November 28, 2007

It’s The Temptations’ Week (Part 3) : Treat Them Like A Legend

【レジェンドとしてのテンプス】

レジェンド。

テンプテーションズは、アメリカのソウル・ミュージックの長い歴史の中で、さまざまな意味でナンバー・ワンのグループである。グループの歴史の長さ、ヒット曲の多さ、人気の高さなどから、ワン・アンド・オンリーであり、ナンバー・ワンでもある。ナンバー・ワン・ヴォーカル・グループは、ナンバー・ワンの伝説グループとしてトリート(取り扱い)しなければならない。Treat Them Like A Legend.

テンプスのライヴにまつわるビハインド・ザ・シーンをいくつかアット・ランダムに。

テンプテーションズ・レヴュー・フィーチャリング・デニス・エドワーズは今回5着ほどのスーツを持ってきていた。赤、オレンジ、青、緑、黄だ。それぞれのジャケットにコーディネートされたシャツ、靴、靴下がきっちり揃っている。さすが、ナンバー・ワン・ヴォーカル・グループだ。ファーストとセカンド・セットはもちろん衣装を変える。何色を着るかは、デニスがステージに上がる前に決める。

セットリストは、おおまかな基本的流れは決まっているが、デニスの指示で曲順が変わることがある。アンコールもあるかないかは、決まっていない。これは観客のノリ次第、気分次第のようだ。アンコールがある場合、曲はデニスがアンコールが始まる直前にキーボードで音楽ディレクターのコートランド・ジョーンズに曲名を言う。彼がとなりのベースマンに伝え、ベースマンはドラマーに伝える。瞬時に伝言ゲームのように曲名が伝わる。果たして一番端の左側のブラス・セクションまで無事伝わるか心配なのだが、ドラムスとベース、キーボードあたりの最初の音とテンポで、おそらく曲がわかるのだろう。「イントロ・ドン」みたいなものだ。

そのコートランドは、ものすごいのりのりで体を揺らしながらプレイしていた。実にファンキーなキーボードだったが、あれだけ元気だった彼も、ライヴ終了後は足が悪くて立ち上がれなかったことが判明。なんと杖をついて、立ち上がっていたのだ。これは意外だった。

舞台右手の椅子に座っていた白人の男性は、メンバーにタオルや水を手渡す係りだった。この人はかのDVDでもその役が映っていた。最初彼が舞台右手の椅子に座ったときには何をするのか疑問だった。ひょっとしてボディーガードかとも思ったのだが、いろいろステージ上で仕事はあるのだ。(笑) 

何度かステージ中、デイヴィッド・シーはドラマー横の椅子に座った。これは実はデイヴィッドが足(正確には膝)を悪くしているため。膝から、背中のほうにいく神経に何かが触れてどうも痛いらしい。本国でもカイロプラクティックなどに行っているとのこと。この膝はもともと十代の頃、スポーツ(フットボール)をやっていて怪我をしたことが遠因になっているようだ。だが、それを考えるとあの「アイ・ウィッシュ・イット・ウド・レイン」の熱唱振りは、やはり驚異的だ。

日曜日のライヴ後、江守さんがデイヴィッド・シー夫妻と食事をするというので、後からちょっと合流した。デイヴィッドは日本の焼肉が大好き、ということで焼肉屋さんへ。いろんな雑談をしたが、デイヴィッドらは帰国後翌日に国内で仕事が入っているという。奥さんが「デイヴィッドは働きすぎなのよ」と言う。翌日(月曜)がオフなので、江守さんが彼らを六義園(りくぎえん)に連れて行くそうだ。昔ながらの見事な日本庭園だ。そして、その後おみやげも買わなければならない。なんと、彼らには7人の子供と18人の孫がいるそうだ。みな比較的近隣に住んでいるという。クリスマスのときなどみんな集まって、デイヴィッドの奥さんが膨大な量の食材を買って料理を作るそうだ。ホームタウンでは息子が教会を持っていて、デイヴィッドらも日曜には地元にいれば必ず教会に行くという。信心深いまじめな夫婦だ。

デイヴィッドに尋ねた。「あなたのその強い声はどこから? あるいは何かその強さを持続する方法はあるのですか?」 「いや、特にないな。この声の強さは、生まれながらの自然なものだよ」 しかし、ショーストッパー「アイ・ウイッシュ・イット・ウド・レイン」における圧倒的な迫力を見せるデイヴィッドと、おいしそうに焼肉を日本の箸を上手に使いながら食べる人懐っこいデイヴィッドが同じ人とは思えない。素顔のデイヴィッドは実に純朴なナイスガイ、そして彼もまた日本が大好きだ。「日本、大好きだ。フード、人、それにいつでも江守に会いたいからな (I miss Emori anytime)」 2人は知り合って15年近くになる。日本で出たデイヴィッドの2枚のアルバムは、ソウルの名盤として高い評価を得ているが、それをプロデュースしたのが江守さんだ。そのときの多くのエピソードは、いろいろ聞いているので、いつかまとめて発表したい。太平洋を越えた2人の友情の絆は、かなり強固なものだ。

『ソウル・ブレンズ』の4時半の男のコーナー冒頭で、「いやあ、今日はもりだくさんですね。マーヴィンがあがっててねえ・・・(笑)」というと、マーヴィン「わかってくれた? ね、そのヘッドフォン、抜いて、抜いて。僕、持って帰るから(笑)」 「いやいやいや、僕のこのヘッドフォンはね、さっきまでアリ・オリが使ってたんですよ。(自慢気) ちーちゃんのはデニス・エドワーズが使ってたもの。で、マーヴィンのは、マーヴィンが使ってました~」と言ったら、マーヴィンが物悲しそうな顔をした。(笑) 「アリ・オリの男の色気が僕にもついたらねえ・・・」 ちーちゃん「吉岡さんからアリ・オリみたいなラヴパワーを発信されてもねえ、がははは」。

(このテンプテーションズの項まだつづく。明日は月曜日夜のお話)

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投稿者 吉岡正晴 : 04:51 AM | コメント (0)