November 23, 2006

Musical Rent: 

[ ENT>MUSICAL]

【ミュージカル『レント』】

ロック。

レント (Blu-ray Disc)1996年にニューヨーク、オフブロードウェイで始まったミュージカル『レント』は、すぐにブロードウェイに昇格し、ずっとロングヒットを続けた。1998年、1999年に日本人キャストによるヴァージョンが行われ、その後、2000年夏、2004年2月アメリカ人キャストの来日によるヴァージョンが行われている。(他に2002年ガラ・コンサート、2005年に『レント』の派生プロジェクト『チック・チック・ブーン』なども行われている) また、2005年に映画化され、2006年日本でも公開され、さらにDVDも発売された。そして、今回はおよそ2年ぶりのニューヨーク・キャストによるヴァージョン。

昔の『ラ・ボエーム』を現代版に置き変えたミュージカルで、舞台はニューヨークのイーストヴィレッジ。とある安アパートに住むミュージシャン志望、映像作家志望らを軸にした人間模様を描くロック・ミュージカルだ。彼らの友人たちの内、半数ほどがHIV(エイズ)に感染していて、明日の希望がない。

しかし、どんな貧乏のどん底にいても、自分の夢をあきらめずに追い続けようというひじょうにポジティヴなメッセージや、通常のミュージカルではかからないようなロック音楽をふんだんに使いブロードウェイで大ブレイク、トニー賞などを多数獲得した。

さて、僕個人としては、どうもミュージカルが苦手だということを再確認した。(笑) しかも前回『レント』を見たのが1998年の1度目の日本人ヴァージョンということで、かなり印象が悪かったことを記憶している。今回は本場から来ているので、中には印象に残るパフォーマンスもあった。コリンズ役(スコッティー・マクローリン)の歌がよかった。

・・・と書いて、どうも僕はミュージカルの見方がそもそも違っているかもしれないと思った。どうしても、各個人の歌とか演技を見てしまい、ストーリーや全体的な俯瞰したものを見落としがちなのだ。そのシンガーやパフォーマーの歌などに感銘を受けないと集中が切れる。また、アメリカのミュージカルだと横の字幕を追ってしまう。そうすると、一体誰が歌を歌っているのかわからなくなる。(笑) ワイアレスマイクで演じるので、声がすべて同じところ(スピーカー)から出てくるので、複数のシンガーが交互に歌ったりすると誰が歌っているかがわかりにくい。生声だと、その声の方向で誰が歌っているか、ほぼ察しがつくのだが。そこで、ストーリーやキャラクターに感情移入できなくなる、という悪循環が生まれるわけだ。今回はストーリーとかも、けっこう予習したのになあ・・・。(苦笑) 

そして、このミュージカルはロック・ミュージカルなので、どうしても音楽が僕にはなじめない。そこで、思いついた。これを全部黒人のキャストで、もっとソウルフルな音楽ばかりでリメイクしたらどうだろうか。ファンキーにソウルフルにやってもらうのだ。白人が黒人のものをパクる例はいくらでもあるが、黒人が白人のアイデアをパクるのはあんまりないので、どうだろうか。タイトルは『ソウル・レント』とか『レント・ブラックヴァージョン』とか。

■レント、オフィシャルサイト

http://www.rent2006.com/#cast

(2006年11月22日水曜、新宿厚生年金会館=ミュージカル『レント』)
ENT>MUSIC>LIVE>MUSICAL>Rent
2006-215

投稿者 吉岡正晴 : 04:34 AM | コメント (0)

January 15, 2006

Oen I Ost: Musical

[ ENT>MUSICAL]

【ミュージカル『ウーエン・イ・ウースト』】 

ロボット。

オリジナル・ミュージカル「ウーエン・イ・ウースト」を新宿シアター・アップルにて観劇。ダンスと歌と若干の演劇が混ざったミュージカル仕様のもの。エンタテインメント業界大手のアミューズの大里会長が、もともとロボットをテーマにしたエンタテインメントを作りたいという考えを持っていたところ、昨年、デンマーク人のスティーン・カーナーと出会い、このミュージカルが作られた。

観劇前にはプログラムは買わなかったが、見終わった後、あらすじなどがわからなかったので買ってみた。どうやら、舞台は1867年と2067年らしい。2067年の世界ではロボットが人間を支配しているという。そんな世界に反旗を翻すというストーリーのようだ。ストーリーのスタートは、1867年で、その次に2067年になり、最後また1867年に戻ったのだが、このあたりがよくわからない。

ま、ストーリーのわからなさはおいといて、一言で言うとパニクルーというダンスチームのダンスがうまかった。他に女の子のグループ、バジー(?)たちが歌って踊っていたが、これはアイドルみたいだった。セリフはつらい。また、最近大ブレイク中の演劇ユニット、チーム・ナックスから2名が参加。また、本格的なバレーを踊る人、本格的なロボットダンスを踊る人などが舞台にでているが彼らはさすがにうまい。ストーリーとか歌を聴くのではなく、単にダンスを見る、ということにしたほうがいいだろう。

なによりも感心したのは、約2時間10分の舞台が終って、キャストたちが舞台に勢ぞろいし、それぞれのグループが挨拶をしたところ。みんなトークがうまい。彼らのトークを生かすものができたら、これはいいだろう。パニクリューの代表のトークなんか、一気に観客たちをつかんだ。

(2006年1月13日金曜、新宿シアターアップル=ウーエン・イ・ウースト公演)

ENT>MUSICAL>Oen I Ost

2006-004

投稿者 吉岡正晴 : 04:09 AM | コメント (0)

August 17, 2005

Musical "Stomp": Hitting Everything And Became Hit Worldwide

[ ENT>MUSICAL]

【『ストンプ』、あらゆる物を叩いて世界的ヒットへ】 

ヒット。

2005-0816-2108.jpgストーリーなし、ダイアログ(セリフ)なし、そして、もちろん、メッセージなし。なんと素晴らしいことか。舞台で行われているのは、人間がただひたすら物を叩いている行為だけ。8人のパーカッション奏者が、日常生活で我々が使うような普通の物を打楽器に変身させ、そこから、生き生きとしたリズムを生み出す。

物を叩く行為は、音楽の最も原点だ。それに近いところにタップダンスがある。一応、ミュージカルというジャンルで紹介されているが、なんと言ったらいいのか、パーカッション・パフォーマンスとでもいうべきか、そんな作品がこの『ストンプ』だ。『ストンプ』にもタップダンスの要素が多々ある。タップに様々な道具をクロスオーヴァーさせてできたのがこの『ストンプ』と言っていいかもしれない。

既に何度も来日している『ストンプ』、今年は品川プリンスホテル内にできたステラ・ボールというホールでの公演になった。僕も初めて来たが、キャパは約1000人。日本にきているのは、ロンドン・キャスト、ニューヨーク・キャストなどの混合組。

箒(ほうき)、棒、ゴミ箱、ドラム缶、巻尺、椅子など、日常生活で使う様様な物をひたすら叩く。音を出す。それも、数人であわせて叩く。ただの打楽器の音が、リズムとなり、リズムに命が吹き込まれ、そこにソウルが注入される。音階が基本的にはないので、パーカッションによるノン・コーズのサウンドだ。ドラム、パーカッション好きの僕にはたまらない。

それにしても、パフォーマーたちの生き生きとした動き、そして、斬新なアイデアが見事だ。ただ物を叩くだけで、1時間40分、息をもつかせぬ展開で見る者を圧倒した。しかも、パフォーマーと観客の間に、ちゃんとコール&レスポンスまである。大道具から小道具まで、ヴァリエーションたっぷり。

全19演目で圧巻だったのは、8人がポール(棒)を使ったパフォーマンス。まるで、これは日本の殺陣のように思えた。かなりのリハーサルをした後がうかがえる見事なパフォーマンスだ。なんと、これを見たビートたけしが映画『座頭市』で、同じようなパフォーマンスをやったという。

壁に吊るされた様々なフライパンなどを、同じく上から吊るされたパフォーマーたちが叩くシーン(下記で14番目)も、見ごたえがあった。バスケット・ボールから始まり、竹馬のようにドラム缶に乗った連中が音を出しながら歩くシーン、18番目のゴミ箱の蓋とゴミ箱を激しく叩くシーンは、和太鼓のライヴを思わせた。後でプログラムを読むと、これの原案者たちは、和太鼓のパフォーマンスを見て、影響を受けたというから、納得した。

それにしても、ただ物を叩いて音を出すだけで、興奮してくるのはなぜか。人間の動物的本能が呼び起こされるからか。『ストンプ』は、これまでの一連のドラム系パーフォマンス(映画『ドラムライン』、ミュージカル『ノイズ&ファンク』、シーラEライヴ、和太鼓タオのライヴ、オマー・エドワーズのタップ)の中でしっかりとした位置に記憶された。これらのパフォーマンスは、それぞれは点だが、すべて線でつながる。もちろん、その線の先にはソウル・ミュージックが、そしてリズム&ブルースが見えてくる。

最後ひとつだけリクエストが。一番最後アンコールのパフォーマンスが終った後、ロック曲がエンディングテーマとして流れるが、ここはこのロック曲でなく、ブラザース・ジョンソンの「ストンプ」をかけてもらいたい。どんぴしゃだと確信する。『ストンプ』はあらゆる物を叩いて(ヒットして)、世界的なヒットになった。

+++++

■これまでのドラム系パフォーマンス、関連の日記

2004/04/21 (Wed)
The Tugaru Live: Can Shamisen Make Groove?
津軽三味線はグルーヴを作れるか
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200404/diary20040421.html

2004/05/02 (Sun)
Movie "Drumline": Another Field Of Dreams
映画『ドラムライン』~もうひとつの『フィールド・オブ・ドリームス』

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040502-1.html

2004/03/22
Bring In 'Da Noise, Bring In 'Da Funk: Soul explosion!
『ノイズ&ファンク』ライヴ評

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200303/diary20030322.html

2004/04/10 (Sat)
Sheila E Live @ Duo: Heartbeat From Ancient Times
シーラEライヴ評~太古からの鼓動
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200404/diary20040410.html

2004/04/11 (Sun)
Sheila E Live: "River God" Makes Her Tears
シーラEライヴ評

http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200404/diary20040411.html

2004/08/21 (Sat)
Samurai Soul Is Here To Stay: Tao Live At Kokusai Forum
和太鼓集団タオ・ライヴ評~サムライ・ソウルここにあり
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040821.html

July 29, 2005
Harlem Nights: Omar Edwards, Barefoot Tap Dancer
ハーレム・ナイツ~裸足のタップダンサー、オマー・エドワーズ
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_07_29.html

+++++

■Setlist According To My Observation

(Incomplete=There's no official setlist released. Following titles are my original idea to individual performance. 公式にはセットリストはありません。下記に示したタイトルは、筆者がそのパフォーマンスを見て感じて勝手につけたタイトルです。ショウをご覧になった方は、このタイトルで、なんとなくその時のパフォーマンスを思い出されることでしょう。私の観察によるセットリストということでご了承ください)

show started 19:07

1. Brooms (ほうき)

2. Matchboxes (マッチ箱)

3. Hands & Feet (ボディー・ヒット)

4. Brooms & Dustpan & Bins (ほうき、塵取り、ゴミ箱)

5. Water Pipe (水道管)

6. Bucket, Sink & Water (バケツ、シンクと水)

7. Sucker (吸盤)
8. Large Brooms (大きなモップ)

9. 8 Poles & Swordplay (8本の棒と殺陣)

10. A Tape Measure, Knife, & Saw (巻尺、ナイフ、のこぎり)

11. Large Water Bottle (大きなミネラルウォーターのボトル)

12. Zippos (Cigarette Lighters) (ライター)

13. 5 Chairs (5脚の椅子)

14. Suspension (Off The Wall) (壁に吊るされたたくさんのパン)

15. Newspaper (新聞紙)

16. Basketball (バスケットボール)

17. Tea Box & Walkers With A Drum (紅茶の箱とドラム缶の竹馬)

18. In The Black Vinyl Bag (黒いヴィニール袋の中から)

19. Lids & Bins (ゴミ箱の蓋とゴミ箱)

Enc. Stomp & Everything (すべてをストンプ)

show ended 20:49

+++++

■ミュージカル『ストンプ』 
2005年8月2日から8月21日まで。品川プリンスホテル・ステラボール
www.stomp-japan.com

+++++

(2005年8月16日、品川プリンスホテル・ステラボール=ストンプ・ジャパン・ツアー2005)

ENT>MUSICAL>Stomp

投稿者 吉岡正晴 : 04:25 AM | コメント (0)

June 09, 2005

Musical "We Will Rock You"

[ ENT>MUSICAL]

【ミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』】

狂喜乱舞。

あの新宿歌舞伎町のコマ劇場が変身した。内装を大幅に変え、ステージを扇型に囲むミュージカル向きに客席が作られた。収容人数は1900余。前の席と微妙に席位置がずれているため、前の人の頭がそれほど気にならない。欧米のミュージカル・シアター、コンサート・ホール的な雰囲気だ。また、いくつも食べ物飲み物を出すカフェがあり、そのあたりも考えられている。

さて、そんなコマ劇場に今回イギリスで大ヒット中のミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』がやってきた。このミュージカルは、イギリスの人気グループ、クイーンのヒット曲を多数使ったロック・ミュージカルで、2002年以来イギリス、オーストラリアなどで上演されロングランになっているもの。日本でも5月末から8月いっぱい長期公演(計103回)が予定されている。今回の来日は、オーストラリア・ヴァージョンのキャスト。

結論から言うと、かなり楽しめた。舞台もよくできているし、ダンサー、シンガーたちもしっかりパフォーマンスを見せる。なにより、場面転換がたくさんあって、飽きさせない。クイーンのファンだったら、流れる曲はみな知っているだろうし、かなり楽しめるのではないだろうか。アバ・ファンが『マンマ・ミーア』をリピーターとなって見るのと同じようになるだろう。

ストーリーは単純明快。近未来2055年が舞台。この時代はコンピューターが世界を支配し、あらゆる人間がクローンのようになっていた。音楽はコンピューターが作るような画一化されものばかり。楽器の使用は禁止され自由に音楽をすることができなかった。だが、そんな状況で反体制のボヘミアンたちは、密かに音楽を作ろうとしていた。隠されたギターはどこにあるのか。そのギターを弾くべきスーパースターは登場するのか。ボヘミアンが言う。「今の音楽(2055年の音楽)には、心も魂(ソウル)もない」。未来地球にソウルは蘇るのか。

ストーリーもシンプルだが、脚本がよくできている。あらゆるところに、さまざまな音楽やミュージシャンの名前、顔写真などがでてきて、ロックの歴史も俯瞰(ふかん)する。27人の出演者の中で、「俺はクリフ・リチャード」、「俺はエルヴィス・プレスリー」などに混ざって、「俺はジェームス・ブラウンだ。ゲロッパ」というのまででてきた。さらに、日本向けのちょっとしたコネタも挟み込み、笑わせてくれるところもある。

正面にステージがあり、その左右少し上のところにバンドピットがあり、そこで8人編成のバンドが演奏をしている。また字幕は正面ステージの左右の端にある。比較的文字が大きいのと、舞台がそれほど大きくないので、見やすい。以前のミュージカル『ビッグ・リヴァー』などの字幕と比べるとずいぶんと見やすかった。

テレビモニターとの連動が実にうまく、最近のロック・コンサート並みの使い方だ。(ロック・コンサートがミュージカル並みになったというべきか) 

途中15分程度の休憩をはさんで、約2時間50分。きっとクイーンの熱心なファンだったら、狂喜乱舞するだろう。パフォーマーたちは、観客をロックし、観客は彼らに見事にロックされた。ショウが終わり歌舞伎町の喧騒の中に出ると、北朝鮮との試合に勝ったことを喜ぶ人たちの狂喜乱舞に包まれた。

『ウィ・ウィル・ロック・ユー』公式ウェッブ
http://www.wwry.jp/

ミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』、2005年5月27日から8月24日(水)まで公演。新宿コマ劇場。

(2005年6月8日水曜、新宿コマ劇場=ミュージカル『ウィ・ウィル・ロック・ユー』)

ENT>MUSICAL>We Will Rock You

投稿者 吉岡正晴 : 04:25 AM | コメント (0)