフルオーケストラでプレイするのであれば、バックに映画のシーンの映像がほしくなるということ。これは誰もが思う自然な欲求だ。スライドでもいいから、曲とそれに関する映像が映し出されればいいなあ、と思った。まあ、映像を使うとなると、権利関係でむずかしいのだろうが、単純な欲求としては、映像がほしい。

アンコールの最後は『ニュー・シネマ・パラダイス』だったが、サントラとほとんど寸分違わない音がここで流れるなら、いくつかのシーンが映ればきっと、涙する人も多いことだろう。

それにしても、こういう少しクラシック風のアンコールというのは、何度も何度もでてきてはひっこんで、とやるんですね~~。あの往復で疲れちゃうんじゃないかと心配した。(笑い)

帰り際、CDの即売会にものすごい人だかりができていて、CDが飛ぶように売れていた。普段CDショップにあまり行かない人たちが、こういうときに買うのだ。

Setlist (予定プログラムとして発表されたもの)

First Half

"Scattered Sheets" Piano=Antonello Maio
01. H2s (H2s)(日本未公開)
02. Il Clan Dei Sicicliani(シシリアン)
03. Metti Una Sera A Cena (ある夕食のテーブル=日本未公開)
04. Uno Che Grida Amore (ある夕食のテーブル=日本未公開)
05. Come Maddalena (マッダレーナ=日本未公開)
"Quattro Adagi" Violin=Hakase Taro
06. Deborah's Theme (ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ)
07. Addio Monti (いいなづけ=日本未公開)
08. Vatel (宮廷料理人ヴァテール)

09. Here's To You (da "Sacco E Vanzetti)(死刑台のメロディー)
10. Legend Of 1900 (海の上のピアニスト)

(15分間の休憩)

Second Half

show started 18:14
"Cinque Canzoni" Vocal: Filippa Giordano
11. Immagini Del Tempo (アリバイ=日本未公開)
12. Questa Specie D'amore (ある愛の断層=日本未公開)
13. Mia Madre Si Chiama Francesca (シシリアの恋人)
14. La Califfa (ラ・カリファ)
15. Da Quel Sorriso Che Non Ride Piu, Da Quel Dolor Che Non Piange Piu 

"Epic Historical Cinema"
16. Novecento (1900年)
17. La Tenda Rossa (赤いテント)
18. Partenza-SOS-Ritorno 
Viola: Fausto Anzelmo

"The Mission" (ミッション)
Oboe: Mutalipassi Eugenio, Flauto: Monica Berni
19. Gabriel's Oboe
20. The Mission
21. In Earth As In Heaven

Encore.1 Queimada (ケマダの戦い)
Encore.2 Il Buono, Il Burto, Il Cattivo (続・夕陽のガンマン)
Encore.3 Nuovo Cinema Paradiso (ニュー・シネマ・パラダイス)
show ended 19:37

(2005年10月9日日曜、東京国際フォーラムA=エンニオ・モリコーネ・コンサート)

ENT>MUSIC>LIVE>Morricone, Ennnio


投稿者 吉岡正晴 : 02:12 AM | コメント (0)

October 10, 2005

More Steve Tyrell: Writing Diary In The Wee Small Hours Of The Morning

【早朝に】 

早朝日記。

音楽それにしても、アンコール5曲もやるか!(笑い) 本当に歌うことが大好きで大好きでしょうがない、という雰囲気が思いきり伝わってきたショーだった。「エイント・イット・ミスビヘイヴィン」を終えて、一応、いったんステージ袖にひっこんだスティーヴが、予定通りアンコールに戻ってきた。そして、自分がもっとも影響を受けたシンガーの歌を歌うといって歌い始めたのが、レイ・チャールズの「ジョージア」。これは、他の曲とぜんぜん魂の入り方が違う。そして、またステージを降りて、バンドも下がり、照明もついた。ところが拍手が鳴り止まない。すると、スティーヴたちがもう一度ステージに戻ってきて、なにやら打ち合わせをしてアンコール第二部をやり始めたのだ。

それから結局4曲。いつも歌いなれている曲をかる~く、歌ってみました、という感じで大サーヴィスだ。いやあ、いい感じ! いかにもブルーノート的なアーティスト、パフォーマンスだ。

下記セットリスト、10から12曲目までの3曲はビリー・ホリデイの持ち歌で知られる作品。また、13~15の3曲は、今回初めてオーディエンスの前で披露したという曲。したがって横浜のセットリストにはない。スティーヴの次のアルバム『フランク・シナトラ・ソングブック』に収録される作品群だという。このアルバムは、全米で11月にハリウッド・レコードからリリースされる。

この中でとても気に入ったのが、15曲目の「イン・ザ・ウイ・スモール・アワーズ・オブ・ザ・モーニング」。シナトラが55年にレコーディングしている曲。歌詞を探して読んでみた。なかなかいい曲だ。「ウイ・スモール・アワーズ・・・」で朝の早い時間のことを意味する。辞書をひいてわかった。かなわぬ恋を歌った作品だ。

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In The Wee Small Hours Of The Morning

世界がまだ眠りから覚めない早朝に、
ベッドでおぼろげに目を覚まし、
あの娘のことを考える
決して再び寝ようと、羊の数を
数えたりはしない
彼女からの電話がない限り、
彼女は君のものにはならない
寂しさつのる心は、それを知っている
朝のとても早い時間に、君は何よりも
彼女のことを思う


In The Wee Small Hours Of The Morning
by Bob Hilliard/David Mann

In the wee small hours of the morning,
While the whole wide world is fast asleep,
You lie awake and think about the girl
And never, ever think of counting sheep.

When your lonely heart has learned its lesson,
You'd be hers if only she would call,
In the wee small hours of the morning,
That's the time you miss her most of all.

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というわけで、この日記もいつも、こんなIn the wee small hours of the morning(早朝)に書いている。

この日は、トランペットにヴェテランのルー・ソロスが登場。おや、横浜にはいなかったようだが。スティーヴにそれを尋ねると、「ああ、あの日は一年に二日だけあるジューイッシュ・ホリデイ(ユダヤ系の休日)だったんだ。その二日だけは、彼は仕事をしないんだ。僕? 僕はカソリックだから、一年中いつでも、働くよ! (笑い)」 このトランペットの音が実に大きく、すばらしい。ストレートにトランペットを吹く。こんな一直線のペットはなかなかない。トランペット一筋で生涯来ているという雰囲気がいい。

全25曲、どれもスタンダードばかり。僕自身それほどなじみがない曲もあったが、調べてみると、それなりのスタンダードばかりだ。全曲、解説をつけてもいいほど。この日は、彼の娘さんが会場に来ていた。ショーが終わるとすぐに客席にでてきて、ファンの人たちと歓談していた。サインも気軽に応じてくれる。誕生日を尋ねると12月19日、1944年だという。うむ、45年よりも、さらに一年はやかった。昭和19年生まれなので、申年(さるどし)です。現在60歳、今年の誕生日で61歳。いやあ、若い! 毎年来てほしいな。

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■ブルーノートウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20051009.html

October 05, 2005
Steve Tyrell Live: The Man Behind "Greatest Song Book"
4日のライヴ評
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_10_05.html

October 06, 2005
Steve Tyrell Talks
スティーヴ語る
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_10_06.html

■Setlist: Steve Tyrell @ Blue Note, Second Set, October 9, 2005

show started 21:05
01. It All Depends On You
02. Nevertheless I'm In Love With You
03. You'd Be So Nice Come Home To
04. Isn't It Romantic
05. I've Got A Crush On You
06. Just In Time
07. This Guy's In Love With You
08. I Wonder, I Wonder, I Wonder
09. A Kiss To Build A Dream On
10. Until The Real Thing Comes Along
11. The Mood That I'm In
12. What A Little Moonlight Can Do
13. I Get A Kick Out Of You
14. I Concentrate On You
15. In The Wee Small Hours Of The Morning
16. Don't Get Around Much More
17. The Way You Look Tonight (From "Father Of Bride")
18. I Can't Give You Anything But Love
19. It Had To Be You
20. Ain't It Misbehavin'
Enc1. Georgia On My Mind
Enc2. Give Me The Simple Life
Enc3. Let's Fall In Love
Enc4. On The Sunny Side Of The Street
Enc5. Smile
show ended 22:37

(2005年10月9日日曜、東京ブルーノート・セカンド=スティーヴ・タイレル・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Tyrell, Steve

投稿者 吉岡正晴 : 05:06 AM | コメント (0)

October 09, 2005

Vote Your Favorite Design

【ジャケットデザイン公募】 

投票。

音楽ヴォーカル・グループ、シンコペーションの唯一の日本人メンバー、阿部恒憲(あべ・つねのり)が、「つね」の名前でソロ・プロジェクトを始める。それに先立ち、ミニアルバムを出すが、そのジャケットデザインをどれにするか、公募している。ジャケットやデザインに興味ある方、投票されてみてはいかがだろうか。なお、下記サイトで試聴もできる。

下記サイトで、ジャケットデザイン4種が掲載されているので、どれかお気に入りがあれば、投票。抽選で1名様にアイポッドが当たる。締切は10月13日。

http://www.bothsides.jp/cd_tune/postmail/postmail.html

下記サイトは、阿部恒憲のサイト。ブログなどもある。

http://www.crazyharmony.com/

「つね」のアルバムのタイトルは『石楠花(しゃくなげ)の花の咲く頃』。6曲入り。11月23日発売予定。

シンコペーションのライヴ評

July 28, 2005
Syncopation: What They Need Now Is...
http://blog.soulsearchin.com/archives/000413.html

ENT>MUSIC>ALBUM>Tsune

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■お知らせ

先日からホームページのサーヴァーを新しいものにするために、徐々に移行作業を進めています。このため、旧サーヴァーと新サーヴァーの移行時期に、若干、ウェッブ表示などが不安定な状況になることがありますが、最終的には元通りになりますので、ご理解ください。

ウェッブマスター

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投稿者 吉岡正晴 : 04:20 AM | コメント (0)

October 08, 2005

Dana Hanchard Live: PP=Perfect Performance

【パーフェクト・パフォーマンス】 

ファーストクラス。

なんと表現したらいいのか、うまい言葉が見つからない。あまりにいいライヴを見ると、どうしてもあれも書きたい、これも書きたい、こんなことを思った、などとどんどん書いてしまい、感想文が長くなるという大きな欠点がある。読むほうは短いがいいにきまってる。それはわかっているのだが、どうしても、あれもこれもとなってしまう。今日はちょっと長くなりそうなので、あらかじめ予告しておこう。

今、日本にいるアメリカのブラック系女性シンガーでダントツにすばらしい人だ。いや、このままニューヨークにもっていっても、堂々と人に紹介できる。もっとも、彼女はニューヨーク出身で、すでに向こうでも歌っているのだが。(苦笑) 9月にピアニンのフィーチャード・ヴォーカルで歌っていたデイナ・ハンチャードのライヴである。彼女が横浜モーションブルーで自己のグループでライヴをするというので相当な期待を持って出向いたが、想像以上のパフォーマンスだった。

彼女は、たとえば、ダイアン・リーヴス、カサンドラ・ウィルソン、ディー・ディー・ブリッジウォーター、あるいは、タック&パティーのパティー、さらにもう少し広げるとロバータ・フラックあたりを彷彿させる音楽的教養があり素養の高いシンガーだ。そうしたビッグネームに匹敵するファーストクラスのシンガー・ソングライターだ。

まず歌の表現力がすばらしい。ミュージシャンが間奏を演奏している間でさえ、彼女は歌に身をゆだね、表現し続けている。パフォーマーだ。個々の単語、言葉の意味を完全に理解し、その言葉を聴く者にていねいに伝えようとする。しかも、超低音から、かなりの高音までなめらかに高さを上下する。歌が音階も寸分狂わず、見事に歌いきる。絶対音感を英語でパーフェクトピッチという。略してPP。彼女のパフォーマンスは、パーフェクト・パフォーマンスだ。略してPP。

そして、音楽の多様性が見事だ。ベースにクラシックとジャズがあり、さらに、ソウル、ラテン、ロックなどの要素さえ取り込む。なにより、音楽の理解度、吸収度が圧倒的で、それを自分の体内でろ過し、排出する様がすばらしい。

それらは、いくつかのいわゆるカヴァー曲に現れる。カヴァーなのでなんとなく聴いたことがあるメロディーなのだが、完璧にデイナ本人のものになっている。ポップなアソシエーションの曲をこれほど、ジャジーにするとは。おそらく、それらオリジナルを知らずに聴いたら、みなデイナの作品だと思うだろう。それくらいデイナ色に染まっている。カヴァー曲をどれだけ自分のものにするかで「音楽度」を測るとすれば、デイナの音楽度は異様に高い。

さらに、歌への集中力が本当にすばらしい。デイナが歌へ集中すればするほど、聴くこちら側もどんどん集中していく。ファーストセットが終わった時点でどっと疲れがでたほどだ。もちろん、気持ちのいい疲労感だ。

ファーストとセカンドは、入れ替えがないため、まったく違う曲を歌った。まず、ファーストの「フーズ・クレイジー」から「ニアネス・オブ・ユー」へつないで歌っていくところなど鳥肌が立った。一瞬、ピアニストがデイナを見ていたので、予定外なのかとさえ思ったほど。客席も半分程度の入りだが、このパフォーマンスと値段は、相当なヴァリュー(お値打ち)だ。

ファーストより、セカンドのほうがより集中度が高まり、パフォーマンスもより高度になっていく。セカンドではどれもすばらしいが、4曲目に歌われた「アイ・ケア・フォー・ユー」は見事。さらに、アカペラの一人歌いで始めた「ビューティフル・シティー」も圧巻。その歌う姿に見とれている子の表情が、本当に「うっとり」しているようだった。観客の何人かはデイナが現在音楽を教えている生徒さんだったという。音楽教師というと、ロバータ・フラックもそうだった。

ただひとつだけ、音楽的に僕個人の贅沢を言えば、バンド自体があまり黒さを持っていないので、もうちょっとだけ黒くなってグルーヴ感が出ると、さらによくなるのではないだろうか。まあ、これは好みの問題か。

たとえば、こんなラインアップで彼女の歌を聴いてみたい。ピアノにジョー・サンプル、アコースティック・ベースにクリス・ミン・ドーキー、ドラムスにジャズをやるときのリッキー・ロウソン、ギターにデイヴィッド・T・ウォーカー、曲によってトゥーツ・シールマンスのハーモニカといったメンバーの中にこのデイナをいれてみたい。どんな化学反応が起こるのだろう。想像しただけで興奮する。

モーションで月一定期的にやったらどうだろうか。都内でもいいけど。僕がブルース・ランドヴァール(ブルーノート社長)の携帯番号を持っていれば、すぐに電話する。そんな風に思った。アメリカには、こうしたクラスのシンガーがいくらでもいるんだろうな、とも思った。

確かに歌をちょっと目指す者がいて、彼女のパフォーマンスを見たら、歌をやめようと思うのもいたしかたない。

「どうやったら、あなたのように歌えるようになるのでしょう」ときくと、彼女は「ただ歌うのよ。ひたすら歌い続けることよ。そして、Listen to everybody(ありとあらゆる人を聴きなさい)」と答えた。

トイレに行ったら、小さなブラックの男の子が一生懸命手を洗っていた。人なつっこい笑顔をしていたので、ひょっとしてデイナの息子さんかと思い、「デイナの子供さん?」と尋ねると、「そうだ」と言う。「Your mother is so good!」というと、ひとこと「サンキュー」と答えた。彼の名前はバスク。11歳だそうだ。将来歌うようになるのだろうか。

彼女の声、あのリチャード・ボナの女ヴァージョンのようにも思えてきた。それにしても彼女の声は、イメージの広がる声だ。恐れ入った。

Setlist (all songs are Dana's original except otherwise indicated)

1st set

show started 18.32
01. Divee Down
02. Holy Water
03. Windy (Association, 1966)
04. Who's Crazy
05. Nearness Of You (Standard)
06. Mystery
07. Deep Down Into The Well
08. Right Here
09. I Follow You
show ended 19:31

2nd set

show started 20:30
01. Tombo
02. Black Rice Cake
03. Doralice (Joao Gilberto)
04. I Care For You
05. Charly For A Young Brave
06. Back This Way Again
07. Cover Me
08. Beautiful City
Enc. My Romance (standard)
show ended 21:44

■メンバー
道下和彦 Kazu Michishita, guitar
河村竜 Riyu Kawamura, bass
ユキ・アリマサ Yuki Arimasa, piano
平山しげお Shigeo Hirayama, drums

■デイナとの初遭遇。9月8日分ライヴ評。
September 10, 2005
Pianin & Dana Hanchard Live: Dana Said My Language Is Music
http://blog.soulsearchin.com/archives/000496.html

■デイナ・ハンチャード・ウェッブ
http://www.danahanchard.com(バイオ、ディスコグラフィーなど充実。英語です)

(2005年10月7日金曜、横浜モーションブルー=デイナ・ハンチャード・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Hanchard, Dana

投稿者 吉岡正晴 : 06:35 AM | コメント (0)

October 07, 2005

Al Kooper Live

【アル・クーパー・ライヴ】 

まったり。 

音楽アル・クーパーというと、ブラッド・スウェット&ティアーズとかそのあたりを思い浮かべるが、この日のライヴはさすがに年季の入ったロックファンが多数かけつけていた。普段のブラック系のライヴとも、ジャズ系のライヴともまったく違うタイプの人たちだ。こういう人たちはいつもは、どこにいるのだろうか。ジャズファンがジャズバーやジャズ喫茶にいるとすれば、彼らはロックバーにいるのだろうか。そんなこともないか。 

一曲演奏した後、いきなりブッカーTの「グリーン・オニオン」がきた。マイク・ブルームフィールドとのライヴアルバムにも収録されていた曲だ。ブルース色の強い人だなあとは思っていたが、さすがの選曲。それにしても渋い。黒地にラメ入りのジャケットで、インカムをつけて、ハモンドオルガンを弾きながら歌う。時にはギターも。 

「何年もにわたってたくさんの曲を書いてきて、どの曲が一番人気かと聞かれることがあるんだが、それは毎年、少しずつ違う。ところがある年に、ある曲が人気になった。『ジョリー』だ。何が起こったのかと思ったら、日本でテレビCMに使われたらしい。たくさんお金がはいってくれば、悪くない」といったようなことを言っていた。 

客席に降りて、マイクをつけながら一周してみたり、観客の帽子をちょっと被って、ニ・三歩歩いて投げて返したり、あいてる席に座ってバンド演奏を聞いたり、まあ、かなりまったりした雰囲気のライヴであった。 

ダニー・ハザウェイ他にカヴァーされて知られる「アイ・ラヴ・ユー・モア・ザン・ユー・エヴァー」、そして、さいごの曲「カミン・バック・イン・ア・キャデラック」を終えて、一度引っ込んだアル・クーパーは、拍手に答えて再登場。「客席の明かりを明るくしてくれ。女の子の顔をみたいんだ。今晩一緒に過ごしてくれる女の子を探すんだ。名前は~~」 そして、アンコール曲として「ジョリー」を歌った。 

Setlist: Al Kooper Japanese Tour
Ocotober 6, 2005 At Kokusai Forum Hall C

show started 19:08
01. Can't Keep From Crying
02. Green Onions
03. My Hands Are Tied
04. How My Ever Gonna Get Over You
05. I Wish You Would
06. Going Going Gone
07. I Can't Quit Her
08. Don't Tell Me
09. I Want You To Tell Me The Truth
10. Childish Love/Stealer
11. Flute Thing
12. I Love You More Than You Ever
13. Comin' Back In A Cadillac
Enc. Jolie
show ended 20:57

(2005年10月6日木曜、東京国際フォーラム・ホールC=アル・クーパー・ライヴ) 
ENT>MUSIC>LIVE>Cooper, Al

投稿者 吉岡正晴 : 01:23 AM | コメント (0)

October 06, 2005

Steve Tyrell Talks

(昨日からのつづき) 

【スティーヴ・タイレル語る】

歌好き。

音楽それにしても、一曲が短い。だいたい3ー4分前後。これは気持ちいい。次から次へとほとんどMCもなく、曲が歌われる。それも、ほとんどなじみのスタンダードばかり。アメリカのクラブではバカ受けするだろう。

ドラムス、ギター、ベース、ピアノ、キーボード、そして、サックスという6人編成にスティーヴ本人。彼は実にエンタテイナーぶりを発揮する。それほど客数も多くないが、笑顔をふりまき、観客を指差し、コンタクトを欠かさない。

こういう言い方は若干失礼になるが、ロッドの『ザ・グレイト・アメリカン・ソングブック』をライヴで聞いているかのようだ。

16曲目の「イット・ハド・トゥ・ビー・ユー」が終わって一度舞台を降りたが、観客の拍手に迎えられてステージに戻ってきて彼はマイクを握った。「よく聞かれるんです。あなたがもっとも影響を受けたシンガーは誰ですか、と。その答えは簡単です。彼の音楽は、僕が初めて聴いた日からずっと僕のソウルに触れてきました。一言で、彼の声にやられました。幸運なことに、僕は彼と一緒に仕事をし、プロデュースする機会がありました。では、僕のフェヴァリット・アーティストの曲を歌いましょう」

一瞬、レイ・チャールズのことかと思ったが、彼がレイをプロデュースしたとはきいていなかったので、誰だろうと思ったら、流れてきた曲は「ジョージア・オン・マイ・マインド」だった。「おお、やっぱり!」 スティーヴの歌声の節々にやはり、レイの面影はあるのだ。なんといっても、CDでこれを聞いたときには、ほんとは黒人じゃないか、と思ったほどだったから。

それまでのスタンダードを歌うスティーヴとは明らかに違っていた。彼がレイをプロデュースした作品は、今月新譜として出るレイのデュエットアルバムの第二弾に収録されている。

ライヴが終わって、彼が客席にでてきたので、少し立話をした。50歳からのデビューということがあったので、「いつ頃から歌いはじめたのですか」と尋ねた。「ずっと、生涯歌ってるよ。たまたま、映画のオーディションのときに、僕のテープがよかったらしくて、実際に歌ってみればと言われて、歌ったら評判がよくなってね。それで、レコードデビューして、あとはご存知の通り」

「レパートリーは、そうだな、100曲、いやもっとあるなあ。自分がレコーディングした曲は全部歌えるし、たとえば、自分がプロデュースしたロッドのものなんかも、アレンジは僕がしてるので、使えるし、歌えるよ。セットリストも、よく変えてる。アメリカでは、ファーストセットにきた客がそのままセカンドにも残ってることが多いんだ。だから、そういうときは、全部曲を変えるよ」

「『スターダスト』は今日はファーストで歌いましたか? あなたのヴァージョンが大好きなんですよ」「あれには、トゥーツ(・シールマン)がはいってる! いや、あれはしばらく歌ってないな。歌ってほしければ歌えるよ」と言って、「and now the purple dusk of twilight time~」とさわりをその場で歌ってくれた。おおおっ。気さくでフレンドリーです。

「ロッドが第4集を作ったと聞いてるんですが」 「ああ、もうすぐ出る、あと2週間くらいでリリースされるんじゃないかな。3作目も今度のも僕がプロデュースしている。ロッドは、僕の1枚目を聞いて僕のファンになったんだ。それで、同じようなアルバムを作りたいと思って連絡してきた。だから、彼が僕のスタジオにやってきて、僕のミュージシャンたちを使わせてあげた。1作目はまあまあだと思うけど、3作目はとてもいいできだと思う。二人(ロッドとスティーヴ)にとって初のグラミーになったからね。自分の新作は、『シングス・フランク・シナトラ』だ。これは自分のアルバムの中でベストだよ。今年の初め、ハリウッドボウルで、クインシーの指揮でシナトラの曲を歌う機会があって、それが大評判だった。そうしたら、レコード会社がシナトラの曲ばかりのアルバムを作ってくれ、といってきた。それで録音したんだ。シナトラ・ファミリーの最大限のバックアップをもらえてね。ジュニアも奥さんもみんな知ってるんだ。フランク・シナトラ・ジュニアは、一曲僕と一緒に歌ってるんだよ。彼はうまいシンガーだよ。もうすぐアメリカででる」

「あなたの声は、ルー・ロウルズに似てると思うのですが」 「ああ、ルーもいい友達だ」と言って、ルーのヒット曲 You'll never find another love like mine~とちょっと歌う。いやいやほんとに歌がお好きな人なんですね。ただしルーのヒットは、正式なレパートリーには入ってないそうだ。

■日曜日の「ソウル・サーチン」でスティーヴ・タイレルをご紹介します

■スティーヴのライヴは、10月9日=日=、10日=月・祝日=、11日=火=と3日間ブルーノートであります。古き良きヴォーカルをお求めのかたは、ぜひ。

■ブルーノートウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20051009.html

(2005年10月4日火曜、横浜モーションブルー=スティーヴ・タイレル・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Tyrell, Steve

投稿者 吉岡正晴 : 01:34 AM | コメント (0)

October 05, 2005

Steve Tyrell Live: The Man Behind "Greatest Song Book"

【スティーヴ・タイレル・ライヴ~『グレイト・ソングブック』の影の仕掛け人】 

渋声。

音楽彼の声を初めて聞いたとき、あのソウル・シンガー、ルー・ロウルズによく似た渋い声だなあと思って、思わず聞き耳を立てた。黒人なのか、白人なのかちょっとわからなかった。マイケル・ボルトンよりは黒っぽいし、しかし、ルーほど黒くない。そして、知ったのがスティーヴ・タイレルだった。『スタンダード・タイム』(2002年)だった。この前に一枚『ニュー・スタンダード』(1999年)がでている。これらが、スタンダードばかりを歌った実にいいアルバムで、一時期よく聞いていた。一番のお気に入りは、「スターダスト」、そして、もう一曲「ジョージア・オン・マイ・マインド」。

しかし、日本ではまったくと言っていいほど知名度がない。アルバムの内容が、いいだけにもったいない。ロッド・スチュワートの一連の『グレイト・ソング・ブック』第1集から第3集までがこのところ大人気だが、まさにあれと同じ雰囲気を漂わせている。実際、第3集をプロデュースしたのは、このスティーヴ・タイレルなのだ。たぶん、CMなどに使われたらそこそこブレイクすることは間違いないのだが、まあ、タイミングというか、今、その波が来ていないということだけなのだろう。

で、いろいろ調べてみるとこの人のキャリアは実に多彩だ。テキサスに生まれ、ジョー・サンプルとは幼なじみ。99年のソロデビュー時に「50歳の遅咲きデビューと」宣伝されたので、1949年生まれではないかと書かれているが、実際はもう少し行っていると思う。64-65年くらいに19歳くらい、つまり1945-46年くらいではないだろうか。

ハイスクール時代にR&Bバンドに参加して歌っていた。テキサスのレコード・ディストリビューター(卸元)で働いているうちに、レコード会社の人間と知り合い、ニューヨークのインディ・レーベル、セプター・レコードに入社。ここで、レコード業界のイロハを教わる。当時はA&R(アーティスト&レパートリー=ひとことで言えば制作のディレクター)という言葉はなかったが、制作まわりの雑用をすべてやらされた。そのころのセプターは、バート・バカラックとディオンヌ・ワーウィックが手を組み大ヒットを次々に出していた頃。その後、BJトーマスの売出しにも成功。さらに、ロスにやってきて、テレビ関係、映画音楽関係の仕事を多数やるようになった。

ひょんなことから、映画『花嫁の父親』のなかでクラブシンガーの役で歌ったところ、これが大評判を得て、レコード・デビューすることに。裏方からいきなり表舞台にでることになった。アトランティックで1枚スタンダードばかりを収録したアルバムを出したところ、ジャズシーンで大ヒット。

これを聞いたロッド・スチュワートは、スティーヴに惚れ込み、自分も同じようなアルバムを作りたいと連絡してきた。そして、ロッドが録音したアルバムが『ザ・グレイト・アメリカン・ソングブック』だった。ロッドはこの一部をスティーヴのスタジオでレコーディングしている。これを作っているときには、ロッドは10万枚も売れればいいだろう、と思っていたという。ところがリリースされると100万枚以上の大ヒットになり、第2集、さらにその続編とリリースされる。そして、第3集では、スティーヴ自身がプロデュースすることになった。この第3集は、3作のなかでも一番売れ、両者にグラミー賞をもたらした。

スティーヴのアルバムを聞いて、ロッドのあのアルバムを思い浮かべるのは自然なことなのだ。

そんなスティーヴが初来日。初日横浜モーション・ブルーでライヴを見た。バックはたった6人なのに、ビッグバンドのようなサウンドアレンジ。さすが、名アレンジャーだけある。そして、CDと同じ歌声を響かせた。いやあ、しびれた。

(この項明日へ続く)

(スティーヴのライヴは、10月9日=日=、10日=月・祝日=、11日=火=と3日間ブルーノートであります。古き良きヴォーカルをお求めのかたは、ぜひ)

■ブルーノートウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20051009.html

■Setlist: Steve Tyrell @ Motion Blue, Second Set, October 4, 2005

show started 21:33
01. Nevertheless I'm In Love With You
02. You'd Be So Nice Come Home To
03. Just In Time
04. Isn't It Romantic
05. The Nearness Of You
06. I've Got A Crush On You
07. This Guy's In Love With You
08. I Wonder, I Wonder, I Wonder
09. A Kiss To Build A Dream On
10. Until The Real Thing Comes Along
11. The Mood That I'm In
12. What A Little Moonlight Can Do
13. Don't Get Around Much More
14. The Way You Look Tonight (From "Father Of Bride")
15. I Can't Give You Anything But Love
16. It Had To Be You
Enc. Georgia On My Mind
Enc. Ain't It Misbehavin'
show ended 22:45

(2005年10月4日火曜、横浜モーションブルー・セカンド=スティーヴ・タイレル・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Tyrell, Steve

投稿者 吉岡正晴 : 03:41 AM | コメント (0)

October 04, 2005

A Chat With Eric Benet: Reveals Real Age

【エリック語る】 

三昧(ざんまい)。

音楽横浜レンガ倉庫にあるモーションブルーは、ブルーノートより少しだけ小さい。場所的に若干不便だが、エリック・ベネイはさすが超満員。日曜セカンドには、トクや日野賢二、ケイリブ・ジェームスなども来ていた。日野さん、一曲目始まるなり全開で「スライ、スライ!」と叫ぶ。もちろん、「アイ・ウォナ・ビー・ユア・ラヴァー」が始まれば、「プリンス! プリンス!」。やっぱりあのファルセットは、プリンスの影響強しだと思う。

エリックは、毎日ライヴが終わった後、サイン会をやっていた。この日もしていた。とりあえず『ハリケーン』にサインしてもらった後、少し話す機会があった。

エリックがステージで話す声を聴いていて、ずっと誰かの声に似ているなあ、と思っていたのだが、どうしてもそれが思い出せなかった。エリックと話始めてすぐに、それがわかった。あってるかどうかわからないのだが、つまり、似てないという人もいるかもしれないが、テニスプレイヤーのアガシの声、話し方に似ていると僕には思えたのだ。アガシがインタヴューなどで話している声と話し方、それとエリックがステージで話している時の声。僕にはとても似てるように感じた。木曜からずっと考えていて、やっとわかってほっとした。

「あなたの声やしゃべりかたが、ある人に似てると思ってたんです。アガシです」 「誰?」 「テニスプレイヤーのアガシ」 「え、僕の声がアガシに似てるの? 今まで言われたことないな。彼は歌うの?」 「いや、歌わないと思う」 

「ところで、あなたの誕生日は、69年の10月15日であってますか?」と尋ねると、「いや、66年だよ。僕はオールドマンなんだ。(笑い)」 「ええ? じゃあ、69年というのは、間違ってる?」 「うん、間違ってるよ」 ということは来週の土曜日で39歳だ。公式のバイオグラフィーなどで2年サバを読むのはとても一般的なのだが、この場合3年。微妙におもしろい。

「スティーヴィー・ワンダーは好きですかDo you like Stevie Wonder?」と尋ねたら、どうも発音が悪くて「Do you write Stevie Wonder?(スティーヴィーに曲を書く?)」と取り違えられ「ノー、ノー」とびっくりされた。改めてゆっくり言うと、「おお、もちろん」との答え。「新作はきいた?」と聞くと「スティーヴィーが何曲か聞かせてくれたよ」と実際、会って聞かせてもらったということを話してくれた。まあ、スティーヴィーに曲を書くシンガー・ソングライターなんて、まず今はいない。

それにしても、エリックは次々並ぶファンに一枚一枚ていねいにサインをしていた。

モーションのライヴは、ブルーノート木曜セカンドより一曲少なかった。木曜の13曲目「ホエア・ダズ・ラヴ・ゴー」がカットされていた。また、ラテン調の「ホワイ・ユー・フォロー・ミー」を聞いているとき、この曲、ヒロミ・ゴーが歌ったら、日本でもヒットしそう、などと思った。

モーションを出た後、久々にソウルバー、シュガーシャックに行って「今、ベネイ帰りです」と言ったら、オウナー石川さんが、シンバッドのライヴイヴェントでデニース・ウィリアムスとエリック・ベネイがデュエットしている映像を見せてくれた。わお! サンクス! 二人は「ホエン・ユー・シンク・オブ・ミー」と、マーヴィン&タミー・テレルでおなじみの「エイント・ナッシング・ライク・ア・リアル・シング」を歌っていた。エリックは真っ白のスーツを着ていた。

この数日、エリック三昧なり。

Setlist : Eric Benet, 2005.10.2 @ Motion Blue

(1)=1st album, (2)=2nd album, (3)=3rd album

show started 20.32
01. If You Want Me To Stay (Sly & Family Stone) (1)
02. When You Think Of Me (2)
03. India (3)
04. Be Myself Again (3)
05. I Wanna Be Your Lover (Prince)
06. Spiritual Thang (1)
07. Why You Follow Me (2)
08. Hurricane (3)
09. Spend My Whole Life With You (2)
10. "David Foster Song: Snippet" After The Love Has Gone / Through The Fire / I Will Always Love You
11. The Last Time I Fall In Love (3)
12. I Wanna Be Loved (3)
Enc. Georgy Porgy (including "What You Won't Do For Love") (Toto)(2)
show ended 22.00

(2005年10月2日日曜セカンドセット、モーションブルー横浜=エリック・べネイ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Benet, Eric

投稿者 吉岡正晴 : 04:32 AM | コメント (0)

October 03, 2005

(速報) エボニーズ公演中止に

(速報) エボニーズ公演中止に
Ebonys Canceled Upcoming Japan Tour

11月末に予定されていたソウル・ヴォーカル・グループ、エボニーズの来日公演がメンバーの病気のため中止となった。メンバーのひとりが、風邪をこじらせ、感染症になり、冬場の長旅にドクターストップがかかったため。改めて来日公演へ向けてスケジュールを再度組みなおす。チョコレート・クリーム・プロダクションが3日、発表した。

問い合わせ先 チョコレート・クリーム・プロダクション
電話 03-3487-4176
http://chocolatecream.co.jp/
Eメール chococri@ceres.ocn.ne.jp

投稿者 吉岡正晴 : 05:24 PM | コメント (0)

Eric Benet: A Man At Crossroad (Part 2 of 2 Parts)

(昨日のパート1からの続き) 

【人生の交差点--Part 2】

灯火。

音楽彼女はなにかがふっきれて、東京に戻ってきた。それを見た、彼女をいつも応援してくれていた女友達が一言つぶやいた。「ようやくわかったみたいね」 彼女にはすべて見えていたかのようだった。

2000年。そんな彼女がテレビで見た音楽ヴィデオの映像に目をとめ、そのアーティスト名をメモしていた。CDショップに行ったときに、そのメモを見ながらCDを探した。それがエリック・べネイのセカンドアルバム『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』だった。

家に戻りCDをかけると、一曲目からノックアウトさせられた。もうやられっぱなしだった。それこそ擦り切れるほど聴いた。自分が音楽をやることをやめてから、やみくもにただ音楽を趣味として聴いていた彼女が再び、自分でも音楽を作りたいと思い出すようになった。こんな声で歌われたらたまらない。だが、自分でもこれだけ人の魂を揺さぶる曲が作れたらいいなあ、という思いが少しずつ湧き上がってきた。音楽を止める決意をしてから5年以上の月日が経っていた。

改めて曲作りをするようになると、10年前の自分がいかに似非(えせ)シンガー・ソングライターだったかが、痛いほどわかった。10年間の経験が彼女にさまざまなことを教え、人間に深みを与えていたのだ。

音楽2005年、もちろん3作目も出たらすぐ買った。エリックのことをいろいろ読んだ。すると、エリックの苦労と挫折に感動し、その人生が妙に自分と重なってきてしまった。『ハリケーン』のいくつかの曲の歌詞を読めば読むほど、エリックの気持ちがわかってきた。

エリックは最初の妻と死別していた。次の奥さん、ハリウッドの大女優ハル・ベリーとも離婚していた。自分には子供はいなかったが、同棲していた彼氏と別れていた。

人に惑わされずもう一度自分自身になる決意を表明する「ビー・マイセルフ・アゲイン」、ハリケーンしか痛みを洗い流す方法がないときもあるという「ハリケーン」、僕は愛されたいと懇願する「アイ・ウォナ・ビー・ラヴド」・・・。いずれも、エリックが過去15年で経験してきたさまざまな出来事が投影されてきた作品だ。最初の妻の死、その忘れ形見インディア、そのインディアへの愛、親権をめぐる争い、新たな恋と別れ。個々の出来事が、それぞれの曲から実際には見てもいないのに、映画のワンシーンのように、フラッシュバックしてきた。そして、自分の10年を振り返ると、音楽での成功を夢見て東京にでてきたこと、しかし、いろいろあって音楽を止めたこと、まったくおもいがけず不倫をして、しかしそこから生きる糸口を見つけたこと、溺れかかったときに「生きたい」と強く感じたこと、同棲していた彼氏との別れなど、さまざまなシーンがリアルによみがえった。

彼女にとって、エリックの音楽は、自分の人生の節目節目に見事に現れてきた。自分の人生に迷いがあったとき、エリックの歌と声が、彼女にとっての漆黒の海原を照らす一筋の光を灯す灯台さながらとなっていたのだ。

+++++

直撃。

3作目『ハリケーン』を買ってからまもなくエリック・ベネイが来日することを知った。とるものもとりあえず予約した。最初土曜日を予約した。しかし、何日かして土曜日一日だけでは十分ではないのではないかと思い、初日も追加で予約した。

初日当日、最初はブルーノートには2時くらいに来るつもりだった。だが、ちょっと寝坊して、4時くらいになってしまった。予約番号は60番台だった。本当は一番前で見たいと思っていたが、一人だったのでなんとか前から数列目に座ることができた。9時過ぎに席に座り、ジントニックをオーダーした。テーブルにはハンカチを置き、準備万端にした。始まるまでの間、彼女は『ハリケーン』のCDの解説書と歌詞の日本語訳を読んでいた。歌詞を徹底的に頭の中にいれようと思っていたのだ。「その歌が歌われたとき、内容がストレートに私の中にはいってくるようにと思って」彼女は歌詞を丹念に読んでいた。彼女は、横に座っていた男がその姿を見て、心の中で「この彼女は本当にエリックが好きなんだな。ハンカチをテーブルに置いてるということは、本気で泣く気だな」などと推理していたとは夢にも知らなかった。

9時半スタートの予定がなかなか始まらず、彼女はちょっといらいらしてきた。だが、あこがれのエリックのライヴがまもなく始まると思うと、いらいらよりも、どきどきのほうが高まってきた。彼女の向かいの席はひとつ空いていたが、両隣にはカップルが座っていた。彼女の隣に座っていた女の子が男性に「エリックっていくつくらいなのかしら」と尋ねていた。彼が「う~んと、1969年か68年くらいの生まれじゃなかったかなあ。36か37かな」と言っていた。「へえ、けっこういってるんだ~。でもかっこいいよね~」

彼女の耳はダンボになっていた。「ブルーノートのホームページちゃんと予習したよ。そこにはエリックは1969年の10月15日生まれだって書いてあるよ~~。私と誕生日2日しか違わないんだから、ちゃんと覚えてるよ」と心の中でつぶやいていた。「68年じゃないよ~~。しかもまだ誕生日前だから、35だよ」 思わずとなりの会話に口を挟もうかと思ったが、さすがにやめた。

観客席のライトが落ち、ミュージシャンたちがステージにあがってきた。もう興奮は最高潮だ。彼らが音を出し、エリックが楽屋からでてきたら、気持ちは最大限に爆発していた。一曲目から立ちあがりたかったが、ちょっとだけ我慢して、椅子に座りながら踊った。無意識のうちに激しく体が反応していた。エリックの年を聞いていた隣の女の子には少し迷惑になったかもしれない。

一曲目からはやくも放心状態だった。通路を歩いてきたそのスーツ姿のエリックを見ただけで来てよかったと思った。そして、マイクを握り、歌い始めた瞬間卒倒しそうになった。「やっぱり、あの声なのよ。すべての苦労があの声に入ってるのよ。だから、私のソウルに直撃なの」 彼女はそう思った。「インディア」では体が凍りついた。「ハリケーン」には涙があふれた。

さいごのアンコール曲ではもう会場も立ちあがっていたので、自分も立ちあがって踊った。エリックが後ろ側の通路を通ってステージに向かった時、思わず、小走りにエリックに向かって、ちょっとだけ触ってしまった。

自分の過去10年と、エリックの過去10年。もちろん、その10年は場所も、スケールも、人生の中身もすべて違うものだったが、このエリックのライヴ空間に来たことで、まったく歩みの違ったふたつの人生が一瞬交わったような気がした。彼女と同じように、ベネイの音楽に影響を受けた人もたくさんいるだろう。ベネイのように自身の人生を歌に託すシンガー・ソングライターには、男でも女でも共感者が多い。エリック・ベネイは、彼自身人生のいくつもの交差点を通り過ぎてきた男だが、彼はまた、さまざまな他の人たちの人生の交差点にも立つ男だ。

ライヴが終わると力が抜けて、彼女は魂の抜けたぬけ殻になっていた。ソウルなきボディーだ。すると、となりに座っていた彼が声をかけてきた。「エリック、相当お好きなんですね」 その日、ひとりで行動していてほとんどしゃべっていなかった彼女は、水道管の蛇口をひねったように、いっきにしゃべり始めた。今見たライヴの感動を語り合いたかった彼女は、それだけでなく、自分が札幌から歌手を目指してでてきたこと、エリックの音楽との出会い、そして、エリックと自分のことについてずっと話し続けた。ふと気付くと店内のBGMは消え、満員だった席には彼女らしか残っていなかった・・・。

ENT>MUSIC>ESSAY>Benet, Eric


投稿者 吉岡正晴 : 01:35 PM | コメント (0)

October 02, 2005

Eric Benet: A Man At Crossroad (Part 1 of 2 Parts)

【人生の交差点】 

期待。

音楽ライヴが始まる前は、観客の期待感も徐々に高まっている。特に満員のセカンドセットとなれば、その温度もかなり熱くなっている。エリック・ベネイ初日、一人できていたその彼女はジントニックを係りの者にオーダーすると、おもむろにバックからハンカチを取り出し、テーブルに置き、さらに最新CD『ハリケーン』の解説書まで取り出した。そして、その解説文(ライナーノーツ)をさらりと読み、歌詞の日本語訳を熟読していた。まさに来るべきショウへの予習を熱心にしていたのだ。

約20分遅れで始まったショウ。バンドが音を出した瞬間から、その彼女はたったひとりで来ていたにもかかわらず、大爆発して座りながらも激しく体をゆすり踊り始めた。何人かグループで来て、盛り上がって踊り出す連中はよくいる。しかし、たったひとりできて、こののりは。いったいなぜ、彼女はこれほどエリック・ベネイの音楽に反応しているのか・・・。

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挫折。

1994年、札幌に住んでいた歌手志望の彼女は、真剣に歌手になる夢を求めていた。札幌時代にいくつかデモテープを作って売り込んだところ、とあるレコード会社が声をかけてくれ、レコード・デビューへの話が進み、とりあえず東京にやってきた。都内に部屋を借り、ちょっとアルバイトをしながら、ひたすら曲を作リ始めた。自分はいっぱしのシンガー・ソングライターだと思っていた。自分が他人よりも感性があることはうっすら気付いていた。自分が何かの出来事に感じる悲しみや喜びの度合いが他の人たちよりはるかに大きいのだ。だから嬉しいときはとても嬉しいが、悲しいときは相当落ち込む。その感情の起伏の激しさゆえに、なかなか友達も作り辛かった。

男2人と彼女でとりあえずユニットを作り、ライヴの準備も進めた。レコード会社の指導の元でレコーディングをしてみた。だが自分が作った作品について、ディレクターがあれこれ口出しをしてきた。もちろん、その曲をよくしようという建設的な意見なら、それもいいだろう。しかし、根本的な音楽的な違いからくる意見の相違は、なかなか受け入れることが難しかった。それでも、まだ何も音楽業界のことを知らない、10代のうぶな新人は、できるだけ、ディレクターや周囲の人に好かれようと、彼らの言う意見をどんどんとりいれた。

目指すサウンドは、スイングアウト・シスターズやシャーデーのようなちょっとおしゃれでクールな都会的サウンドだった。ところが、彼女は地があっけらかんとしていて、「がはは」と大きな声で笑うような豪快な女性だったから、目指す音とは少し違っていた。そして、周囲の意見に基づいて直して出来あがったデモ・テープの音は、彼女が最初に作ったものとは、似ても似つかぬものに変貌していた。ライヴも、MC(トーク)は、クールに行くようにといわれていたが、ひとたび話し始めるとオヤジギャグ満載でかなりファンキーになってしまった。観客からはバカ受けしたが、メンバーとスタッフは眉間にしわを寄せていた。

そして、次のライヴでは、自分を殺してクールにやってみた。しかし、自分で自分が自分じゃないように思えた。そんなこんなで、徐々に彼女にはストレスがたまっていった。曲も思うようにできなくなり、彼女は煮詰まって煮詰まって、部屋にこもるようになった。典型的な引きこもりだ。そして、悩みに悩んだ末、彼女は音楽をやめようと一大決心を固める。

収入も途絶え、なんとかわずかな蓄えとアルバイトでその日暮らしを続けたが、毎日がつまらなかった。大好きだった音楽を止めて、なにか自分の体から魂が抜けてしまったようだった。自分はせみのぬけがらのようだったと彼女は感じていた。挫折の日々だった。

自殺。

自分の顔を鏡で見ても、とても嫌な顔になっていた。そんなとき、アルバイト先のひとりの女性がいつも彼女のことを応援してくれいてた。なぜかはわからないが、落ち込み、元気のない彼女を「だいじょうよ、いいことが起こるから」と声をかけてくれた。もちろん、彼女にとっては少しは嬉しかったが、それほどの励ましにはならなかった。躁鬱(そううつ)のうつ状態がずっと続いた。自分が嫌いで、何度も自殺したいと思った。「でも、痛いのは怖いので、本当に自殺する勇気はないの。だから、何かの事故にでもあって死ねればいいのになんて本気で考えていた」

そんな彼女は、自分ではひじょうにまっとうに生きてきて、曲がったこと、道理にそぐわないことが大嫌いな性格だった。竹を割ったような性格で、白黒をはっきりさせるタイプだ。たとえば、男女関係で言えば、不倫などもってのほか、絶対に許せないことであり、自分が妻子持ちなどに興味を持つことなどありえなかった。彼女はそのころ、ミュージシャンの彼氏と同棲していた。

彼女のバイト先は飲食店だった。そこにはさまざまなタイプの客がやってきた。そんな中で彼女に積極的にアプローチしてくる男がいた。だが第一印象から、彼女はその男が大嫌いだった。自分の嫌いなタイプだったのだ。客なので、それほどそでにもできないが、彼女なりにかなり邪険に扱っていた。何度も顔を合わせるようになってしばらくしてから、店のスタッフとその客の男と何人かで飲みに行くことになった。宴が終わり、帰ることになると、その大嫌いな男と家の方向が同じだったので、その彼が彼女を送ることになった。彼女はかなり酔っていた。彼の家のまえで別れ際に、なんと彼女のほうから彼にキスを求めてしまったのだ。

「それがわからないのよ。なんでそうなったのか。よっぱらっていたからか。嫌いなはずなのに、しつこく、これでもかこれでもかってアプローチされて、だんだん惹かれていたのか。わからない」。そして、これを機に彼女は彼と会うようになり始める。

ところが、彼女が一番感じたのが、その彼に会うことによって、自分がうつから少しずつ抜け出せるような気がしてきたということだった。彼女はそれが信じられなかった。しかし、しかし、その彼には妻子がいることが発覚したのだ。絶対に不倫などしないと思っていた自分がよりによって気になり始めた男に妻子があったのだ。彼女は、またここで多いに葛藤する。

彼女は、いつも自分は死にたいと思っていた。そんな死にたいと思っていた95年1月、阪神大震災が起き、さらに2ヶ月後の3月には地下鉄サリン事件が起こる。魂の抜け殻の体で「ぼーっと」その映像をテレビで見ていて、彼女は思った。「私が、地震で死ねばよかったのに。私がサリンで死ねばよかったのに。死にたい私がこうして死ねないでいるのに、なんで死にたいなんてこれっぽっちも思っていない多くの人が死ななければならないの? これはおかしい。私は、神にひょっとして生かされているのかもしれない。私は生きていかなければならないのかもしれない」と。

生。

そんなあるとき、彼女は友人たちに屋久島へ数日間の旅を誘われる。うつ状態からも少しずつ抜け出し、しかし、不倫で悩んでいることもあり、悩みの状態は続いていた。心機一転する意味でこの旅行にでかけることにする。

屋久島はもちろん、彼女にとって初めてだった。ここで彼女は初のダイヴィングに挑戦することになった。初めてのダイヴィングは楽しかった。彼女はどんどん調子にのって沖に進んでいった。まったくの初心者だったので、自分では方向性がわからず、沖から岸に戻ろうとしているのに、実際は岸にはまったく近づいていなかった。ちょっと不安に思ったその瞬間、彼女の足がつった。そして、そこで彼女はおぼれかかったのだ。

足をばたばたさせると、水が口の中にはいってきた。苦しい。ダイヴィングの機材が急に重く感じられた。海底のほうから、何かが自分の足を引っ張るような感覚がした。しかし、おぼれ始めて、自分が何がどうなったのかわからなくなったその瞬間に、彼女は思ったのだ。「死にたくない!」 そして、思いの丈をこめ彼女は叫んだ。「助けて~~~!!!」

周囲の人たちがかけつけ、大事に至らずに彼女は助かった。このおぼれそうになった時感じた「死にたくない」という気持ちを、彼女は感慨深く考えていた。「私は、死にたくないんだ」 岸に引き上げられた彼女は、何度もその気持ちを反芻(はんすう)した。生への執着が生まれた瞬間だった。

(明日のパート2へ続く)

ENT>MUSIC>ESSAY>Benet, Eric

投稿者 吉岡正晴 : 06:30 AM | コメント (0)

October 01, 2005

Ebonys Will Be Coming To Japan For The First Time

【フィリーの伝説的ヴォーカル・グループ、エボニーズ初来日】

初。

1971年フィラデルフィア・インターナショナル・レコードから「ユーアー・ザ・リーズン・ホワイ」をヒットさせ、注目を集めたR&Bヴォーカル・グループ、エボニーズが2005年11月に初来日する。11月27日(日)、28日(月)、渋谷デュオ、その後30日(水)福岡クロッシング・ホールでライヴを行う。名盤を残しつつも、活動状況が謎に包まれていただけに、来日はまさに奇跡かもしれない。今回の来日メンバーは、オリジナル・メンバーのデイヴィッド・ビーズレーを中心にローナ・グロス、デシー・スコット、スタンフォード・ルイスの4人。

エボニーズは、「ユーアー・・・」のほか「イッツ・フォーエヴァー」の名曲もあり、アルバム数は少ないがひじょうに人気の高いアーティスト。ヒット曲が続かなかったために、一時期自然解散。メンバーのひとり、ジェニー・ホルムスは後にクリーム・デ・ココアというグループに参加する。

エボニーズは、1968年頃、ニュージャージー州キャムデンで結成された4人組R&Bヴォーカル・グループ。メンバーは、ジェームス・テューテン、デイヴィッド・ビーズレー、クラレンス・ヴォーン、そして、紅一点のジェニー・ホルムス。一枚インディでシングルを出した後、71年、ケニー・ギャンブル&リオン・ハフが設立したばかりのフィラデルフィア・インターナショナル・レコードと契約、71年初頭に「ユーアー・ザ・リーズン・ホワイ」をリリース。これが、ソウルチャートで最高位10位を記録。華々しいスタートを飾った。時あたかもフィリー・ソウルが大爆発する直前で、後に来るフィラデルフィア・サウンドの大ブームの夜明け時期の傑作だった。

その後、73年に「イッツ・フォーエヴァー」の名曲を出し、これが14位を記録するが、その頃同様にフィラデルフィアから登場してきたレーベル・メイトのハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ、オージェイズなどが次々と大ヒットを放つため、いまひとつ同レーベルでの「ファースト・プライオリティー(第一優先のアーティスト)」になりきれず、大ブレイクにはいたらなかった。

音楽76年、ブッダ・レコードに移籍、アルバムを出すが、大ヒットにはなっていない。結局、グループとしてはフィラデルフィアでアルバム1枚、ブッダで1枚の計2枚で伝説のヴォーカル・グループとなった。しかし、デビュー作『エボニーズ』は、ソウル・ヴォーカル・グループの作品の中でも傑作と呼ばれるようになり、ソウル・クラシックの一枚として長く愛されつづけるようになった。このアルバムは、1974年2月16日にリリースされスマッシュヒットを記録。しかし、名盤ながら在庫流通が少なくアナログ盤には一時期ちょっとした高値がついたこともある。その後、93年に日本でもCD化された。さらに、2003年5月21日、ボーナス・トラック4曲を含めて改めてCD化。現在はこのヴァージョンが店頭に並んでいる。また、一昨年最新アルバム『ザッツ・フォーエヴァー』をインディから出している。

全体的には、ブルーノーツ、オージェイズ的な正統派ヴォーカル・グループで聴き応え十分だ。


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THE EBONYS Japan Tour 2005
*今年のソウル愛好会presentsは、あのエボニーズの奇跡の来日!

名作1stアルバム「THE EBONYS」もSONYより10/21に再発されます。

・11月27日(日)&28日(月) 2日間共6時開場、7時開演

 渋谷duo(O-EAST1階) 2ステージ入替無し(2日間とも)

 テーブル席1万円(限定250席/1日)、立見¥7,000

 Info.:duo music exchange 03-5459-8711  www.duomusicexchange.com
チョコレートクリーム 03-3487-5442

                 www.chocolatecream.co.jp


・11月30日(水) 7時開場、8時開演

 西中洲 クロッシング・ホール(ホテル・イルパラッツォB1F)

 自由席・立見共¥8,000

Info.:クロッシング・ホール 092-716-3333

    GOODIE'S 092ー713-0295

THE EBONYS
David Beasley/ Lorna Gross/ Desi Scott/ Standford Laws

■チョコレート・クリーム・ウェッブ
http://chocolatecream.co.jp/

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ENT>MUSIC>ANNOUNCEMENT>Ebonys

投稿者 吉岡正晴 : 01:50 AM | コメント (0)