November 20, 2006

More Sam Moore; Complete Setlist Take You Back The Great Moments

【サム・ムーア・ネタもう少し】

追記。

感動さめやらぬサム・ムーアのライヴ。ドラマーのトニーが、ニューヨークのタイ・スティーヴンスの友人ということで、すっかりなじんで話をすることができた。いくつか小ネタを。

トニーは、このサム・ムーアのソウルバンドの屋台骨を支えるブラザーだ。約3年ほどサム・バンドに在籍している、という。金曜のショーの冒頭のインストゥルメンタル曲が僕はわからなかったので彼に聞いたら、ジミー・スミスの「バック・アット・ザ・チキン・シャック」だと教えてくれた。調べてみると、同タイトルのアルバムが1963年にでていた。有名な曲なんだ。インストゥルメンタルは何曲かあって、適度にチェンジしているという。

サム・ムーアの何が素晴らしいかと言えば、ソウル・エンタテイナーとしての哲学だろう。昨日紹介したインタヴューの中での「お客を楽しませなければだめなんだ」というシンプルながら、当たり前の考え方を、身体で実行する。60年代から70年代にかけてのソウルスターたちには皆、身体に染み付いているものでもある。それをやり続けているところがまた見事。

バックコーラスのひとり、キャロウェイはなんとまだ15歳という若さだった。15歳で、夜のナイトクラブでライヴをやっていいのだろうか。(笑) サムはランディー・ジャクソン(最新作のプロデューサー)に紹介されたが、歌ってみなさい、といったところ、堂々と歌ってみせ、起用することにした。しかし、当初はサムさえも彼女に直接話しかけることはできずに、お母さんやマネージャーに話をしなければならなかった、という。

キャロウェイがソロで歌う「クレイジー」では、サム・ムーアがバックコーラスをいれる。しかしバックでサムが歌う「クレイジー~~」という声が目立って目立って、とてもバックに収まらない。(笑) バックがフロントを食うというのは、こういうことなのだろうと思った。キャロウェイは、歌はストレートでこれからだと思ったが、15歳と知ってからは、逆に「これはすごいわ」と思った。きっと伸び盛りだから、次回会う時にはもっともっとよくなっているだろう。

サムの歌声の強さは恐れ入った。ステージでも何度かマイクを離し、素の声だけで会場に響かせた。「何か声の強さを維持する秘密はあるのですか」という黒沢さんの問に、「いやあ、別に何もないよ(笑)」と軽く答えた。本当に、声帯が強いのだろう。子供の頃からゴスペルで鍛えた喉、喉の基礎体力が圧倒的に違うようだ。サムは「まあ、いつも大きい声で歌うことかな」と付け加えたのだが・・・。いや、だから、なんでそんな大きな強い声が出るのかを知りたいんです。(笑) 

それにしても、金曜のセットリストを改めて眺めているだけで、その日のライヴの様子が思い出される。ちゃんとしたセットリストというのは、素晴らしき瞬間の思い出へのパスポートだ。サムのショーは、今年ブルーノートで見たライヴの中で僕にとってはナンバーワンだ。

(2006年11月17日金曜、東京ブルーノート=サム・ムーア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2006-213

投稿者 吉岡正晴 : 08:46 AM | コメント (0)